MLB、人件費削減をめぐってマイナーリーグ選手と衝突不可避か【後編】

Tom Gatto

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ここで話の方向を変えて、野球に関する質問に答えよう。

Q:チームが提携解除された場合、選手の育成に悪影響は出る?

A:それはあり得ない。理由は以下の2つだ。

1.選手たちには、組織内の上位チームに昇格するために努力する時間がまだ何年も残されているから。

2.提携が打ち切られたチームは、節約してクラブ施設を利用することで存続可能だから。

後者の理由に焦点を当ててみよう。

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160のMiLBチームとは別に、80のショートシーズンチームが存在する。これらのチームは、アリゾナリーグ、フロリダ州の地方リーグであるガルフ・コーストリーグ、ドミニカン・サマーリーグなどの、通称コンプレックス・リーグに所属している。これらのチームはすべてMLBが運営しており、選手の大半はプロとしてのキャリアをスタートさせたばかりの若手選手だ。派手さは一切なく、参加者もまばらな強化試合がアリゾナやフロリダの春季キャンプ用施設で行われており、ドミニカ共和国にある野球アカデミーも、MLBドラフトの時期まで活動を開始しない。

もしMLBが人件費の削減に注力するのであれば、ショートシーズンの提携チームを、アリゾナやフロリダのコンプレックス・リーグのチームに変えてしまえばいい。コンプレックス・リーグのチームは、プロ経験3年目までの選手を多くそろえている。これは、アパラチアンリーグや、ニューヨーク・ペンリーグ、ノースウェストリーグ、パイオニアリーグといったショートシーズンリーグでも一般的な経験年数だ。

この構造改革がどのように機能するのか、分かりやすくするために例を挙げてみよう。例えばタンパベイ・レイズだ。

レイズは、傘下のマイナー球団を合計9チームも持っている。そのうち2チームはドミニカン・サマーリーグ、1チームはガルフ・コーストリーグに所属している。今回の検証では、ドミニカン・サマーリーグ以外の7チームに焦点を当てる。

理論上では(これはあくまで理論上の検証であることを明確にしておこう)、ニューヨーク州ハドソン・バレーとウェストバージニア州プリンストンにある傘下のショートシーズンチームの代わりに、コンプレックス・リーグのチームと提携を結べば、レイズは1チームを削減することができる。レイズは選手育成契約を更新しないだけでいい。そうすれば、傘下のチームは新たな提携先を見つけるか、もしくは独立せざるを得なくなる。

もしそうなれば、レイズのアメリカ国内の育成段階は次のように縮小される。一番下にガルフ・コーストリーグ、新たなコンプレックス・リーグとなるショートシーズンA、そしてローA、アドバンスドA、ダブルA、最後にトリプルAだ。

育成段階の下層部を一つなくしても、段階を上る方法をなくしてしまうわけではない。選手たちは今と変わらずに成長を続けるだろう。

レイズにとっての最大のメリットは、最大35人分の給料を削減できることだ(35人というのは、アパラチアンリーグや、ニューヨーク・ペンリーグ、ノースウェストリーグ、パイオニアリーグの選手枠上限)。各選手の給料は少なかったとしても、全体で見ればこの経費削減はとても重要なものになる。収益も少なく、財布の紐をきつく締めている球団には歓迎されるだろう。

また、少額の経費削減は、MLBが法廷や連邦議会で活動している目的そのものなので、たとえ裁判で敗れたとしても、結果的に大勝利を得ることができる。

原文:MLB can position itself to ensure a minor victory on meager salaries
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Tom Gatto

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Tom Gatto joined The Sporting News as a senior editor in 2000 after 12 years at The Herald-News in Passaic, N.J., where he served in a variety of roles including sports editor, and a brief spell at APBNews.com in New York, where he worked as a syndication editor. He is a 1986 graduate of the University of South Carolina.