第23回【MLB: A to Z (Word Series)】世界最高の舞台「ワールドシリーズ」

AKIRA FUJIWARA

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チームUSAが昨年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で大会史上初となる優勝を果たしても、米主要メディアの多くは「世界一」の言葉を使わなかった。その事実からも、米球界の根底にある「ワールドシリーズを制したチームこそワールドチャンピオン」の意識が透けて見える。

アメリカ国外の人間からは「国内のナンバーワンを決めるシリーズで世界一を名乗るなんて」との意見もあるが、1903年以降で通算113回の開催を誇る歴史はもちろんのこと、近年のレベルの高さやドラマチックな展開、ファンの熱狂度まで鑑みれば「世界一を決める戦い」と呼ぶに齟齬はない。

例えば昨年のアストロズとドジャースの死闘には、「史上最高のワールドシリーズ」との声もあり、一昨年にもそれと同等か、それ以上の興奮をカブスが生み出した。2011年にあと1ストライクで世界一にまでこぎ着けたテキサス・レンジャーズが、セントルイス・カーディナルスに追いつかれた場面は球史に残る瞬間風速を記録している。

アリゾナ・ダイヤモンドバックスが球団創設初の栄光に輝いた01年は逆転劇のパレードで、特に最終第7戦のルイス・ゴンザレスが放った世界一決定打は語り草だ。

試合以外にも、チームOBや各界著名人が集まり、煌びやかな演習が施されるなど、頂上決戦ならではのシーンが多数見られる。初優勝を飾ったのはボストン・レッドソックスで、回数が最も多いのは1949年から5連覇を果たしたニューヨーク・ヤンキース(27回)、次いでカーディナルス(11回)となり、ワシントン・ナショナルズとシアトル・マリナーズはまだ勝利の美酒に酔ったことがない。

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