経験年数多いベテランほど誤審が多い?
MLBで球審が誤ったボール&ストライクの判定が、2018年には合計で3万4294回にものぼったという。ボストン大学の最近の研究で明らかとなった。
1試合につき平均14回、1イニングあたりで平均1.6回。この数字を導いたのは、ボストン大学のマーク・T・ウィリアムズ教授が率いる研究室だ。過去11シーズンで投げられた約400万球を対象に調査した。
研究室はその他にも“BCR(バッド・コール・レイシオ、日本語訳:誤審の割合)”について以下のような研究結果を導いた。
2ストライク・バイアス
バッターが2ストライクの時、球審が誤審をする確率(29%)は、そうではない場合(15%)と比べて約2倍。
ストライクゾーンの死角
ストライクゾーンの右上と左上には、死角ができる。右上では27%、左上では26.8%の誤審が発生。一方、右下と左下で発生する誤審の確率は18.3%と14.3%だ。
誤審で終了した試合の数
2018年シーズン、ボールがストライクと判定されて終了した試合は55試合。
ベテランほどミスが多い?
誤審の少ない球審トップ10の経験年数は、平均で2.7年。一方、誤審の多い球審ワースト10は、平均20.6年。
誤審が多いベテランがポストシーズンに選任される
2018年、最も誤審の少なかったトップ10の球審はワールドシリーズの球審に選任されず、20年のベテランで誤審数ワースト1位のテッド・バレット審判員(54歳)は、ボストン・レッドソックス対ロサンゼルス・ドジャースのシリーズで球審を務めた。同じくワースト2位のジョー・ウェスト審判員(67歳)も、40年の経験を買われてワールドシリーズで球審を務めている。
誤審の少ない球審トップ5
ランク | 名前 | 年齢 | 経験年数 | コール | 誤審 | BCR |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | マーク・ウェグナー | 47歳 | 19年 | 4700回 | 342回 | 7.28% |
2位 | ジョン・リブカ | 32歳 | 1.5年 | 2046回 | 150回 | 7.33% |
3位 | ウィル・リトル | 35歳 | 4.5年 | 4322回 | 331回 | 7.66% |
4位 | トム・ウッドリング | 37歳 | 5年 | 2965回 | 228回 | 7.69% |
5位 | ジャンセン・ビスコンティ | 31歳 | 1年 | 4363回 | 340回 | 7.79% |
誤審の多い球審ワースト5
ランク | 名前 | 年齢 | 経験年数 | コール | 誤審 | BCR |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | テッド・バレット | 54歳 | 20年 | 4291回 | 495回 | 11.54% |
2位 | ジョー・ウェスト | 67歳 | 40年 | 4480回 | 512回 | 11.43% |
3位 | ロブ・ドレイク | 50歳 | 10年 | 2496回 | 285回 | 11.42% |
4位 | ダン・イヤッソニア | 50歳 | 16年 | 1068回 | 116回 | 10.86% |
5位 | ゲイリー・シーダーストロム | 64歳 | 24年 | 4696回 | 506回 | 10.78% |
当研究をまとめたウェブサイトはその結論として、MLBに対し以下の変化を求めている。
「ハイテク技術の導入と、有能な若い球審を起用することが、重要な新しいステップとなるはずです……それらの助けを得ずに、昨今スポーツ業界やファンが求めている正確性を実現することは非現実的です」
研究成果はこちらで詳しく見ることができる(英文)。
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