MLBトレード期間終了! 勝ち組はどのチーム? 負け組は?【後編】

Sporting News Japan Staff

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ボルティモア・オリオールズ

少なくとも、ついにオリオールズ自身もチームに抜本的な再建が必要であると認めたことは確かだ。過去2シーズンを危機的状況で過ごしてきたオリオールズにとって、この告白(それと、今オフまたは来オフにFAとなるトレード選手の獲得)は正しい方向へと向かう第一歩だ。

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サンディエゴ・パドレス

トレード期限直前での各球団の目的は、将来的に大リーグのチームを支えることになる期待の新人を獲得することだ。そして、優れた点を持つ多くの若手選手をセットで獲得することも喜ばしいことだが、ほとんどすべてのGMは1人のエリート若手選手をトレードで獲得することを望むだろう。中でも、大リーグでの準備ができている、リスクを必要としない本物のエリート選手を望む。それはまさにパドレスがフランシスコ・メヒア獲得によって勝ち得たものだ。この魅力的な期待の若手選手は、非常に優れた2人のメジャーリーグのリリーフ投手とのトレードでクリーブランド・インディアンスからパドレスへと送られた。

キース・ローのミッド・シーズン期待の若手選手トップ50において、メヒアは第5位にランクインした。また、ベースボール・プロステクタスの同ランキングでは第8位、ベースボール・アメリカでは第24位であった。今年のトレードでは、期限間近の段階でもこのレベルに近い若手選手を獲得したチームはパドレス以外に存在しなかった。これは各チームがトップ25にランクインするタレント選手をトレードに出すことを嫌ったためである。パドレスは、ブラッド・ハンドとアダム・シンバーというメジャー屈指の中継ぎ2選手を若手選手のセットとトレードすることも容易にできただろう。しかし、彼らは1人のエリート若手選手を獲得するために両者を使った。以下のように考えてほしい。トレードにおいて、片方のチームがMLBのタレント選手を送り、もう片方がたった一人の若手選手を送る場合、大リーガーがもう1人関与することをどれだけ目撃したことがあるだろうか? 今回はそれが起きたのだ。インディアンスはハンドとシンバーを手にし、パドレスはメヒアというたった一人の選手のみを手にした。このことが、一人の期待の新人選手の力を表している。

負け組

ワシントン・ナショナルズ

ロッカールームの惨状が報じられていたチームにとって、トレード期限に向けての最善のアプローチは、球団一の野手(ブライス・ハーパー)がトレード可能だという噂を流すことではなかっただろう。その後彼の残留が決まり、彼はどのチームにも行く予定はなかったしフロントはチームを信頼していると話していた。しかし、トレード期限日に突入した時点で勝率が5割を下回っているチームに誰も追加しない(実際にはチームがリードしている場面で起用されていたベテラン中継ぎ投手、ブランドン・キンツラーをトレードで放出した)という策は、十分な補強を連れてこられるだけの選手がいないことの表れだ。勝率5割前後から抜け出せずにいるにもかかわらず、トレード期限直前に小さな論争を巻き起こす以外に特段何もしないとは、まるで勝率5割前後を維持する予定でいるかのようだ。

ヒューストン・アストロズ

アストロズのフロントはどうして家庭内暴力に関するゼロ・トレランス・ポリシー(例外を許さない政策)を人々に説き勧めることができるのか、どうして家庭内暴力によって出場停止中の選手(編注:ロベルト・オスーナのこと)を獲得できるのか、想像するのは難しい。ああ。

セントルイス・カージナルス

カージナルスは、必ずしもトレード期限に至るまでに悪い動きをしたというわけではない。過去数シーズンの球団の失敗と今シーズン再び質の低いプレーをしたことを鑑みると、ここ数週間の彼らの動向は本質的に必要とされていたものだった。彼らは外野手のトミー・ファム(2017年6.2bWAR)をほぼ間違いなくここ1年以上で最も低い価値の時にトレードに出してしまった。また、ドラフト指名権を犠牲にしてまでフリーエージェントでサインしたグレッグ・ホランドをDFA(事実上の戦力外)とし、2018年はケガの影響で不調なものの2017年にはずば抜けた活躍をしていた左腕のタイラー・ライオンズもDFAとした。半年前、この2人の中継ぎは高く評価されていた。普通あるべき姿としては、トレード期限直前まではどのチームも選手を高値でトレードに出すものだが、カージナルスにとってそれは起こり得ないことだった。彼らは必要だと思われる行動を起こしたまでだ。しかしそれは引き算方式でのチーム強化だった。

ニューヨーク・メッツ

メッツのローテーション上位3投手は、トレードに出せば市場でも上位の投手となっていただろう。しかし、3選手を束ねるメッツのフロントは、ジェイコブ・デグロム、ノア・シンダーガード、ザック・ウィーラーのどの選手もトレードに出さないことを決めた。切望されている若き才能を手にする機会はまたしても失われてしまった。

(完)

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原文:MLB trade deadline winners, losers: Dodgers, Pirates, Yankees make good first impressions

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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