選手会の反対も押し切り、2018シーズンからMLBに20秒のピッチクロック(投球間隔の制限時間)が導入される見込みだ。
スポーツ専門ウェブサイト『ジ・アスレティック』と『ESPN.com』の報道によると、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッドが試合時間短縮の新ルールを推し進める中、選手たちは強く反発しているという。不幸なことに、MLB労使協定によるとコミッショナー権限でルール変更は可能で、マンフレッドはその権限を行使するつもりだと繰り返し発言してきた。
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昨シーズンの春季キャンプ前、マンフレッドは記者会見で選手会が「非協力的」だと非難した。選手会はマンフレッドが掲げている基本的な施策、例えば捕手や監督がマウンドに向かう回数を制限しようとすることにも反対してきた。これに対してマンフレッドは強権発動も辞さないと発言しており、選手会の賛同を得られないまま、2018シーズンにはそれが現実になる可能性が高くなってきた。
『ジ・アスレティック』のインタビューに答えた選手は「これまで色々な問題に対して選手会は団結してきたが、ここまで大事になったことはない」と言う。
ピッチクロックのルールは既にマイナーリーグで導入されており、多くのメジャーリーガーが制限時間のある試合を経験している。それでも選手たちは抵抗の姿勢を崩さず、野球の根本的な精神を壊さないようなやり方で試合時間短縮を図って欲しいと主張している。
例えば、(テレビ広告の収益は減るが)イニング間の時間を短縮する、ビデオ判定のプロセスを合理化するなどのアイデアが出ている。『ESPN.com』によると、リリーフカーを復活させてはどうかという提案もあるそうだ。
どのようなルール変更だろうと、マンフレッドとMLBは何かしらの公式発表を迫られている。ピッチャーやキャッチャーたちの春季キャンプまで1ヶ月もなく、2月14日には多くの球団がトレーニングを始める。
原文:MLB expected to implement pitch clock for 2018 despite players' objections
翻訳:渡邉剛