MLB黒人選手たちがジャッキー・ロビンソン氏を記念する週に寄付活動

Tom Gatto

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何十人もの黒人MLB選手たちが、今年のジャッキー・ロビンソン記念日において、ただ黒人コミュニティを代表する声明を発表するだけにとどまらず、現実に経済的貢献を行うことを決めた。

非営利団体組織『The Players Alliance』に所属する選手たちが8月27日と28日分の給料をこの組織に寄付することで合意したのだ。組織が発表した声明には、集められた寄付金は「人種的不平等への戦いと最近発生したいくつかの事件で深く傷ついた黒人家族とコミュニティを助けるため」に使われるとある。

『The Players Alliance』の声明:

The Players Alliance を構成する100人以上の現役および元MLB黒人選手たちを代表して、私たちの使命のために団結して、現実に、そして持続する変化を生み出すための貢献を続けます。

私たちの肌の色は私たちが毎日着るユニフォームです。それを変えることはできません。私たちが変えることができるのは、黒人コミュニティがあまりにも長い間苦しんできた痛みと不正義なのです。私たちはこの組織を使って、声を上げ、そしてチームメイトやファンたちに私たちの声を大きくするための手助けを求めることを決めました。

私たち選手は8月27日と28日(ジャッキー・ロビンソン記念日)の給料をThe Players Allianceに寄付することを全員一致で決定しました。集まった寄付金は人種的不平等への戦いと最近発生したいくつかの事件で深く傷ついた黒人家族とコミュニティを助けるために使われます。

野球場においても、あるいはこの国においても、私たちは黙って立ちつくし、変化が起こることをただ待っているわけにはいきません。

私たちに賛同してくれる多くの人とファンの皆様に、私たちとともに行動を起こすことを求めます。皆さんの支援があれば、私たちは自分自身の物語を書き直し、私たち全員が一緒に生きていける、もっと平等な世界を作り上げることができますし、そうしなくてはいけないのです。

多くの黒人選手たちがウィスコンシン州ケノーシャで起きた黒人男性ジェイコブ・ブレイクさんの銃撃事件と米国内の人種差別に抗議して試合をボイコットした。この寄付活動はそれと同じ週に行われている。『The Players Alliance』の選手諮問委員会に所属する7人の選手のうち5人が、8月26日と27日の試合を個人的にボイコットするか、あるいはボイコットしたチームに所属している。デクスター・ファウラー(セントルイス・カージナルス)、ディー・ゴードン(シアトル・マリナーズ)、ジェイソン・ヘイワード(シカゴ・カブス)、キャメロン・メイビン(デトロイト・タイガース)、アンドリュー・マカッチェン(フィラデルフィア・フィリーズ)の5人だ。

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タイガースのメイビン外野手は『The Players Alliance』を設立した創始者の1人である。この組織は5月にミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警官によって殺害された事件を受けて設立された。メイビンは今回のボイコットでも他の選手たちを主導するうえでも重要な役割を担った。

「水曜の夜、僕は朝の4時まで起きていたよ。フェイスタイム会議、ズーム会議、電話、テキスト・メッセージ、をずっとしていたからね。NBAで起きていることを見て、自分たちは何をするべきなのかを迷っていた、たくさんの選手たちと話し合っていた」とメイビンはスポーツ専門誌『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者に言った。

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タイガースはデトロイトで予定されていたミネソタ・ツインズとの試合をボイコットした。両チームは8月28日(金)にダブルヘッダーを行う。8月27日(木)はMLB全体で7試合が選手たちによる抗議運動のため延期となった。

NBAの選手たちは8月26日(水)からボイコットを開始した。ミルウォーキー・バックスがまずフロリダ州オーランドの「バブル」で行われる予定だったオーランド・マジックの試合に出場しないと宣言した。その後、NBA機構は26日(水)と27日(木)の全試合を延期とし、28日(金)もそうなる模様だ。選手たちはコートに戻ることを確約しており、再開日はおそらく29日(土)になると思われる。

メイビンがローゼンタール記者に語った言葉:

ぼくはチームメイトたちにこう説明した。ぼくたちが今起きていることを知ったのはなぜだと思う? もちろん、ソーシャルメディアの存在は大きい。だけど、芸能人やスポーツ選手のような知名度のある人たちが声を上げているからでもあるのだとね。普通の人たちが声を上げても、その声は世間に届かない。だからこそ、選手たちや黒人コミュニティがその声になろうとしているのだ。ぼくがチームを説得しようとした言葉の大部分はそれだ

The Players Allianceの最優先使命 とは「野球界とそのコミュニティの中において包括的な文化を作り上げ、互いの違いを認めることによって人種の平等を高め、我々が住み、野球を楽しみ、そして慈しむ社会の中で、黒人コミュニティに大きな機会を提供する」ことにある。

同組織のウェブサイトによれば、メンバーは124人の現役および元MLB選手たちで構成されている。彼らの現在の契約額を合計すると35億ドル(約3,686億円)に及び、これまでに4,170万ドル(約43億9千万円)を黒人コミュニティのために集めてきた。取締役員を構成するのはカーティス・グランダーソン(会長)、CC・サバシア(副会長)、そしてエドウィン・ジャクソン(理事)だ。

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野球界において初めて人種の壁を破ったジャッキー・ロビンソン氏の記念日は通常は4月15日に行われる。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、MLBは今年の同記念日を8月28日(金)に変更した。1945年のその日、ロビンソン氏と当時ドジャーズのブランチ・リッキーGMが秘密裏に会談を持ち、その結果ロビンソン氏のメジャー入りが決定した。今年はその会議が行われてから75周年にあたる。ロビンソン氏は1947年4月15日にメジャーデビューを果たした。

(翻訳:角谷剛)

Tom Gatto

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Tom Gatto joined The Sporting News as a senior editor in 2000 after 12 years at The Herald-News in Passaic, N.J., where he served in a variety of roles including sports editor, and a brief spell at APBNews.com in New York, where he worked as a syndication editor. He is a 1986 graduate of the University of South Carolina.