MLB競争力ランキング:アストロズが首位、田中のヤンキースは3位に

Ryan Fagan

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開幕から1カ月。アストロズは予想通りの好成績である。ロイヤルズは予想通り酷い成績である。その間の28チームはどうだろう? 予想外もちょっとあるようだ。

MLBパワーランキング

(1)アストロズ(前月1位)

昨季の王者は今季、さらに戦力がアップしている。ジャスティン・バーランダーが開幕からいて、ゲリット・コールも加わり、先発陣はメジャーでナンバーワンである。得失点差はア、ナ両リーグを通じて1位。ホセ・アルテューベとカルロス・コレアというメジャー最高の二遊間コンビを擁している。20勝10敗はリーグ最高勝率というわけではないけれども、今回のパワーランキングでもトップにいるべきチームである。

知ってる?:アストロズの先発投手陣の防御率は2.44。ア・リーグで2.44よりいい防御率をマークしているアストロズ以外の投手は5人だけである。

(2)レッドソックス(前月5位)

ア・リーグでチーム総失点はアストロズに次いで2位、チーム総得点はヤンキースに次いで2位。そして21勝7敗でア、ナ両リーグを通じて勝率1位。最高にバランスがとれている。クリス・セールはクリス・セールであり、リック・ポーセロは昨季の彼ではなく、一昨季の彼である。このままシーズンの最後まで地区トップに君臨しようかというところだ。

知ってる?:50打席以上の打者のうち、打率.330以上が5人もいた。

(3)ヤンキース(前月4位)

9連勝はすごいよね? その間のスコアは64得点で18失点。地区首位レッドソックスとの差を7.5ゲームから2ゲームに縮めた。ディディ・グレゴリアスの活躍はすさまじい。10本塁打、30打点、OPS1.156であった。アーロン・ジャッジは打率.317/出塁率.453/長打率.584で、新人王に輝いた昨季同様の活躍である。

知ってる?:ゲーリー・サンチェスは今季20安打のうち長打15本。8二塁打と7本塁打である。尋常ではない。

(4)ダイヤモンドバックス(前月7位)

先発投手のロビー・ロスが脇腹を痛めて10日間のDL入り、そして同じく先発投手のタイワン・ウォーカーがトミー・ジョン手術のため離脱。それでも20勝8敗というメジャー2位の勝率を残して4位に上がった。先発投手ふたりを欠いてもいいチームである。A・J・ポロックは故障のため過去2年間で計124試合にしか出場できなかったが、今季はオールスターに選出された2015年の状態に戻った。4月29日には1試合3本塁打で9号。ナ・リーグの野手で最高の1.7fWARである。開幕当初は低調だったポール・ゴールドシュミットが復調。デビッド・ペラルタ(OPS.914)も好調だ。

知ってる?:先発左腕パトリック・コービンは今季を迎えるまでのK/9(1試合当たりの奪三振率)が7.9だったが、今季は6試合で40回を投げて55三振の12.4である。

(5)カブス(前月9位)

4月26日から30日まで5連勝(ブルワーズ4試合、ロッキーズ1試合)で、失点はわずか4。先発投手陣、とりわけダルビッシュ有とホセ・キンタナへの疑問符が払拭された。本拠地でのブルワーズをスウィープした4試合で、ダルビッシュとキンタナのふたりは合わせて13回を投げて被安打5、失点1(自責点ゼロ)だった。5連勝での得点は12と、打線はまだ本調子ではない。ただ、アンソニー・リゾが打率.149のままシーズンを終えるとは思えない。確かに開幕1カ月間は山あり谷ありだったが、最終的には多くが予想する位置、すなわちナ・リーグ中地区トップに立つことだろう。

知ってる?:ホセ・キンタナは少なくとも先発して6回以上を無失点に抑えた試合が2つあった一方で、先発して6失点以上を喫した試合も2つあった。

(6)インディアンス(前月3位)

先発投手陣は素晴らしい。コーリー・クルーバーは今季もサイ・ヤング賞が狙えそうな勢いだし、カルロス・カラスコは実力に比べて犯罪的なほど低い評価である(2015年以降の通算で防御率3.39/FIP3.23)。トレバー・バウアーも自己最高のスタートを切ったし、昨季先発した21試合で防御率2.84だったマイク・クレビンジャーは今季5試合に先発して防御率2.56である。

知ってる?:開幕から10試合で打率.086と寒いスタートだったホセ・ラミレスだが、続く17試合では打率.357、6本塁打、OPS1.094と復調した。

(7)メッツ(前月8位)

メッツはミッキー・キャラウェイ新監督の手腕に満足していることだろう。激戦のナ・リーグ東地区で首位にいるとは驚きだ。ジェイコブ・デグロムとノア・シンダーガードの両エースがふたりで74回投げて94奪三振、被安打60。救援陣も安定している。新監督は2カ月目に突入する。

知ってる?:ナ・リーグ2位の25打点を叩き出したヨエニス・セスペデスは走者なしでのOPSが.489なのに対し、走者を得点圏に置いたときは1.035だった。

(8)エンゼルス(前月10位)

本拠地のヤンキース3連戦で5点しか取れずに3連敗を喫した。4月は前半好調だったのに、終盤は思ったような成績が残せなかった。それでも、元気なマイク・トラウトは見る価値がある。

知ってる?:大谷翔平のOPS1.065は40打席以上の選手のなかでア、ナ両リーグを通じて8位だった。

(9)パイレーツ(前月19位)

パイレーツが4月にこれほどの成績を残すと想像した者がいただろうか。なにせオフにはゲリット・コールとアンドリュー・マッカチェンという投打の柱をトレードで放出したのだ。そのぶん、予期せぬ戦力が登場した。例えば新人のニック・キンガム。4月29日のデビュー戦でカージナルスを七回途中までパーフェクトに抑えた。この試合を含め、4月27日からの本拠地でのカージナルス3連戦3連勝は印象的だった。地区首位も見えてきた。

知ってる?:フランシスコ・セルベリとエリアス・ディアスの両捕手はふたりで打率.368、OPS1.025だった。

(10)カージナルス(前月11位)

カージナルスにはオールスター級の選手が揃っている。カルロス・マルティネス、トミー・ファム、ホセ・マルティネス、バド・ノリス、ジョーダン・ヒックスといった面々だ。ベテランは力を出していない。マット・カーペンター、コルテン・ワン、デクスター・ファウラーの数字を見てほしい。チームの成績にしっかり表れている。クローザー、グレッグ・ホランドの実験は壊滅的だった。彼はまだスプリングトレーニングの最中なのだ。

知ってる?:開幕のメッツ戦で五回途中にKOされたカルロス・マルティネスだが、その後の5試合では防御率0.54と悪夢を振り払った。

(11)フィリーズ(前月17位)

フィリーズにはアーロン・ノラという確固とした先発の柱がいたが、今季はジェイク・アリエッタが加わった。ベテランの中で、若手も台頭してきている。フィリーズ・ファンよ、2018年を待つ必要はない。今季、熱くなれそうだぞ!

(12)マリナーズ(前月15位)

マリナーズの先発投手陣の防御率は5.62。ア・リーグ、ナ・リーグを合わせた30球団で最悪であった。しかしチームは16勝11敗。2001年以来のプレーオフ進出が可能な位置にいる。必要なのは、フェリックス・ヘルナンデス(防御率4.96)とジェームス・パクストン(防御率5.12)が安定して、ロビンソン・カノやカイル・シーガー、ミッチ・ハニガー、ディー・ゴードン、ジーン・セグラ、ネルソン・クルーズらが活躍することである。

(13)ナショナルズ(前月2位)

私は今でもナショナルズがナ・リーグ優勝の本命だと考えている。しかし、借金3のチームをトップ10に入れるわけにはいかない。よってこの順位である。

(14)ブルージェイズ(前月14位)

救援投手陣は本当にいい。先発投手陣は…、苦しんでいる。防御率はマーカス・ストローマンが8.88、マルコ・エストラーダが6.00、ハイメ・ガルシアが5.40といった具合である。チームは4月終了時点で16勝12敗だったが、先発投手たちには過去の実績通りの成績を残してほしいところだ。

(15)ブレーブス(前月22位)

打者がよく打っている。フレディー・フリーマンはフレディー・フリーマンであり、ニック・マーカキスは安打を重ねている。エンダー・インシアルテはア、ナ両リーグ通じてトップの13盗塁を記録している。ロナルド・アクーニャはメジャー昇格後、強打を続けている。そんな中で特に注目しておきたいのがオジー・アルビースである。21歳の二塁手は9本塁打でOPS.988であった。

(16)ロッキーズ(前月12位)

2018年に見るべき選手は誰か? アダム・オッタビーノだ。投球回16で奪三振30。走者は8人しか許していない(4安打、4四球)。ウェイド・デービスとのコンビは試合終盤に大きな力を発揮している。問題は他の救援陣。防御率を見るとブライアン・ショー6.75、アノトニオ・センサテラ6.23、ジェイク・マギー4.76という惨状である。

(17)ブルワーズ(前月13位)

先週は地区首位の足場を固めるチャンスだった。16勝9敗の首位でシカゴに乗り込んだのだ。そこでまさかの4連戦4連敗。4敗のうち3度が完封だった。

(18)ドジャース(前月6位)

プレーオフに駒を進めるだけでなく、昨季に続いてワールドシリーズに進出してもなんら不思議はないと思っていた。ところがふたを開けてみたら、12勝16敗とまったくよくない。しかもオールスター遊撃手のコーリー・シーガーが右肘靱帯再建手術を受けるため、今季絶望となった。このチームにはよくなってもらいたいが、現状では18位である。

(19)アスレチックス(前月18位)

ジェド・ローリーがとてつもなく素晴らしいシーズンを送っていることを知る者は少ないのではないか。このベテラン内野手は打率.339、6本塁打、27打点でOPS.979。34歳にして、最高のシーズンになりそうなペースである(まだかなり気が早いけれども)。

(20)ジャイアンツ(前月20位)

ジョニー・クエトはオフに契約をオプトアウト(破棄)しなかった。FAになっても、いい契約はないと判断したからだ。恐らく彼は正しかった。そしてジャイアンツにとってありがたかった。クエト投球回32で被安打わずか16、防御率0.84だったのだから。

(21)レイズ(前月26位)

4月最後の12試合で10勝。ケビン・キアマイアーがDLでクリス・アーチャーが防御率6.61、アレックス・コロメが防御率6.00、救援失敗2試合、カルロス・ゴメスがOPS.559だったことを考えると、驚異的である。

(22)ツインズ(前月16位)

オフには中堅クラスのFA選手を補強した。そのうちローガン・モリソンはOPS.503、ランス・リンは防御率8.37と、決してよくない。そこに加えてバイロン・バクストンが故障、クローザーのフェルナンド・ロドニーはセーブと投数の救援失敗。スタートダッシュで躓いた。

(23)タイガース(前月28位)

ミゲル・カブレラ、マイケル・フルマー、フランシスコ・リリアーノ、ニコラス・カステラノスらが元気だ。若手も出てきている。だが、チームは勝負する段階になく、あくまで再建中である。

(24)レンジャーズ(前月24位)

バートロ・コロンは見るべき存在だが、チームとしてはフラストレーションがつのる成績である。アドリアン・ベルトレやエルビス・アンドラス、ロウグネド・オドールがDLで、ラインナップには打率1割台が3人もいる。11勝19敗も致し方ない。

(25)パドレス(前月30位)

フランチー・コーデロとクリスチャン・ビラヌエバがふたりで14本塁打。残り全員の合計も14本である。

(26)ホワイトソックス(前月21位)

開幕からずっと苦戦が続いている。若さの輝きにはミスも伴う。未来は明るい。ただ、まだその時は来ていない。

(27)オリオールズ(前月25位)

マニー・マチャドは活躍を続けている。ディラン・バンディーも素晴らしい。このふたりを除くと見せ場はほとんどない。

(28)マーリンズ(前月27位)

新人の救援投手、タイロン・ゲレロは見るべき選手だ。球速は100マイル。15試合で14回1/3を投げ、27三振を奪っている。

(29)レッズ(前月23位)

ジム・リグルマン新監督の下での11試合で4勝を挙げた。ブライアン・プライス前監督は開幕から18試合で3勝だった。もう上回った。

(30)ロイヤルズ(前月29位)

ネッド・ヨスト監督が先週口にしたこの言葉が、今季のロイヤルズをよく表している。曰く「5勝17敗という成績は、神に感謝したい。5勝20敗を予想していたのだから。開幕前の予想よりもいい」。

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原文:MLB Power Rankings: Yankees, Red Sox, Astros vie for top spot; Dodgers fall out of top 10
翻訳:Hirokazu Higuchi

Ryan Fagan

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Ryan Fagan, the national MLB writer for The Sporting News, has been a Baseball Hall of Fame voter since 2016. He also dabbles in college hoops and other sports. And, yeah, he has way too many junk wax baseball cards.