【MLB】全 30チームのオフシーズンを徹底評価! 成績優秀チームはどこだ?

Joe Rivera

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30チームのオフシーズンを、A〜Dでランクづけ

MLBのFA(フリーエージェント)市場は、過去最悪な形でスプリングトレーニングに突入した。

うんざりするほどスローなオフシーズンは、バッテリーのトレーニング入りが始まってもなお、球界最高のスターたちの所属先が決まっていないという結果をもたらした。ブライス・ハーパー、クレイグ・キンブレルとダラス・カイケルは皆仕事がなく、つまり多くのチームが評価“F”に値する。

だが今回、筆者は公平かつ寛容な目を持って評価に当たりたい。なぜなら春は希望をもたらす季節なのだ。チームを評価するにあたり、以下の点を考慮した。チームの状態、オフシーズン中にどのような動きを見せたか、オフシーズン前はどうか、など。前後関係を明確にすることも重要なため、AからDのランク付けに加え、放出・獲得した主要な選手も明記した。

※放出・獲得選手の情報などは、すべて原文公開日の2月20日時点。

 

ナショナル・リーグ

ロサンゼルス・ドジャース

放出:ヤシエル・プイグ、マット・ケンプ(共に外野手、レッズへ)、マニー・マチャド(内野手、FA)、ヤズマニ・グランダル(捕手、FA)

獲得:ジョー・ケリー(投手、FA)、A.J.ポロック(外野手、FA)

評価:B

ドジャースはナ・リーグを代表し、2年連続となるワールドシリーズ進出を果たすなど、非常に完成された状態でオフシーズンに突入した。飽和状態だった外野手を減らすべく、ヤシエル・プイグとマット・ケンプをレッズに放出。だがここ数年でのクレイトン・カーショウの負傷歴や、歳を重ねたリッチ・ヒルなど、ローテーションの不安要素を解消するための策を講じなかったことを減点対象とした。ジョー・ケリーの獲得は幾分疑問も残るが、チームに必要なブルペンの助けとなるだろう。

サンフランシスコ・ジャイアンツ

放出:ハンター・ペンス(外野手、FA)、ニック・ハンドリー(捕手、FA)

獲得:デレック・ホランド(投手、再契約)

評価:C

ブライス・ハーパーに短期間での契約をオファーしたと報じられるなど、ファーハン・ザイディGMが彼のビジョンを実現させようと試みたわりには、ベイエリアは静かな数ヶ月を過ごした。何も動きがなかったからといって、彼らが今どこへ向かおうとしているのかを知らずに落第点をつけることはできないので、彼らにはお情けの“C”をあげよう。

コロラド・ロッキーズ

放出:D.J.ルメイユ(二塁手、FA)、アダム・オッタビーノ(投手、FA)

獲得:ダニエル・マーフィ(二塁手、FA)

評価:C+

ロッキーズは2017年シーズン後に財布の紐を緩め、ウェイド・デイビス、ブライアン・ショウとジェイク・マギーに投じた。球界に新たなスーパーブルペンを誕生させるはずだったのだ。しかしデイビスは防御率4.13、ショウは5.93、マギーは6.49に終わり大失敗。さらに今オフ、彼らは最高のリリーフ、アダム・オッタビーノをFAで失った。同地区ダイヤモンドバックスがいまいち定まらず、ジャイアンツとパドレスが再建中で、ドジャースが2年連続のワールドシリーズ敗退に沈んでいる今、ロッキーズには地区制覇への道が開かれている。が、今の時点で彼らがその軌道に乗れているとは言い難い。

サンディエゴ・パドレス

※評価はマニー・マチャド獲得前のもの。

放出:クレイトン・リチャード(投手、ブルージェイズへ)、コーリー・スパンジェンバーグ(内野手、FA)

獲得:イアン・キンズラー(二塁手、FA)、ギャレット・リチャーズ(投手、FA、トミージョン手術を経て復帰を目指し、2019年は欠場見込み)、※マニー・マチャド(内野手、FA)

評価:B−

パドレスは再建中だが、フィールドでのパフォーマンスを維持するため信頼のおける選手を手に入れた。イアン・キンズラーは昨シーズン、ボストン・レッドソックスで荒さが目立った上、過去2年間でそのパフォーマンスは幾分下がっているが、依然として堅実な守備を誇り、彼のこの先3シーズンをお買い得価格で手にいれたことは、賢明な判断だったと言える。また、彼らは18年シーズン前にエリック・ホズマーと大型契約を結んでいる。

アリゾナ・ダイヤモンドバックス

放出:ポール・ゴールドシュミット(一塁手、カーディナルスへ)、パトリック・コービン(FA)、A.J.ポロック(FA)

獲得:カーソン・ケリー(捕手、カーディナルスから)、ルーク・ウィーバー(投手、カーディナルスから)

評価:D

誰かダイヤモンドバックスが何をしようとしているのか説明できる人はいるだろうか? 18年、ダイヤモンドバックスはシーズン終盤で行き詰まるまで、ナ・リーグ西地区の優勝争いという土俵に立っていた。それにも関わらず、ポール・ゴールドシュミットのトレードで、彼らは自らその土俵から降りたようだ。“ドジャースとその他”という地区で上を目指すことをやめた彼らのオフシーズン。ファンは心配でたまらないだろう。

シカゴ・カブス

放出:ジャスティン・ウィルソン(投手、FA)、ジェシー・チャベス(投手、FA)、ダニエル・マーフィ(二塁手、FA)

獲得:ダニエル・デスカルソ(内野手、FA)、トニー・バーネット(投手、FA)

評価:D

カブスのオフシーズンは他のどのチームよりも絶望的なものだった。彼らは昨シーズンまでの大型契約に苦しみ、ハーパーとマチャド獲得に消極的だった。そのどちらも、彼らと明らかにマッチしていたにも関わらず、である。彼らはアディソン・ラッセルをキープするようだが、DVの疑いで出場停止処分を受けているこの遊撃手を手放さないという選択は議論を呼んでいる。獲得したダニエル・デスカルソは昨季キャリア最高のシーズンを送ったが、地区ライバルのカーディナルスが獲得したゴールドシュミットと比較するとどうしても見劣りしてしまう。

シンシナティ・レッズ

放出:ビリー・ハミルトン(中堅手、FA)、ホーマー・ベイリー(投手、ドジャースへ)

獲得:ソニー・グレイ(投手、ヤンキースから)、ヤシエル・プイグ、マット・ケンプ(共に外野手、ドジャースから)

評価:B

レッズは、大失敗も同然のホーマー・ベイリーとの契約から解放されたことが大きい。そしてヤシエル・プイグの獲得はチームにエネルギーと才能をもたらし、ソニー・グレイを得たことも正解だった。このオフシーズンで彼らが好転したことは間違いないが、ナ・リーグ中地区の脅威となるまでには至っていない。

ミルウォーキー・ブルワーズ

放出:マイク・ムスタカス(三塁手、FA)、ジョナサン・スコープ(内野手、FA)、ウェイド・マイリー(投手、FA)

獲得:コーリー・スパンジェンバーグ(内野手、FA)、ヤズマニ・グランダル(捕手、FA)

評価:B

ヤズマニ・グランダルを得ることで、ブルワーズは今オフ、ラインナップ最大の問題を一つクリアした。マイク・ムスタカスを失ったこと、先発投手市場において積極的な動きを見せなかったこと(特にウェイド・マイリーをみすみす手放したこと)で減点としたが、新シーズンを迎える不安要素が多くなく、ナ・リーグMVP(クリスチャン・イエリッチ)を擁するチームは、トレード期限が訪れた時に必要な補強を行えば良いだろう。

セントルイス・カーディナルス

放出:マット・アダムス(一塁手、FA)、バド・ノリス(投手、FA)

獲得:ポール・ゴールドシュミット(一塁手、ダイヤモンドバックスから)、アンドリュー・ミラー(投手、FA)

評価:A−

カーディナルスにとってナ・リーグ中地区で頂点に立つことは決して簡単ではないが、ポール・ゴールドシュミットとアンドリュー・ミラーの獲得はその冒険の助けとなる。総じて、カーディナルスはやるべきことを着実にこなした。効果的なアップグレードにより、最高の選手が集まったチームを補完した。

ピッツバーグ・パイレーツ

放出:ジョシュ・ハリソン(ユーティリティ、FA)、ジョーディー・マーサー(内野手、FA)

獲得:ロニー・チゼンホール(三塁手、FA)

評価:D

パイレーツは18年シーズン中、大きな買い物をした。オースティン・メドウズやシェーン・バズとのトレードで、レイズからクリス・アーチャーを獲得。普通に考えて、このオフシーズン中にそれと同じような動きをすることは叶わない。ローテーションは十分に優れているが(ジェームソン・タイロン、クリス・アーチャー、トレバー・ウィリアムズ)、選手層と攻撃面においては深刻な疑問も残っている。

ニューヨーク・メッツ

放出:ジェイ・ブルース(外野手、マリナーズへ)、ウィルマー・フローレス(内野手、FA)

獲得:ジェド・ラウリー(内野手、FA)、ロビンソン・カノ(二塁手、マリナーズから)、エドウィン・ディアス(投手、マリナーズから)、ウィルソン・ラモス(捕手、FA)

評価:B+

その財力で、メッツと新GMのブロディ・バンワゲネンは今オフシーズン、まずまずの成果を残した。エドウィン・ディアスでバックエンドを補強し、ロビンソン・カノが打線の中核を担う。ジェド・ラウリーとの2年契約でベンチの層も厚くし、ウィルソン・ラモスで悩みの種だったキャッチングも解決した。健康問題と選手層の薄さが常につきまとうメッツ。19年シーズンを迎えるにあたり、少なくとも選手の層には厚みを持たせることができたようだ。

ワシントン・ナショナルズ

放出:ブライス・ハーパー(外野手、FA)、タナー・ロアーク(投手、レッズへ)

獲得:ブライアン・ドージャー(二塁手、FA)、パトリック・コービン(投手、FA)、カート・スズキ(捕手、FA)、マット・アダムス(一塁手、FA)、ヤン・ゴメス(捕手、インディアンスから)

評価:B+

依然としてハーパーのための間口は広く開けているナショナルズだが、彼らはすでにハーパーなしでもやっていけるはずだ。フアン・ソトが昨シーズンプレイクし、ビクター・ロブレスも後に続く準備が整っている。トレイ・ターナーも十分に若く、そこへパトリック・コービンを加えて、ナショナルズは優れたローテーションをさらに強化した。(しかも彼らは、同じくコービンを狙っていた地区ライバルのフィリーズを出し抜いたのだ)。ナショナルズの質の高い選手層は、球界で最も競争が激しい地区の一つを勝ち抜く助けとなるにちがいない。

フィラデルフィア・フィリーズ

放出:ウィルソン・ラモス(捕手、FA)、アスドルバル・カブレラ(内野手、FA)

獲得:J.T.リアルミュート(捕手、マーリンズから)、ジーン・セグラ(内野手、マリナーズから)、デビッド・ロバートソン(投手、FA)、アンドリュー・マカッチェン(中堅手、FA)

評価:B

今オフ良い動きを見せていたフィリーズは、J.T.リアルミュートの獲得でクライマックスを迎えた(今のところ)。とはいえまだブルペンの補強は必要で、今これを書いている間、クレイグ・キンブレルがまだ残っている。彼らは無駄遣いをせず(今のところ)、ベテランを獲得するという良識を持って、ラインナップの層に厚みと質をもたらした。

マイアミ・マーリンズ

放出:J.T.リアルミュート(捕手、フィリーズへ)、デレク・ディートリック(ユーティリティ、FA)

獲得:ニール・ウォーカー(内野手、FA)

評価:保留

獲得したのがニール・ウォーカーとカーティス・グランダーソン(マイナー契約)というマーリンズの評価は、“保留”とした。長らく低迷しているが、彼らにとって最後の目玉であるJ.T.リアルミュートをトレードで放出したということは、本格的に再建モードに突入したということなのだろう。まだその片鱗は見えていないが。

アトランタ・ブレーブス

放出:カート・スズキ(捕手、FA)

獲得:ジョシュ・ドナルドソン(三塁手、FA)、ブライアン・マッキャン(捕手、FA)

評価:B

ブレーブスに幼い頃から憧れを抱いていたというジョシュ・ドナルドソンと単年契約を結んだことは、ブレーブスにとって賢いギャンブルだった。ナ・リーグ新人王となったロナルド・アクーニャと、オールスター選手のフレディー・フリーマンを擁する強力なラインナップを補完したのだ。明らかな弱点であるローテーションに関しては十分な補強をしなかったが、彼らの40人ロースターは人材に余裕があり、オフシーズン中に大規模なテコ入れをする必要はないだろう。

 

アメリカン・リーグ

オークランド・アスレチックス

放出:ケンドール・グレーブマン(投手、FA)、ジェド・ラウリー(内野手、FA)、ジョナサン・ルクロイ(捕手、FA)、ジェウリス・ファミリア(投手、FA)、トレバー・ケーヒル(投手、FA)、ブレット・アンダーソン(投手、FA)

獲得:マルコ・エストラーダ(投手、FA)、ホアキム・ソリア(投手、FA)、ジュリクソン・プロファー(内野手、レンジャーズから)

評価:B−

アスレチックスは限りある財力の中でやりくりしなければならないチームだが、今オフはいくつか賢い立ち回りを見せた。マルコ・エストラーダの獲得と、マイク・ファイヤーズをキープしたことでローテーションを強化し、かつての神童ジュリクソン・プロファーの加入は多用性を高め、ホアキム・ソリアは優秀なブルペンを維持する助けとなるはずだ。しかしアスレチックスは多くの選手をFAで失った。特に昨シーズン、間違いなくチーム随一の好打者であったジェド・ラウリーは痛い。加えて、エース左腕ショーン・マネイアは故障により今季絶望だ。彼らは市場に手頃な選手が出た時、ローテーションにさらなる手を加えなかったことの報いを受けるだろう。

ロサンゼルス・エンゼルス

放出:ギャレット・リチャーズ(FA)

獲得:トミー・ラステラ(内野手、カブスから)、ジャスティン・ボーアー(一塁手、FA)、トレバー・ケーヒル(投手、FA)、マット・ハービー(投手、FA)、ジョナサン・ルクロイ(捕手、FA)

評価:C+

トミージョン手術後である大谷翔平が登板できないため、ケーヒルとハービーの獲得は、エンゼルスのローテーションに厚みを持たせるには必須だった。だが、エンゼルスにできることはそれがすべてか? なぜ、過去50年の歴史で最高のプレーヤーの一人であるマイク・トラウトを擁するラインナップを補完しようとしないのか。投手陣が期待を上回ることができるかどうかが、アナハイムにおける彼らの威信に関わるのだ。

シアトル・マリナーズ

放出:ロビンソン・カノ(二塁手、メッツへ)、エドウィン・ディアス(投手、メッツへ)、ネルソン・クルーズ(外野手、FA)、マイク・ズニーノ(捕手、レイズへ)ジェームズ・パクストン(投手、ヤンキースへ)、ジーン・セグラ(内野手、フィリーズへ)

獲得:ドミンゴ・サンタナ(外野手、ブルワーズから)、菊池雄星(投手、FA)、ハンター・ストリックランド(投手、FA)、エドウィン・エンカーナシオン(一塁手、インディアンスから)

評価:C+

マリナーズは彼らの助けとなるトレードを多くは成立させなかったが、ファームシステムの再構築を行い、いくらか正しい方向へと向かっている。2001年以降ポストシーズンに進出していないマリナーズは、お得意のロースターの“再考”をどこかで終わらせよう。効果が出ているとは思えないからだ。ジェリー・ディポートGMは、この1年でそれらの実を結ぶ必要がある。

ヒューストン・アストロズ

放出:ブライアン・マッキャン(捕手、FA)、マーウィン・ゴンザレス(ユーティリティ、FA)、ダラス・カイケル(投手、FA)、チャーリー・モートン(投手、FA)

獲得:マイケル・ブラントリー(外野手、FA)、ウェイド・マイリー(投手、FA)、ロビンソン・チリノス(捕手、FA)、アレドミス・ディアス(遊撃手、FA)

評価:B

アストロズは捕手J.T.リアルミュートに狙いを定めていたが、なぜ最後に引き金を引かなかったのだろう。17年にワールドシリーズを制し、18年にもア・リーグチャンピオンシップゲームまで到達した彼らは、今すぐにも勝てるチームだ。しかし今のところダラス・カイケルと再契約する動きは見られないし、ウェイド・マイリーでローテーションを補強するという選択は短絡的だった。マイリーは18年こそ好調だったものの、そのキャリアのほとんどで目立った成績を残せていない。近年、上位争いに食い込むパワーを持つチームが、中核を担う選手に頼りきり、改善するための努力を怠ることで痛手を負うという状況をよく見るが(例えばカブス)、19年シーズンに向けて際立った改善策を講じなかったアストロズは大きな賭けに出たと言っていいだろう。このまま何もなければ、彼らは今年も昨シーズンと同じ位置に留まることになるだろう。

テキサス・レンジャーズ

放出:ジュリクソン・プロファー(内野手、アスレチックスへ)、エイドリアン・ベルトレ(三塁手、引退)、ロビンソン・チリノス(捕手、FA)

獲得:アスドルバル・カブレラ(内野手、FA)、ザック・マカリスター(投手、FA)、ランス・リン(投手、FA)、シェルビー・ミラー(投手、FA)

評価:D

レンジャーズが起こした行動は、現在の体制を固めるためにも、将来のためにもならない。駒はいくつかあるが、アストロズとレイズとの三角トレードで放出したのはジュリクソン・プロファーのみ。カブスとのトレードで、16年以降メジャーで投げていないドリュー・スマイリーを獲得し、昨シーズンはダイヤモンドバックスで防御率10.69という成績に沈んだシェルビー・ミラーと契約、そして昨年契約したエディンソン・ボルケスはトミージョン手術を受けたため、一度も登板しなかった。勝ちに行くローテーションとは思えず、勝ちに行くチームにも見えない。

シカゴ・ホワイトソックス

放出:マット・デビットソン(内野手、FA)、アビサイル・ガルシア(外野手、FA)、ジェームズ・シールズ(投手、FA)

獲得:ジョン・ジェイ(外野手、FA)、ケルビン・ヘレーラ(投手、FA)、ヨンダー・アロンソ(一塁手、インディアンスから)

評価:B−

ホワイトソックスは今のところそう多くの動きを見せていない、“現状維持”チームの一つだ。マチャドとハーパー獲得に向けたパフォーマンスは本気だったのか、はたまたファンサービスの一つだったのかは定かではないが、挑戦したことに関しては拍手を送ろう。総じて、若く優れたコアメンバーがいるホワイトソックスは、そろそろ勝ちに行くべきだ。

ミネソタ・ツインズ

放出:ジョー・マウアー(一塁手、引退)

獲得:ルーカス・ドゥーダ(一塁手、FA)、ネルソン・クルーズ(外野手、FA)、ジョナサン・スコープ(内野手、FA)、マーティン・ペレス(投手、FA)、C.J.クロン(一塁手、ウェーバー)

評価:B

ツインズは、洞窟のようなターゲット・フィールドで脅威となる2人のパワーヒッター、C.J.クロンとネルソン・クルーズをラインナップの中心に加えた。またルーカス・ドゥーダとマイナー契約を結んだ。その3人をエディー・ロザリオとミゲル・サノに加えたツインズは、攻撃面で独自のアイデンティティを形成したが、果たしてドゥーダとクルーズがトレード期限までチームに残るか見ていよう。

デトロイト・タイガース

放出:ホセ・イグレシアス(内野手、FA)

獲得:ジョーディー・マーサー(内野手、FA)

評価:C−

ニコラス・カステヤノスがトレードを求めていると報じられたことが、今オフのタイガースのハイライトだった。嘘じゃない。モータウンは全てが元のままだったのだ。しかしタイガースは再建を始めてまだ2年目。彼らが勝ち始めるまで、期待していよう。

クリーブランド・インディアンス

放出:マイケル・ブラントリー(外野手、FA)、ジョシュ・ドナルドソン(三塁手、FA)、ジョシュ・トムリン(投手、FA)、ロニー・チゼンホール(外野手、FA)、アンドリュー・ミラー(投手、FA)、ヤン・ゴメス(捕手、ナショナルズへ)

獲得:カルロス・サンタナ(一塁手、マリナーズから)

評価:D

インディアンスは早々にシャッターを下ろし、あとはア・リーグ中地区のライバルたちが陥落するのを頼りにするようだ。エースのコーリー・クルーバーをトレードに出す衝動を抑えたことは賢明な判断だった。もし彼を手放せば、ローテーションの残りの選手が健康を維持し、他のチームが失速することに期待するという、危険な賭けに出るところだった。また、クルーバーに加え、トレバー・バウアーとカルロス・カラスコを擁するインディアンスはチームの改善を図るべきであったが、何もアクションを起こさなかった。資金に限りがあるとはいえ、グレッグ・アレンやタイラー・ネイキン、レオニス・マーティンらの外野陣を強化しなかったのはなぜなのか。彼らが地区優勝しても誰も驚かないし、再びプレーオフのファーストラウンドで敗退したとしても、誰も驚かない。

カンザスシティ・ロイヤルズ

放出:アルキデス・エスコバー(遊撃手、FA)、ジェイソン・ハメル(投手、FA)

獲得:ブラッド・ボックスバーガー(投手、FA)、テランス・ゴア(外野手、FA)、ビリー・ハミルトン(外野手、FA)

評価:B−

スピード勝負。今季、ロイヤルズはそのセオリーをテストするようだ。今オフに契約を延長したウィット・メリフィールド(念のために伝えておくが、これは良い判断だ)とアダルベルト・モンデシーに、ビリー・ハミルトンとテランス・ゴアを加えることで、彼らはスピード面を向上させた。彼らのローテーションは実用的だが、ブルペンには不安要素が溢れている。少なくとも今季、ロイヤルズは攻撃面でのアイデンティティを確立させ、トップレベルのカムバックを期待しているだろう。ただし、あまり当てにしないほうが良い。

ボストン・レッドソックス

放出:ドリュー・ポメランツ(投手、FA)、ジョー・ケリー(投手、FA)、イアン・キンズラー(二塁手、FA)、クレイグ・キンブレル(投手、FA)

獲得:ネイサン・イオバルディ(投手、再契約)

評価:B

18年、レッドソックスは108勝にワールドシリーズ制覇と、歴史的なシーズンを送った。彼らは今も間違いなく良いチームだが、もう1年同じレベルを維持するとなると、少し無理があるかもしれない。レッドソックスはこの先長いこと支えとなる若きコアメンバーを擁しているが、クレイグ・キンブレルと再契約しなかったことには疑問が残る。彼はまだどことも契約していないのでチャンスはあるが、人員削減を望んでいるレッドソックスにとって、現実的な話ではないだろう。

タンパベイ・レイズ

放出:C.J.クロン(一塁手、ウェーバー)、ジェイク・バウアーズ(一塁手、インディアンスへ)

獲得:ヤンディ・ディアス(内野手、インディアンスから)、マイク・ズニーノ(捕手、マリナーズから)、アビサイル・ガルシア(外野手、FA)、チャーリー・モートン(投手、FA)

評価:A

レイズは最高のオフシーズンを送り、チャーリー・モートンの獲得がそれを確固たるものにした。キャリアのルネサンス期を送っている彼を十分に活かすもよし、トレードで多くの見返りを求めるもよしと、チームにとってモートンは最良な選択だった。ケビン・キャッシュ監督の下90勝を挙げた昨シーズンの“マジック”に頼ることはできず、彼らはこのオフシーズンで改善した。健康と完璧なローテーションを維持できさえすれば、19年のレイズには期待できる。

ボルチモア・オリオールズ

放出:アダム・ジョーンズ(外野手、FA)、ケイレブ・ジョセフ(捕手、FA)、ティム・ベッカム(内野手、FA)

獲得:ネイサン・カーンズ(投手、FA)

評価:保留

オリオールズがこの先どこへ向かっているのかが誰にも分からないため、“保留”とした。控えめに言って、彼らの18年シーズンは大災難だった。(おそらく)どん底にいる今、あとは上昇するだけだ。チームの現状を鑑みると悪い評価をつけるのはアンフェアにも思えるので、現状のロースターが今季どのようなパフォーマンスを見せるのか、注目していようではないか。

トロント・ブルージェイズ

放出:マルコ・エストラーダ(投手、FA)、トロイ・トロウィツキー(遊撃手、FA)

獲得:クレイトン・リチャード(投手、パドレスから)

評価:B−

ブルージェイズは、ブラディミール・ゲレーロJr.を筆頭としたコアプレーヤーが成長するのを待っている。今季は昨年よりはマシになるだろうが、彼らは故障に苦しめられ、シーズンの後半は競争力も弱まっていた。チャーリー・モントヨ新監督が何をもたらしてくれるのか、そして長年レイズ傘下で監督をしてきた彼が、レイズ・マジックを見せてくれるのか、注目しよう。欲を言えば、ベンチとブルペンの層に厚みをもたせるため、もう少し何か策を練る必要があった。

ニューヨーク・ヤンキース

放出:ソニー・グレイ(投手、レッズへ)、ニール・ウォーカー(内野手、FA)、ロナルド・トレイエズ(内野手、ウェーバー)、デビッド・ロバートソン(投手、FA)

獲得:D.J.ルメイユ(二塁手、FA)、アダム・オッタビーノ(投手、FA)、ジェームズ・パクストン(投手、マリナーズから)、ザック・ブリトン(投手、再契約)

評価:B+

一部のヤンキースファンは、ボンバーズがマチャドかハーパーのために財布の紐を緩めなかったことに気分を害しているかもしれない。どちらも間違いなく開幕戦のロースターにフィットしただろうし、どちらもおそらくレッドソックスに打ち勝つ助けとなっただろう。だが今季のヤンキースは、少なくとも昨季と同等だ。コンタクトヒッターのD.J.ルメイユと契約し、昨年ロッキーズで素晴らしい1年を送ったばかりのアダム・オッタビーノを獲得し、J.A.ハップと再契約し、ジェームズ・パクストンをトレードで得た。ハーパーやマチャドを獲得しようがしまいが、彼らのオフシーズンはそれで完成だ。一方、彼らは間違いなく一塁に助けを必要としている。グレッグ・バードは故障しがちで、ルーク・ボイトはいくらか輝いたがまだ実績が足りていない。ヤンキースは十分に良いチームなので、トレード期限までには問題点を解消できるだろう。

 

原文:30 teams, 30 grades: Rating every MLB team's offseason heading into spring training(抄訳)

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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel』提供

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