今季のMLBもそろそろポストシーズンの顔ぶれが決まり始めているが、今年から新設されたワイルドカード・シリーズによって例年よりもプレーオフ陣容が異なる。実際にどう拡張されたのか、エドワード・ステラン(Edward Sutelan)記者が解説する。
ワイルドカード・シリーズ新設でプレーオフが拡張
MLBのプレーオフは今年から少し様子が変わる。
野球ファンはワイルドカード決定戦にようやく慣れてきた頃だろう。ワイルドカード枠に残った2チームが勝率の高い方の本拠地で1試合だけの勝負を行う形式のことだ。しかし、プレーオフの舞台はまた拡張された。今年からはワイルドカード枠に入る3チームと各地区優勝の3チームによって争われることになる。
地区優勝チームのうち勝率が高い2チーム(同率の場合は後述のタイブレークによってシード順を決める)が不戦勝でディビジョン・シリーズへ進出する。新設されたワイルドカード・シリーズでは、地区優勝チームのうち勝率3位のチームが本拠地でワイルドカード枠のうち最も勝率が低いチームを迎え、残ったワイルドカード枠2チームが勝率の高い方の本拠地で対戦する。プレーオフの第1ラウンドとなるワイルドカード・シリーズは3試合制である。
第2ラウンドとなるディビジョン・シリーズは5試合制で行われ、そこではシード順の組み換えは行われない。第1 シードは第4 シード対 第5 シードの勝者と対戦し、第2 シードは第3 シード対 第6 シードの勝者と対戦する。そこからのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズとワールドシリーズはともに7試合制で行われる。
関連記事:アーロン・ジャッジの本塁打数をデータで徹底予測! 歴代強打者たちの記録を破れるか?
スポーティングニュースでは、現時点でどのチームがポストシーズンを視野に入れ、またプレーオフの組み合わせがどうなるかをわかりやすく視覚化してみた。
2022年MLBプレーオフに進出するチーム数
全部で12チームがMLBポストシーズンの出場権を得る。各リーグにつき6チームである。その内訳は地区優勝の3チームとワイルドカード枠3チームだ。
2022年MLBプレーオフ組み合わせ
9月22日でシーズンが終了したと仮定した場合、2022年MLBプレーオフ対戦表は以下のようになる。
アメリカン・リーグ
1. ヒューストン・アストロズ(不戦勝)
2. ニューヨーク・ヤンキース(不戦勝)
3. クリーブランド・ガーディアンズ 対 6. シアトル・マリナーズ
4. トロント・ブルージェイズ 対 5. タンパベイ・レイズ
ナショナル・リーグ
1. ロサンゼルス・ドジャース(不戦勝)
2. ニューヨーク・メッツ(不戦勝)
3. セントルイス・カージナルス 対 6. フィラデルフィア・フィリーズ
4. アトランタ・ブレーブス 対 5. サンディエゴ・パドレス
関連記事:アルバート・プホルスは通算700本塁打に到達できるか:42歳の強打者、最後の挑戦をデータで解析
MLBプレーオフ予想進出チーム
アメリカン・リーグ
シード順 チーム 勝敗 現在位置
1. ヒューストン・アストロズ* 99-52 西地区優勝
2. ニューヨーク・ヤンキース* 91-58 東地区首位
3. クリーブランド・ガーディアンズ 83-67 中地区首位
4. トロント・ブルージェイズ 84-66 ワイルドカード1位
5. タンパベイ・レイズ 83-67 ワイルドカード2位
6. シアトル・マリナーズ 82-67 ワイルドカード3位
ナショナル・リーグ
シード順 チーム 勝敗 現在位置
1. ロサンゼルス・ドジャース* 103-46 西地区優勝
2. ニューヨーク・メッツ* 95-56 東地区首位
3. セントルイス・カージナルス 88-63 中地区首位
4. アトランタ・ブレーブス* 93-57 ワイルドカード1位
5. サンディエゴ・パドレス 83-67 ワイルドカード2位
6. フィラデルフィア・フィリーズ 82-67 ワイルドカード3位
*プレーオフ進出決定済
MLBプレーオフのシード順を決めるタイブレーク方式
これまでのようなレギュラーシーズン163試合目は行われない。代わりに、勝率タイの場合は以下のタイブレークによってシード順が決定される。
- 直接対戦成績
- 同地区内チームとの対戦成績
- 同リーグ他地区チームとの対戦成績
2チームが同勝率で並んだ場合、両チームが直接対戦した試合の勝率が高い方が上位に立つ。3チームが同勝率で並んだ場合は、他2チームと対戦した試合の合計勝率が最も高いチームが最上位となる。
それでもシード順が決まらない場合、同地区内他チームとの対戦成績が比較される。
さらにそれでもシード順が決まらない場合は、同リーグ他地区チームとの対戦成績で比較される。つまり同じリーグではあるが、違う地区に所属するチームとの対戦成績である。
仮に、フィラデルフィア・フィリーズ(東地区)とミルウォーキー・ブルワーズ(中地区)がナショナル・リーグ最後のワイルドカード枠を巡って同率で並んだとしよう。フィリーズはナショナル・リーグ中地区と西地区に所属するチームとの対戦成績で評価され、ブルワーズはナショナル・リーグ東地区と西地区に所属するチームとの対戦成績で評価されるということだ。
原文: How many teams make the MLB playoffs? Updated standings for new 2022 postseason bracket
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部
▶スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう