MLBワールドシリーズ第5戦で多くの判定ミス。「ロボット審判」の必要性が浮き彫りに?

Sporting News Japan Staff

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ワールドシリーズ第5戦の試合終了後、ナショナルズの面々は”正しい”言動に終始し、全国の報道ライターやソーシャルメディア上のコメンテーターたちを失望させた。

この試合で球審を務めたランス・バークスデール氏のストライクゾーンは終始安定せず、試合に敗れたナショナルズには多くの不満が募った。そのことはテレビに映し出されたダグアウトの様子、観客席から上がる声、そして多くのファンのツイートでも明らかだった。ボール・ストライクを即座に判定する様々な技術により、この試合において多くの誤審があったことは明らかだった。

すべての判定がナショナルズに不利だったわけではないが、本拠地で3連敗をしかねない状況だっただけに、それらのひとつひとつが心理的なダメージになった。

試合が終わった後は冷静さが取り戻され、罰金の対象となるような不満が大きく叫ばれることはなかった。

ナショナルズのデイブ・マルティネス監督は「球審を非難するつもりはないよ」と語った。

「ランス(・バークスデール)のことはとても昔から知っている。彼はとても優れた審判だ。それだけが私が言えることだ。確かに試合中はいくつかの言葉を発したが、それはすべてそのときだけのことだ。審判は責務を果たしている。だからこそ彼らはワールドシリーズの審判をまかされているのだ」。

バークスデールが良い審判であり、ワールドシリーズの球審を任されていることには理由があるだろう。だが、この試合において、複数のストライクがボールとされ、ボールがストライクとされたことは証明できる。ストライクをめぐる判定ミスはレギュラーシーズンでも日常茶飯事だが、10月のポストシーズンではその重みも増してくる。

そして、ワールドシリーズ第5戦とシリーズ中のいくつかのポイントで「ロボット審判」の導入をめぐって議論が蒸し返されることになった。もし、おおよその判定を正しくするか、すべての判定を正しくするか、の選択肢があるとしたら、MLBは後者を選ぶべきではないのか?

MLBはずっと以前からおおよその正確さでは不充分だとして、多くのプレイでビデオ判定を導入している。だが、このスポーツの根幹でもあるボール・ストライク判定は「まあまあ」で十分で、完璧である必要はないのだろうか。

幸いなことに、野球界全体ではボール・ストライク判定を正確にする方向に進んでいる。今年のアリゾナ秋季リーグではボール・ストライクを「ロボット審判」が判定した。このシステムにはまだ改善すべき点があると見られ、MLBがメジャーレベルで導入するには時期尚早のようだ。MLBは完璧かあるいはそれに近いレベルを求めているため、すぐには導入されないだろう。

判定に不満のナショナルズファン

審判たち自身や、変化を歓迎しないオールドファンからの反発はある。野球がテクノロジーに頼り過ぎて人間性を失うことに対する懸念もある。だが、それでもロボット審判を利用する方向でいることは間違いない。

ワールドシリーズ第5戦で特に目立った判定ミスは7回裏のナショナルズの攻撃時に起こった。2死の後、ライアン・ジマーマンはアストロズのエースであるゲリット・コール投手と対峙し、フルカウントまで持ち込んだ。次にコールが投じた92マイル(約148キロ)のスライダーは外角高めのストライクゾーンを通ったかのように見えたが、ボールと判定され、ジマーマンは四球で進塁した。

この判定にコールは明らかに不満そうな素振りを見せた。中継のテレビカメラはコールが”Whatever”(そんなばかな)と呟いてマウンド上で後ろを向くところを捉えている。次打者のビクター・ロブレスもまたフルカウントまで粘った。するとコールは98マイル(約158キロ)の速球を、画面上ではジマーマンに投じた球よりやや外側に見えるところに投げ込んだ。

だがバークスデール球審はこの球をストライクと判定し、ロブレスは三振となった。ナショナルズはもちろん不満だった。

アストロズのA.J. ヒンチ監督は「ジマーマンが四球になったとき、こちらのダグアウトもあちらのダグアウトも驚いたのを見た。だからマウンドに行ってゲリット(コール投手)とマーチン(マルドナード捕手)を落ち着かせたのだ。2人とも納得していなかったからね」とその場面について語っている。

この2つの球の軌道を見てほしい。不満が募るのも無理はない。

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(左がジマーマンへの投球、右がロブレスへの投球。赤色がストライクと判定された軌道、緑色がボールと判定された軌道)

 

100マイル(160キロ)のスピードで変化しながら飛んでくるボールを瞬間的に判定しなくてはいけないのは困難な仕事であることは間違いない。だが、球審がベストを尽くしても求められるレベルに達しないことが明らかである以上、それに代わるテクノロジーを使って正しいボール・ストライクの判定をするべきではないのか。

両チームが直面した問題はそれだけではない。6回、バークスデールはナショナルズのヤン・ゴメス捕手が三振を確信する仕草をしたことを理由にボールと判定したかのように見えた。タナー・レイニーが投じたこの球は間違いなくストライクに見える。

他にもあるが、繰り返すのはよそう。要点はワールドシリーズの舞台において、「まあまあ良い」レベルの判定は許されるべきではないということだ。


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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel』提供

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「※」は提携サイト『Goal』の記事です

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。