MLB 2020-21年フリーエージェント:来季フリーエージェントのトップ10選手ランキング

Ryan Fagan

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2020年のオフシーズンは2020年のレギュラーシーズンと同じように不確実性に満ちている。その中でも最大の疑問のひとつは各チームと選手たちがフリーエージェント市場に対してどのようなアプローチを取るかになるだろう。

1つ確実に言えることだが、今シーズンの収益は明らかに悪化した。入場料収入や球場内の物品および飲食販売がなかったのだから当然だろう。また一方ではTBSとMLBは32億ドル(約3,453億円)の放映権契約を結ぶことで合意している。つまり、まったく収入源が干上がってしまったというわけではけっしてない。

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こうした状況が今後どのように働くかは分からないが、現段階でどの選手がフリーエージェント市場にいるかは分かっている。そして数日後には契約オプションの破棄が、数週間後には調停仲裁が行われ、今後もそのリストは増えていくことになる。

あくまで現時点でのフリーエージェント選手トップ10を選出してみた。(そして、これが全選手のリスト(外部サイト・英語)である)

 

1. J.T.リアルミュート, 捕手

2021年4月1日時点の年齢: 30

選出理由:リアルミュートは「球界最高の捕手」の有力な候補になれる存在だ。ナショナル・リーグのオールスターに2018年と2019年に選ばれている。そして打撃面でもいくつかの数値でキャリアハイとなる成績を残している。その主なものを挙げると、出塁率(.349)、OPS (.840)、 wOBA (.361)、そして ISO (.225)だ。フィラデルフィア・フィリーズのファンはリアルミュートに戻ってきてほしいと願うだろうが、フィリーズ在籍期間中に契約延長の話がまとまらなかったところを見ると、リアルミュートはフリーエージェント市場で自らの価値を試すつもりのようだ。

 

2. ジョージ・スプリンガー, 外野手

2021年4月1日時点の年齢: 31

選出理由:スプリンガーはセンターとライトの両方を守った経験を持ち、抜群の守備力を誇る外野手だ。トップバッターとしても、ラインアップの中軸としても、パワー十分の打撃力を備えている。ポストシーズンでの成績も申し分ない(今年のアメリカン・リーグのディビジョン・シリーズとチャンピオンシップ・シリーズ合わせて4本の本塁打を放った)。とは言っても、これだけは触れておかないといけないだろう。ヒューストン・アストロズのサイン盗みスキャンダルに関与した選手との契約に何らかの躊躇を示すチームもあるかもしれないということだ。だが、スプリンガーの実績がただ不正によって得られたものではないことは明らかでもあり、今後の数年間にわたってスプリンガーのような外野手をチーム内に擁することは球団にとって初期の反発を補う効果をもたらすだろう。

 

3. トレバー・バウアー, 先発投手

2021年4月1日時点の年齢: 30

選出理由:バウアーは短縮された2020年レギュラーシーズンで圧倒的な成績を残した。防御率は1.73、WHIPは0.795、そして1試合平均で12.3個の三振を記録したのだ。そしてポストシーズンでバウアーが見せたパフォーマンス(アトランタ・ブレーブスを相手に7回2/3で12奪三振)はフリーエージェント市場での価値に傷をつけるものではなかった。バウアーは以前からフリーエージェント資格を取得したのちは単年契約を繰り返すことを望むと明言してきた。それによって、複数年に渡って手に入れる金額を最大化したいという狙いがあるからだ。もしそれが本当にバウアーの望むことなのだとすれば、2021年シーズンに上位を狙うすべてのチームがバウアーと契約することに興味を持つだろう。

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4. DJ・ルメイユ, ニ塁手

2021年4月1日時点の年齢: 32

選出理由:ルメイユのニューヨーク・ヤンキースにおける2年間は、球団が彼と2019年1月に2400万ドル(約25億1千万円)の2年契約を結んだときの期待値をはるかに上回るものだった。ルメイユはヤンキースに在籍した間、195試合に出場して、打率.336、出塁率.386、OPS+の値は145、36本の本塁打、129打点、150得点、そしてbWARは8.7を積み上げた。ヤンキースがこのもっとも安定した選手を2021年に他チームへ手離すことは想像しづらい。

 

5. マーセル・オズナ, 外野手

2021年4月1日時点の年齢: 30

選出理由:オズナは2020年にアトランタ・ブレーブスと単年契約を結んだ。今シーズンに復調することで、昨年のオフシーズンには結ぶことができなかった好条件の複数年契約を狙ったのだ。そしてオズナは見事な活躍でブレーブスに報いた。打率.338、1.067 OPS、そして 2.3 bWARはナショナル・リーグ最優秀選手賞(MVP)の有力候補に挙げられる成績だ。そして本塁打(18本)と打点(56)の2部門ではリーグ1位でもある。球団側がオズナとの長期契約を結ぶことを望む要素は他にもある。それはオズナの三振と四球の比率がキャリアでもっとも低くなったことだ(2年前の2.89 から1.58に落ちた)。それには打席でのより自制した姿勢が必要とされているはずだ。それは少なくとも理論的には、かつては好不調の波が激しかったオズナがはるかに安定した成績を残すことができる選手になったことを意味するからだ。

 

6. マーカス・ストローマン, 先発投手

2021年4月1日時点の年齢: 29

選出理由:ストローマンは2020年シーズンを欠場することを選択した。このことはストローマンのフリーエージェント市場での価値に興味深い要素を加えている。今でもストローマンはバウアーに次ぐ先発投手として評価される。ワールドシリーズを狙うチームの先発ローテーションで2番手か3番手を担うことができるだろう。2019年の成績は申し分なかった。トロント・ブルージェイズとニューヨーク・メッツに在籍し、シーズン通算で防御率3.22とFIP3.72の数字を残している。

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7. リアム・ヘンドリックス, 救援投手

2021年4月1日時点の年齢: 32

選出理由:2021年から2022年シーズンにかけて上位を狙うチームはどこでもヘンドリックスと契約することに興味を持つだろう。その広がった興味が他選手への投資を減らすことに繋がるだろうし、それは彼らのファンにとっては残念なことだ。過去の2年間、ヘンドリックスは間違いなく球界最高の救援投手として君臨してきた。防御率1.79、FIP 1.70、110回1/3を投げて、161個の三振を奪い、与えた四死球はわずかに24個だ。34回のセーブ機会のうち、30回成功している。

 

8. マーカス・セミエン, 遊撃手

2021年4月1日時点の年齢: 30

選出理由:セミエンは今シーズンを不調のまま終えた。そのことには疑いの余地はない。だが、2019年のシーズンで8.9の bWAR数値を積み上げ、アメリカン・リーグ最優秀選手賞(MVP)投票の第3位につけた選手であることもまた間違いない。セミエンが単年契約を受け入れ(オークランド・アスレチックスに残ったまま?)、自らの価値を再び高めた後で、来年以降にフリーエージェント市場に戻ってくることが理にかなっていると思われる。来年になっても、セミエンはまだ好条件の複数年契約を結ぶ対象には相応しい31歳なのだから。

 

9. コルテン・ウォン, 二塁手

2021年4月1日時点の年齢: 30

選出理由:セントルイス・カージナルズは2021年シーズンにウォンとの1250万ドル(約13億円)の契約延長を選択しなかったことはチーム事情によるもので、ウォンに問題があるわけではない。ウォンの2塁手としての守備能力は群を抜いている。昨年はゴールド・グラブ賞を受賞し、今年も最終候補の1人だ(受賞者はまだ発表されていない)。そして出塁能力も高い。過去2年間の出塁率は.358だ(2020年のMLB2塁手平均出塁率は.315)。ウォンはけっしてパワーヒッターではないが、それでも2019年には11本の本塁打と25本の2塁打を打っている。24個の盗塁も記録していることを考えると、とてもバランスの良い選手だと言えよう。少なくともあと3,4年はMLBの先発2塁手として活躍できるだろう。

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10. ディディ・グレゴリウス, 遊撃手

2021年4月1日時点の年齢: 31

選出理由:オズナと同じように、グレゴリウスも単年契約を受け入れ、狙い通りに自己の価値を再び上げることに成功した。フィリーズのチーム成績は振るわなかったが、グレゴリウスは遊撃手として素晴らしい活躍を見せた。出塁率はキャリアハイの.339、OPS は.827、全60試合に出場して、本塁打10本を打ち、打点40を挙げている。複数年契約に相応しい選手だ。

(翻訳:角谷剛)

Ryan Fagan

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Ryan Fagan, the national MLB writer for The Sporting News, has been a Baseball Hall of Fame voter since 2016. He also dabbles in college hoops and other sports. And, yeah, he has way too many junk wax baseball cards.