MLB2021年春季オープン戦の見どころ7選

Ryan Fagan

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春季キャンプに全チームが出揃った。ここまではすべて順調で、オープン戦が開始されたばかりだ。2021年シーズン開幕へと期待が高まる中で、注目するべき7つの見どころを紹介する。
 

ジャレッド・ケレニックにまつわる騒動

元シアトル・マリナーズ球団社長兼CEO、ケビン・マザー氏はかつて在任中に、球界から注目されるジャレッド・ケレニックが、開幕ロースター枠入りをしないことを球団が既に決定していると述べた。その理由はケレニックが厚かましくも球団との長期契約に合意しないからだとした。そしてGMのジェリー・ディポート氏はケレニックへのサービスタイム操作(訳者注:若手有望株選手のフリーエージェント資格取得を遅らせるためにメジャー昇格を見送ること)の噂を否定し、2A以上で21試合しか経験がない選手にそのような対応をするわけがないと発言した。マイナーリーグが閉鎖されていた2020年シーズン中、21歳のケレニックはマリナーズの代替トレーニング施設で極めて高い評価を受けていたにもかかわらずだ。

ケレニックはニューヨーク・メッツからドラフト1巡目指名を受けてプロ入りした逸材だ。ロビンソン・カノとエドウィン・ディアズがマリナーズからメッツへ移ったトレードの重要な交代員でもあった。そして今、スポットライトはケレニックを照らしている。ベースボール・アメリカ誌とMLB公式サイトの有望株選手ランキングで全体4位のケレニックは自らの真価を証明する機会を待ち望んでいる。
 

イニング終了の特別ルール

少なくとも春季オープン戦期間の前半においては、アウト3つでイニングが終了となるルールは厳格には適用されないことになった。ある投手がイニング内に最低20球以上を投げて、かつ代わりとなる救援投手の準備ができていない場合、監督らはイニング途中で終了させる権利を与えられたのだ。たとえばタイムリー2塁打が放たれて、ランナーが2塁と3塁に残っているような場面でイニングが終了することもあり得るというわけだ。何とも奇妙な話ではないだろうか。この特別ルールは3月13日までは有効になる。その後からは通常の野球ルールが適用される。
 

大谷翔平の投手復活

ロサンゼルス・エンゼルスの記事を追っているファンでなくても、野球ファンなら誰しもが、大谷が2月24日の投球練習で97マイル(156キロ)の速球を投げたと報道陣に語ったことを知っているだろう。このニュースによって、大谷がマウンドに戻ってくることへの期待がますます高まっている。度重なる故障によって、大谷の並外れた才能は忘れられていた。大谷はトミージョン手術の後で2019年シーズンを棒に振り、2020年シーズンは右上腕部の張りによって、わずか2試合の先発に留まった。そして大谷が加入して以来、エンゼルスはポストシーズン進出を果たせないでいる。だがもし大谷の速球が復活し、さらにメジャー移籍後2年間のように打ち出したとしたら、どうなるだろう? エンゼルスの春季キャンプからは目を離せない。

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アルバート・プホルスの最後の春季キャンプ(多分)

エンゼルスの春季キャンプについて語るなら、将来の野球殿堂入りが確実視されているアルバート・プホルスが見られる最後の春になることも忘れてはならない。2021年シーズンを終えるとき、プホルスは41歳になっている。そしてエンゼルスとの現行契約は満期を迎える。現役引退をするだろうという見方が有力ではあるが、仮にプホルスが現役続行を選んだとしても、そのチームはエンゼルスにはならないだろう。だからこそ、この春季キャンプでのプホルスを目に焼き付けておこう。プホルスは長い間かつての全盛期のような輝きを放ってはいない。だがそれでもプホルスが懸命にボールを追い、これまで以上のハードなトレーニングを自らに課している。将来の野球殿堂入り選手のそのような姿を見られることはけっして悪くはない。
 

ケブライアン・ヘイズへの期待

今の時点では、ヘイズはあのチャーリー・ヘイズの息子であることでしかあまり知られていない。1996年ワールドシリーズでニューヨーク・ヤンキースの最終アウトとなるフライを捕球したあのベテラン内野手だ。しかし、息子のヘイズもメジャーの世界に華々しく登場してきた。新型コロナウイルスの影響で短縮されたシーズンにおいて、ヘイズは24試合に出場し、打率.376、出塁率.442、そして202 OPS+の好成績を残した。ナショナル・リーグの新人王投票では6位だったが、それはヘイズの出場試合数が少なかったためである。ヘイズのbWARの数値は1.9であり、これは他の9人の新人王候補の誰よりも高かった。ピッツバーグ・パイレーツのチーム成績が振るわなかったせいで、ヘイズもあまり注目を集めることがなかった。2021年シーズンもパイレーツへの期待はさほど大きくはないが、ヘイズが春季キャンプでどのような活躍を見せるかをパイレーツ・ファンは楽しみにしてよいだろう。
 

ハンター・グリーンの復活

2017年ドラフト全体2位指名を受けたハンター・グリーンがマウンドに戻ってくることを楽しみにしているファンは多い。シンシナティ・レッズのファンだけではなく、野球界の将来を担うスター選手を待ち望むファンたちが、である。グリーンはレッズ傘下でこれまでに21試合に先発登板し、72回2/3を投げ、95個の三振を奪っている。だが、2018年シーズンをあと数か月残した時点でトミージョン手術を受けて離脱し、続く2019年シーズンも全休した。2020年シーズンは球団の代替トレーニング施設で過ごし、その姿が公になることはなかった。この春季オープン戦にグリーンが登場するとなれば、レッズのファンは実に2年半振りにこの剛腕投手を見ることになる。グリーンはまだ21歳だ。
 

新天地に臨む大物トレード選手たち

フランシスコ・リンドーアはメッツのキャンプ施設に映画『星の王子 ニューヨークへ行く』でエディー・マーフィーが演じたアキーム王子と同じジャケットを着て現れた。ノーラン・アレナドはセントルイス・カージナルズのキャンプ施設に球団カラーの赤を身にまとって現れた。ダルビッシュ有はワールドシリーズ制覇の期待が大きいサンディエゴ・パドレスの先発ローテーションに強力な追加戦力となった。クリーブランド・インディアンス、コロラド・ロッキーズ、そしてシカゴ・カブスのファンたちには気の毒ではあるが。

(翻訳:角谷剛)

Ryan Fagan

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Ryan Fagan, the national MLB writer for The Sporting News, has been a Baseball Hall of Fame voter since 2016. He also dabbles in college hoops and other sports. And, yeah, he has way too many junk wax baseball cards.