MLBのシーズンは続行するとロブ・マンフレッド氏が発言「私は簡単には物事を投げ出さない」

Dan Bernstein

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マイアミ・マーリンズにおける新型コロナウイルスの集団感染発生後の調査で、選手たちが大勢で食事に出かけるなど、MLBが定めた対コロナ対策を守っていなかったことがわかった。他チームへも感染は飛び火し、始まったばかりの2020年シーズンは打ち切りの危機にある。MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏はあらためて選手たちにルール遵守の自覚を求める一方で、なおもシーズンを続行する意欲を示した──

この激動する2020年において、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏が自らの考えを口にするとき、選手やファンたちを刺激しない言葉を選ぶことに苦労している。

マンフレッド氏のもっとも有名な失言と言えば、ヒューストン・アストロズから2017年タイトルを剥奪しないことの理由の1つとして、ワールドシリーズのトロフィーを「単なる金属のかけら」と呼んだことだろう。それ以降も氏が評判を保つには困難な年であり続けている。

球団クラブハウス内で新型コロナウイルス感染が拡大していることから、MLBはシーズンを中止するのかどうかが取り沙汰されている。そのことについてマンフレッド氏が発した最新のコメントは、残念ながら好意的には受け止められていない。マンフレッド氏はすべての責任を選手たちに押し付け、シーズンを続行するかどうかの決断を彼自身の精神力によって左右するかのような印象を与えた。もちろん、それは新型コロナウイルスの危険にさらされている選手たちとは同レベルで語られるべきことではない。

スポーツ専門局『ESPN』記者、カール・ラベック氏のツイッターより:

MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は「私たちは試合を続けます。選手たちはもっと良くならないといけませんが、私は簡単に物事を投げ出す人間ではないからです。今ここでシーズンを中止する理由はありません。私たちは柔軟な対応をしなくてはいけませんが、それは可能なことです」と私に言った。

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MLB機構は7月31日(日本時間8月1日)の発表で、新型コロナウイルスの検査で陽性結果数が増えていることは、マイアミ・マーリンズの選手がとった不適切な行動が原因だとして、同チームの責任を問おうとした。その中にはアトランタで外食に出かけたことなどが含まれる。

だが、マーリンズだけが新型コロナウイルスの感染者を出しているわけではない。セントルイス・カージナルズはマーリンズと対戦していないし、またマーリンズと対戦した他のチームとも対戦していないが、8月1日(同2日)には1人の選手と3人の関係者が陽性と診断された。

シンシナティ・レッズのトレバー・バウアー投手はMLBが試合延期を決める処置の不手際を非難したが、今回のマンフレッド氏の発言にも強く反発した。

バウアーのツイッターより:

MLBの戦略

  • 自分で責任を取らず、
  • すべての責任を選手たちに押し付け、
  • それでもテレビ収入は守り抜き、
  • それを繰り返す

MLBが夢のシナリオ(試合数は少なくして、選手たちに払うコストは下げて、ポストシーズンは拡大して、テレビ収益は増やす)を実行している。彼らがこのシーズンを打ち切るわけはないだろう。

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もし新型コロナウイルスの感染拡大を食い止められなかった場合、MLBはシーズンを中止する可能性があると報じられてきた。だが、どうもマンフレッド氏の意向は(少なくとも現時点では)、何としてもシーズンを続行することのようだ。

なお、7月27日(同28日)以来毎日、少なくとも1日に1試合は新型コロナウイルスを理由に延期されている。

(翻訳:角谷剛)

Dan Bernstein