MLB2021徹底予想:米スポーティング・ニュース記者4人が予想する地区優勝、プレイオフ、ワールドシリーズ組み合わせ

Jason Foster

MLB2021徹底予想:米スポーティング・ニュース記者4人が予想する地区優勝、プレイオフ、ワールドシリーズ組み合わせ image

■関連コンテンツ

毎年恒例の米スポーティング・ニュースの名物記者たちによるMLBシーズン予想。2021年の今季はどんな予想が展開されたのか?

さあ 予想を始めよう。

MLBは開幕日を迎えた。それはつまり我々が、これから約6か月の間に、誰がどのシリーズを制するのか、誰がサプライズを起こすのか、そして誰が失望をもたらすのか、を予想する時期にいるということだ。もちろん、誰にも本当のことは分からない。野球の予想をするということは愚か者の所業であるとも言えるのだ。だが、それでも予想はいつでも楽しい。10月になってから予想を振り返り、どれだけ我々が間違っていたかを見るのも一興であろう。

何はともあれ、我々スポーティング・ニュースの記者たちが専門家の矜持を持って送る、2021年MLBシーズンの予想をここに記すこととしよう。

 

MLB2021シーズン予想

Ryan Fagan

ツイッター: @ryanfagan

 

アメリカン・リーグ 地区優勝チーム

東地区:ニューヨーク・ヤンキース

中地区:シカゴ・ホワイトソックス

西地区:オークランド・アスレチックス

ワイルドカード:トロント・ブルージェイズ、ミネソタ・ツインズ

 

アメリカン・リーグ 個人賞

最優秀選手賞(MVP):大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)

サイヤング賞:ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)

新人王:ワンダー・フランコ(タンパベイ・レイズ)

 

ナショナル・リーグ 地区優勝チーム

東地区:アトランタ・ブレーブス

中地区:セントルイス・カージナルズ

西地区:ロサンゼルス・ドジャース

ワイルドカード:サンディエゴ・パドレス、ニューヨーク・メッツ

 

ナショナル・リーグ 個人賞

最優秀選手賞(MVP):ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)

サイヤング賞:ウォーカー・ビューラー(ロサンゼルス・ドジャース)

新人王:ケブライアン・ヘイズ(ピッツバーグ・パイレーツ)

 

ポストシーズン

アメリカン・リーグ チャンピオン:シカゴ・ホワイトソックス

ナショナル・リーグ チャンピオン:ロサンゼルス・ドジャース

ワールドシリーズ 優勝チーム:ロサンゼルス・ドジャース

 

注目するポイント

― 毎年言っていることではあるが、初めてそのことに気がついたときから私の中では変わらないものがある。どの野球シーズンにおいても、私がもっとも好きなものはサプライズなのだ。いつものように、地区優勝チーム、プレイオフ進出チーム、個人賞の行方、そしてチャンピオン・チームを予想することはまったく悪くない。だが個人的な心情を述べさせてもらうと、それまで無名だった選手や下馬評が低かったチームがブレークして全米の注目を集めるようなことに私は興奮を覚えるたちだ。それは例えばドジャースが今年もナショナル・リーグ西地区を制するだろうといった予想を的中させるよりはるかに楽しい。サプライズとスリルに期待したい。

― 2021年はここ何年か期待を裏切り続けてきた2つのチームがついに躍進のときを迎えるシーズンになるだろうか? マイク・トラウトの時代とも呼ぶべきにもかかわらず、ポストシーズン進出を逃し続けてきたエンゼルスはその1つである。だが、エンゼルスのファンだけがポストシーズンを待ち望んでいるわけではない。フィラデルフィア・フィリーズも2011年以来ポストシーズン進出を逃し続けている。ちなみにエンゼルスが最後にそれを果たしたシーズンの翌年のことである。ブライス・ハーパーを擁した過去3年間を、フィリーズはいずれも勝率5割前後で終わっている。大谷翔平は今年こそブレークスルーを果たし、その才能に相応しい成績を挙げることだろう。それはエンゼルスにとって非常に大きな効果になる。そしてフィリーズが弱点と見られる救援投手陣のテコ入れに成功すれば、ナショナル・リーグ東地区でブレーブスとメッツを脅かす存在になり得る。もっともここ何年か同じことを言い続けてはいるのであるが。

― あまり好ましい話題ではないが、2021年シーズン終了後に失効する労使協定はこの夏にあらゆる意味で頭痛のタネになるだろう。2020年の短縮されたシーズンにおいてナショナル・リーグでも適用された指名打者(DH)制が今シーズンは見送られたのも、そのMLB機構と選手会との間で交わされる不気味な交渉の結果である。プレイオフの拡張が見送られ、今年のポストシーズンでは各リーグから5チーム「のみ」が進出することも同じ理由である。もちろんシーズン終了後に起こることではあるが、おそらくは醜い泥試合が待っていることを予期しなくてはならないだろう。そしてそれは気にかけなくてもよいほどの遠い未来ではない。

▶プロ野球を観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

 

Jason Foster

ツイッター: @ByJasonFoster

 

アメリカン・リーグ 地区優勝チーム

東地区:ニューヨーク・ヤンキース

中地区:シカゴ・ホワイトソックス

西地区:オークランド・アスレチックス

ワイルドカード:ロサンゼルス・エンゼルス、ミネソタ・ツインズ

 

アメリカン・リーグ 個人賞

最優秀選手賞(MVP):マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)

サイヤング賞:ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)

新人王:アンドリュー・ボーン(シカゴ・ホワイトソックス)

 

ナショナル・リーグ 地区優勝チーム

東地区:アトランタ・ブレーブス

中地区: セントルイス・カージナルズ

西地区: サンディエゴ・パドレス

ワイルドカード:ロサンゼルス・ドジャース、ニューヨーク・メッツ

 

ナショナル・リーグ 個人賞

最優秀選手賞(MVP):ロナルド・アクーニャ・ジュニア(アトランタ・ブレーブス)

サイヤング賞:ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)

新人王:ケブライアン・ヘイズ(ピッツバーグ・パイレーツ)

 

ポストシーズン

アメリカン・リーグ チャンピオン:ニューヨーク・ヤンキース

ナショナル・リーグ チャンピオン:サンディエゴ・パドレス

ワールドシリーズ 優勝チーム:ニューヨーク・ヤンキース

 

注目するポイント

― ナショナル・リーグ西地区でパドレスはドジャースを脅かすだろうか? 私はパドレスがこの地区を制することを予想する。あるいは楽天的な見方に過ぎるかもしれないが、パドレスのそうそうたる才能に溢れた選手たちを多くの人はまだ正当に評価していないようにも思える。

― スタジアムが満員の観客で埋まる日はいつ来るだろうか? 私の予想では、4月、5月、6月に少しずつ観客数を増加させていったのち、全米でワクチン接種がさらに広がることもあり、7月にはほとんどのチームが最大収容人数の90%以上になる観客を迎えることができるだろう。9月になれば100%満員御礼になることもあるかもしれない。

― 投手は打席に立つべきではないと全員が合意する日はいつ来るだろうか? 全員一致の賛成が見込めるような案ではないことは理解しているが、既に1年試したDH制の後で、今年は投手たちの打撃成績がいつもより悪くなるかもしれない。そうなると両リーグでDH制を適用することに反対する声も少なくなるであろうし、2022年以降はそれが定着することが望ましい。

▶プロ野球を観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

 

Joe Rivera

ツイッター: @JoeRiveraSN

 

アメリカン・リーグ 地区優勝チーム

東地区:ニューヨーク・ヤンキース

中地区:ミネソタ・ツインズ

西地区:ヒューストン・アストロズ

ワイルドカード:オークランド・アスレチックス、タンパベイ・レイズ

 

アメリカン・リーグ 個人賞

最優秀選手賞(MVP):マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)

サイヤング賞:ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)

新人王:ジャレッド・ケレニック(シアトル・マリナーズ)

 

ナショナル・リーグ 地区優勝チーム

東地区:ニューヨーク・メッツ

中地区:セントルイス・カージナルズ

西地区:ロサンゼルス・ドジャース

ワイルドカード:サンディエゴ・パドレス、アトランタ・ブレーブス

 

ナショナル・リーグ 個人賞

最優秀選手賞(MVP): フェルナンド・タティス・ジュニア(サンディエゴ・パドレス)

サイヤング賞:ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)

新人王:クリスチャン・パチェ(アトランタ・ブレーブス)

 

ポストシーズン

アメリカン・リーグ チャンピオン:ニューヨーク・ヤンキース

ナショナル・リーグ チャンピオン:ロサンゼルス・ドジャース

ワールドシリーズ 優勝チーム:ロサンゼルス・ドジャース

 

注目するポイント

― 今年もまた、ヤンキースは先発投手陣に不安を抱えたままで2021年シーズン開幕を迎える。田中将大が日本に帰国し、ルイス・セベリーノはトミージョン手術後のリハビリ中である。従って今シーズン開幕を迎えるにあたって、ゲリット・コール、コーリー・クルーバー、ドミンゴ・ヘルマン、ジェイムソン・タイヨン、ジョーダン・モンゴメリーの5人で先発ローテーションを組むことになる。ベテランの復活(クルーバー、タイヨン)と若い新戦力の台頭(デイビー・ガルシア、クラーク・シュミット)にヤンキースは頼らざるを得ないということだ。ハイリスク、ハイリターンのローテーション戦略が功を奏するかどうか、今シーズンのヤンキースも先行きは不安である。

― ナショナル・リーグ西地区の戦いは楽しみである。パドレスの強さは本物であり、ダルビッシュ有が先発ローテーションに加わることで、今年はさらに強くなる。さらには傘下マイナーチームにも数多くの若い有望株選手を抱えている。昨年ワールドシリーズ優勝のドジャースはそれが60試合に短縮されたシーズンに起きた、フロックではなかったことを証明しなくてはならない。

― 今年もまた野球界はマイク・トラウトを10月に見られることを待ち望んでいる。長引けば長引くほどに、悲劇はその度合いを増やしていく。エンゼルスは今年こそポストシーズンに進出することぐらいはできそうだ。だが、けっして安心はできない。

▶プロ野球を観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

 

Tom Gatto

ツイッター: @tgatt_tsn 

 

アメリカン・リーグ 地区優勝チーム

東地区:ニューヨーク・ヤンキース

中地区:シカゴ・ホワイトソックス

西地区:ヒューストン・アストロズ

ワイルドカード:タンパベイ・レイズ、トロント・ブルージェイズ

 

アメリカン・リーグ 個人賞

最優秀選手賞(MVP):アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)

サイヤング賞:ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)

新人王:ジャレッド・ケレニック(シアトル・マリナーズ)

 

ナショナル・リーグ 地区優勝チーム

東地区:アトランタ・ブレーブス

中地区:ミルウォーキー・ブリュワーズ

西地区:ロサンゼルス・ドジャース

ワイルドカード:ニューヨーク・メッツ、サンディエゴ・パドレス

 

ナショナル・リーグ 個人賞

最優秀選手賞(MVP):フアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)

サイヤング賞:ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)

新人王:シクスト・サンチェス(マイアミ・マーリンズ)

 

ポストシーズン

アメリカン・リーグ チャンピオン:ヒューストン・アストロズ

ナショナル・リーグ チャンピオン:ロサンゼルス・ドジャース

ワールドシリーズ 優勝チーム:ロサンゼルス・ドジャース

 

注目するポイント

― アメリカン・リーグの上半分はかなりの激戦となる。本気でポストシーズン進出を狙えるチームが8つある。レイズ、ヤンキース、ブルージェイズ、ホワイトソックス、ツインズ、クリーブランド・インディアンス、アストロズ、そしてアスレチックスだ。そこには今年の躍進が望まれるエンゼルスとボストン・レッドソックスは含まれていない。マリナーズとカンザスシティ・ロイヤルズにさえもポストシーズン進出の可能性はある。今シーズンはもっと多くの観客が球場に戻ってくることも伴って、同地区チーム同士の対戦はさらに熱気を帯びるだろう。

― オフシーズンで補強に成功したチームはその勢いを公式シーズンに持ち込むことができるか? パドレスとホワイトソックスは短縮された2020年シーズンにポストシーズン進出を果たし、さらにその戦力を大掛かりに補強した。この両チームは60試合制ではなく162試合制のシーズンでも勢いを保てるだろうか? パドレスはドジャース打撃陣の強力なパワーに対抗できるだろうか? 新人のアンドリュー・ボーンはシーズンの早い段階からエロイ・ヒメネスにとってかわり、ホワイトソックスがトレード期限までに新たな打者を追加する必要はないと思わせることができるだろうか?

― 2021年の使用球は本当に飛ばないボールとなり、打者たちに大きな影響を与えるだろうか? パワー打撃に頼ったチーム(ほとんどすべてのチームがそうだ)は最初のうちはホームラン数を何本かは減らすかもしれないが、それでも攻撃力そのものは大きく変わらないだろう。投手たちはボールがフィールド内に留まる可能性が高まることで、あるいは自信をもって打者に対することができるかもしれない。だが、そのことによって生まれる失投もあるだろうし、そうなるとボールの材質にかかわらず、打球は遠くへ飛んでいくだろう。

(翻訳:角谷剛)

Jason Foster

Jason Foster Photo

Jason Foster joined The Sporting News in 2015 after stops at various news outlets where he held a variety of reporting and editing roles and covered just about every topic imaginable. He is a member of the Baseball Writers’ Association of America and a 1998 graduate of Appalachian State University.