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MLBは2021年シーズンの新型コロナウイルスに関わる安全衛生対策手順を2月9日(日本時間10日)に発表した。そこに定められた多くの規則と規定はMLB選手組合からの合意も既に得られている。
そのほとんどは選手たちが行ってよい行動と、行ってはいけない行動を事細かに定めたものだ。例えば、遠征時にはホテルから歩いて行ける距離にあり、そして屋外に席があるレストランのみで外食が許可される。また春季トレーニングキャンプ中の検疫実施要項も定められている。
公式発表の全文をコピー・ペーストする愚はさけて(興味のある読者のためにリンクを貼っておく ※英語)、我々がこの対策手順の「ハイライト」だと考える5つの興味深いルールを紹介しよう。
1.マスク着用監督員
MLBの公式発表にはこうある。「試合中、または試合前のウォームアップでグラウンドにいる選手たちを除いて、チーム施設及びダグアウトにいる全員が常にマスクを正しく着用しなくてはならない。各チームは最低1人以上のマスク着用監督員を任命し、試合中に起きた違反は自動的に罰金の対象となる。集められた罰金はチャリティに寄付される」
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これは素晴らしい。実に、実に素晴らしい。選手たちよ、マスクを着用するのだ。もし他の選手たちやチーム関係者を守るためにマスクを着用する義務を負えないというのであれば、罰金が科せられるべきなのだ。全くもって、100%のルールだ。
当然のことながら、このマスク着用監督員なるものが実際にどのように機能するかについて、私にはいくつかの質問が生じた。そこでMLB機構に連絡をとってみた。MLBの内部マニュアルによると、以下の通りに定めてある。
対策手順遵守委員の責務には以下が含まれる:
- 遠征時の宿泊施設において、対策手順遵守委員(またはその部下)は宿泊施設の共用エリア(例:レストラン、バー、フィットネスセンター)を監視し、選手たち及びスタッフがそれらの施設を利用してはならないことを再注意する責任を負う。
- マニュアルのセクション4.2に準拠し、対策手順遵守委員はクラブハウス内(そして球場内のすべての制限されたエリア)において、人々の間で適切な距離が保たれていることを徹底しなくてはならない。
- 対策手順遵守委員は週次報告書をMLB機構に提出し、チーム関係者によるすべての違反を報告しなくてはならない。それに加えて、対策手順遵守委員はその報告書をチームのジェネラル・マネージャー、野球業務担当役員、及び球団社長に提出しなくてはならない。
- 各シリーズ終了後、対策手順遵守委員は球団のホームチーム及びビジターチームのクラブハウス運営責任者と面談し、どちらのチームによるかにかかわらず、対策手順から逸脱したすべての行為を文書化し、規則遵守を向上させるための提案を週次報告書に含めなければならない。
- 対策手順遵守委員は遠征に帯同する全員が安全衛生対策手順(マニュアルのセクション7.1に準拠)を遵守したことの証明とともに、各フライトの座席表をコミッショナー事務所に提出しなくてはならない。移動時間のすべてにおいて、遠征に帯同した全員が定められた席に座っていたこと、マスクを着用していたこと、そして試合に必要不可欠なメンバーであったことを証明しなくてはならない。
- すべての遠征の前に、対策手順遵守委員は遠征に帯同する全員に対して、移動時間及び宿泊施設到着後に課せられる安全衛生対策手順に定められたルールを徹底周知しなくてはならない。
- 対策手順遵守委員は検疫隔離中のスタッフ及び選手たちが球団及びコミッショナー事務所の医療スタッフからの指示に忠実に従っていることをコミッショナー事務所に対して証明しなくてはいけない。
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2.延長戦のイニングは自動的にランナー2塁から(再び)
2020年シーズンと同様に、延長戦のすべてのイニングはランナーを2塁に置いて始まる。これは必ずしも新型コロナウイルス対策のための処置ではなく、投手たちの安全を守るための処置である。60試合しかなかった昨シーズンから、今シーズンは162試合へと大幅に試合数が多くなる。その長期化したシーズンが投手たちにどのような影響を与えるかについては懸念の声がある。延長イニングが長引けば、投手たちにかかる負担が増え、それは不要なことであると見られている。そこで延長10回表からは魔法のようにランナーが2塁上に現れ、マラソンのような試合になることを防ぐことが目標なのである。
3.ダブルヘッダーは7イニング制(再び)
すべてのダブルヘッダーは7イニング制で行われる。基本的には延長戦ルールと同じ理由からだ。毎日のイニング数を可能な限り制限することが目標である。これは理にかなっている。
4.春季オープン戦では3アウトの前にイニング終了が選択可能に
2月27日から3月13日までに予定されている試合においては、守備側チームの監督は3アウト前にイニングを終了させることができる。投球数が20球を越えていることが条件だ。このルールの背景にある考えも投手たちの安全を守ることにある。もしある投手がある試合で調整目的の一環として20球投げることを予定していて、その20球に到達したときにノーアウトで、ランナーが2人塁上にいて、そして3点が既に入っていたとしよう。交代する投手の準備ができていなければ、監督はそこでイニングを終了させることができるのである。春季オープン戦、とくにその前半の試合は、選手たちがシーズン開幕までの準備をすることが目的で行われる。そして20球を予定していた投手が30球を投げることは故障に繋がる恐れがある。救援投手をイニング途中で慌てて準備させてマウンドに送ることも同様に故障の危険を招く。それほど重要なことではないのだ、特に春季オープン戦の早い時期においては。
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他にもこんなルールもある(『MassLive.com』のボストン・レッドソックス担当ライター、クリス・コティージョ氏のツイートより):
If you've ever thought spring training games are too long, you're in for a treat.
— Chris Cotillo (@ChrisCotillo) February 9, 2021
* Games between 2/27-3/13 can be played as 5- or 7-inning games, as long as the managers agree.
* Games on or after 3/14 will be scheduled as 9 innings but managers can agree to shorten to 7.
もし春季オープン戦の試合が長すぎると思ったことがあるなら、こんな朗報がある。
*2月27日から3月13日までの間、両チームも監督が合意すれば、5,または7イニング制で試合を行うことができる。
*3月14日以降の試合は9イニング制で予定されるが、両チームの監督が合意すれば、7イニングに短縮することができる。
5.ポストシーズンはまた中立地開催になる?
『The Athletic』の記事から:
「MLB選手組合との合意が得られれば(それを不当に引き延ばしてはならない)、MLBは2021年のポストシーズンのすべてかその一部の試合を中立地(他球団の本拠地球場を含む)で開催するか、あるいはポストシーズンの開始時期を遅らせてチャンピオンシップ・シリーズの日程を変更する権利を有する」
「不当に」という言葉には解釈の余地がかなり残されているような気がする。10月に物事がどのようになっているかを知ることは不可能ではあるが、希望を持って言うならば、その頃には世界はいくらかは正常さを取り戻しているのではないだろうか。2種類のワクチンが既に認可され、接種が始まっている。そしてジョンソン&ジョンソンの1回で済むワクチンも近い時期に認可される見通しだ(訳者注:筆者は米国内の事情を述べている)。もし8月の時点で米国内のワクチン接種がほぼ完了していたとしたら、球団はプレーオフの試合を本拠地で開催し、球場に観客を迎え入れることも可能になるだろう(各地域のルールにより観客数は制限されることは言うまでもない)。
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多分、これは万が一の予期せぬ事態が発生した時に備えたMLBの予防策とみるべきだろう。昨年に起きた出来事を考えると、それは賢明な判断である。あるいはMLBは2020年の中立地開催によるプレーオフの成功に味をしめて、もう一度あのやり方を繰り返したいと狙っているのかもしれない。ロジスティックの観点から見ると、あらかじめ開催地を決めておくことはMLBにとっては運営が容易になる。これからの推移に注目したい。
(翻訳:角谷剛)