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MLBのトレード期限である7月31日が近づくにつれ、騒がしくなる一方だ。この時期、携帯電話はGMの体の一部となる。記者やファンたちも同じで、スクープを入手しようと躍起になる。
しかしいったい、選手はどう思っているのだろう?
彼らにとって、7月という月は、不確かなことだらけだ。所属チームが売り手になるのか、買い手になるのか、憶測がうず巻く。何も確定しているものはないのに、あたかも事実かのように報道される。その一方で、当の選手たちは、自分ではコントロールがほぼできない状態で、この先の人生で何が起こるのか、不安に感じているのだ。
「スプリングトレーニングを終えた時に考えていたこととは、全く違う解釈が加わる」。昨年の夏にオークランド・アスレチックスからワシントン・ナショナルズにトレードされたライアン・マドソンは述べた。
うわさを遮断しようとしても、選手はそれから逃れられない。彼らもファンと同じように、記事やツイートを目にする。この時期は、山火事のように情報が広がっていくのだ。
マドソンとともにワシントンにトレードされたショーン・ドゥーリトルは、友人や家族にも最新情報を聞かれたと述べている。しかし、それらの憶測によって、選手はさまざまな感情に陥る。
「いろいろあるが、割り切って考える努力をする」ドゥーリトルは述べた。「野球の性質上、移籍の可能性は覚悟している。ポストシーズンに進出できるチームに移籍するのはうれしいことだ。でも同時に、引っ越さなければならないので、特に家族がいる選手は、いろいろと調整が必要となる」(ドゥーリトル)。
ファンからすれば、下位のチームから優勝候補チームに移籍する選手はラッキーだと思う。ドゥーリトルのように、多くの選手はそれを理解している。しかし憶測の中で、自分の名前が浮上すると、フィールド以外の生活についても悩まなければならない。
確かに、仕事は多少の犠牲を伴う。しかし、選手には家族や家のことなど、考えるべきことがたくさんある。彼らは、地域に根づいているのだ。トレードになったら、合図一つで、その根を引き抜かなくてはならない。
「誰も野球以外のことは理解してくれない。選ばれてトレードに出されるだけだ」ニューヨーク・メッツの三塁手トッド・フレイジャーは、昨年7月にシカゴ・ホワイトソックスからニューヨーク・ヤンキースにトレードされたことを受け、述べた。「妻にとっては大変なことだよ。家から全ての荷物を出さなければいけない。だけど、僕は野球をしなきゃいけない。要するに、心配するべきことはたくさんある」(フレイジャー)。
悩まないよう努力している選手もいる。
例えば、マドソンの場合、ゲームに集中することで、うわさを耳に入れないようにした。メッツの右腕ザック・ウィーラーも同じようなことを言っていた。「自分がコントロールできることをコントロールする。なるようにしかならない」フレージャーは、8年間のメジャー生活で、うわさに慣れたようだが、実際はそのような憶測に悩まされている選手もいる。
しかし、影響を受けているのは、憶測に名前が浮上する選手に限った話ではない。もう一度言うが、7月は情報が急速に広まり、選手たちはチームのフロントが何を望んでいるのか、考える傾向にある。
売り手のチームでは、さまざまな別れが待っている。
ドゥーリトルとチームメートは昨年、トレード期限のアスレチックスの成績を踏まえ、誰がトレードに出されるか、防衛機制としてジョーク交じりに話していた。彼とチームメートの誰もが、ドゥーリトルがトレードに出される可能性が高いことを理解していた。
ドゥーリトルは、チームは選手を放出する時期を意図的に遅らせていると述べている。白旗を振っているフロントとは違い、チームはしばしばトレードのうわさをスローガンとして利用しているのだ。
「昨年の5月か6月くらいに、オークランドはどちらに転ぶか分からない状態で、僕らも一致団結しようと努力していた」ドゥーリトルは説明した。「僕らはこんな話をしていたんだ。『チーム成績は良くないかもしれないけど、このチームが大好きだ。7月末にいい順位にいなければ、僕らは散り散りになってしまう。チームはトレードで選手を放出するだろう』」(ドゥーリトル)
しかし、間に合わないことが多い。
もし7月に優勝レースから外れたら、さまざまなことが変化する。友人や家族にも迷惑をかけ、居心地の良さは損なわれる。選手は、それが仕事だと理解している。駒は簡単に動かされるのだ。
「1人目の選手がトレードに出されたら、あとはゲームのチェッカーと同じだ。次の動きは、2人目の選手が出される。意味が分かる?」フレージャーが付け加えた。「ロンドン橋落ちた、と同じさ。次は誰?ってね」(フレージャー)。
オールスターブレークが明け、トレード期限が迫る中、ほとんどの首脳陣は、既にチームの方針を決定している。トレードに出し始めているチームもある。間もなく、他のチームも後に続くだろう。
毎日毎日、多くのうわさが飛び交っている。最終的に実現するだろう。しかしその時まで、選手はどっちつかずの状態で待たなくてはならない。
「自分にはまだ仕事があるということを忘れてはいけない」ドゥーリトルはトレードに出される選手たちに助言をした。「自分の仕事を全うしているから、取ってくれるチームがあるんだ。ただ自分の仕事に集中するべきだ」。
原文:The MLB trade deadline through the eyes, minds of players
翻訳:Atsuko Sawada
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