今年の夏、マイアミ・マーリンズがセントルイス・カーディナルスとの試合でセントルイスを訪れた時、私はマーリンズのドン・マッティングリー監督から捕手JT・リアルミュートについて話を聞いた。
マッティングリーの目は輝いた。
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「彼の身体能力は格別だ。走れるし、何でもできる、新しいタイプのキャッチャーに分類される」マッティングリーは述べた。「オールスターに選出されるべきだと思うけど、ポージーやモリーナがいるから難しいね。」
マッティングリーは、預言めいた一文で会話を終えた。「もし、彼がトレードに出されたら、たくさんのチームがJTの獲得に名乗りを挙げるだろう」。
まさに今、彼はトレードに出されようとしている。少なくとも本人はそう希望している。マーリンズは既に、ジャンカルロ・スタントン、マーセル・オズーナとディー・ゴードンを放出しているが、リアルミュートはトレードを要求したと報じられている。
リアルミュートがトレードを望んでいる理由は、彼が最も過小評価されているキャッチャーであると言えるからだ。もちろん、野球関係者や熱心なファンからは高い評価を受けているが、ホームラン王のスタントンしかマーリンズの選手を知らないような軽めのファンからは評価されていない。
これは私の意見に留まらない。
「彼は本当に過小評価されている」昨シーズン、リアルミュートのバックアップを務めたベテランキャッチャーのAJ・エリスは語った。「毎日、彼を近くで見ているけど、リアルミュートの優れた点はその身体能力だ。ロサンゼルス・ドジャースで共にプレーしたラッセル・マーティン以来の身体能力の高いキャッチャーだ。動けるし、投げられる。試合でミスを犯してもそれをカバーできる身体能力がある。キャッチャーとしては、類のない才能だ。ショートやセンターの選手がキャッチャーをやっているみたいなものだよ。」
エリスの言葉に留まらず、リアルミュートの身体能力を裏付けるデータがある。
JT Realmuto is baseball's most athletic catcher on both sides of the ball, and it's not even really close: https://t.co/cJVlNytCt2 pic.twitter.com/qjWJuGMha3
— Mike Petriello (@mike_petriello) 2017年6月28日
2017年、キャッチャーのベースランニング速度
縦軸=速度(フィート/1秒)
「JT・リアルミュートの身体能力は群を抜いている」
リアルミュートは、過去3シーズン、マーリンズで正捕手を務めている。1シーズン平均、135試合に出場し、.281/.323/.430(打率、出塁率、長打率)を記録している。2017年シーズンの成績は、17本塁打、65打点、WAR3.6だった。また、過去3シーズンで合計28盗塁を記録している。リアルミュートは、この冬初めて年俸調停の有資格選手となり、2020年シーズンが終わるまでFAになる予定はない。そして、まだ26歳と若い。彼を欲しがる球団はたくさんあるだろう。マーリンズは、今オフにリアルミュートのトレード要求を容認すべきだ。
「彼の才能は素晴らしいが、それ以上に人間性が優れているんだ」エリスは述べた。「彼は毎日、勝利への期待感を携えて、球場にやって来る。そこは本当に尊敬しているよ。毎日試合に出たいという気持ちも尊敬している。キャッチャーに大切なものは耐久力だと思うけど、彼は非常に丈夫で耐久力があるんだ。毎日、攻撃でも守備でも、変わらず一生懸命だ。彼が出場すれば、質の高い試合になる。」
リアルミュートは、調停により2018年の年俸は400万ドル(約4億5000万円)になると推定される。2018年シーズンをケガなく過ごせたら、2019年と2020年の報酬は跳ね上がるだろう。もし、マーリンズが今、リアルミュートのトレードを決定すれば、彼らの第一目標はプロスペクトを取り戻すことになる。これは、スタントンやゴードンのような法外な年俸を放棄するトレードではく、ファームの拡充を図るものになるだろう。
(後編へ続く)