MLBの新ルールでは、審判は投手が違法な粘着性物質を保持していないかチェックを行う。MLB最高の投手も例外ではない。
そして、以下の動画で分かるように、審判らは異物のチェックを非常に入念に行っている。アトランタ・ブレーブスとのダブルヘッダーを前にしたニューヨーク・メッツのエース、ジェイコブ・デグロムがベルトを緩めているところが見えるだろう。何か違法なものを隠していないことを証明するためにだ。
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— New York Mets (@Mets) June 21, 2021
テレビ中継アナウンサーを務めたキース・ヘルナンデスは「幸いなことに、審判団はベルトを外せとまでは要求しませんでした」と言った。
野球界がこの馬鹿馬鹿しい状況(笑える状況と呼んでもよい)に置かれている中で、ちょっとしたユーモアが垣間見えることにはほっとする。しかし、MLBにおいては、ボールに細工をする行為は笑い事では済まされない。もし投手が不正投球を行ったと認められた場合、10日間の出場停止処分が科せられるからだ。
そのルールとは公式ルール3.01、6.02(c) 、そして6.02(d)に明記されている。要するに、投手あるいは他の選手がボールか手に細工をして、ホームベースへの投球に影響を及ぼすことを禁ずるものだ。より詳しく説明すると、公式ルール3.01には「どの選手もボールを土、ロージン、灯油、甘草、紙やすり、またはその他の異物でこすって意図的に変色または損傷してはならない」と定めてある。
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そして公式ルール6.02(c)には、投手が「あらゆる異物をボールに塗布する」、「何らかの方法でボールを変形させる」、「あらゆる異物を持つ」、「手、指、手首にいかなるもの(例: バンドエイド、テープ、接着剤、ブレスレットなど)を着ける」、などの行為をすべて禁じることを定めている。
デグロムが今シーズン、この日の先発登板までに挙げていた成績は6勝2敗、防御率0.54、4失点、111奪三振、 .507 WHIP、という驚異的なものだ。デグロムが何らかの助けを借りているのではないかと審判らがチェックしたくなるのも無理はない。だが、何も見つかることはなかった。このメッツのエースは素のままでひたすらすごいのだ。
訳者注:この後のデグロムはブレーブス打線を5回1安打無失点6奪三振に抑え、7勝目を挙げ、防御率を0.50にした。
(翻訳:角谷剛)