FA選手対決、あなたならどっちを選ぶ?【後編】

Ryan Fagan

FA選手対決、あなたならどっちを選ぶ?【後編】 image

マイケル・ブラントリーか、A.J.ポロックか

ブラントリーとポロックはいずれも、健康面で問題を抱えるオールスター級の外野手だ。ポロックは今後数週間のうちに31歳になり、ブラントリーは5月半ばに32歳になる。ポロックはアリゾナ・ダイヤモンドバックスのクオリファイング・オファーを退けたため、彼と契約するチームはドラフト指名権を失う。ブランドリーは意外なことに、クリーブランド・インディアンスからクオリファイング・オファーを提示されなかった。

▶MLBを観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

まずブラントリーだが、故障の問題がつきまとう。彼は2014年にア・リーグのMVP投票トップ3に入ったほどの優れた左打者で、2015年も故障で137試合の出場にとどまったにも関わらず、リーグ最多の45二塁打に加え、15本塁打、15盗塁を記録した。しかし、2016年は僅か11試合、2017年は僅か90試合しか出場していない。肩と足首の故障に悩まされ、今後のキャリアに暗雲が立ち込めた。

ブラントリーはしかし、2018年は大方健康だった。143試合に出場し、3度目のオールスター選出を果たし、bWAR3.6、打率.309、OPS+123、36二塁打、17本塁打、12盗塁、そして出塁率.364を記録した。健康なブラントリーは、期待通りの結果を残した。また、もうひとつ特筆すべきことは、たとえ故障者リストに入っていたとしても、ブラントリーはクラブハウスに良い影響をもたらす。彼は将来、コーチになりそうなベテラン選手なのだ。

一方のポロックは、2015年に素晴らしいシーズンを送ったが、MVP投票においては過小評価された。彼はbWAR7.2、20本塁打、39盗塁、111得点、打率.315、OPS.865を記録したものの、MVP投票で15位に終わった。彼は2016年シーズン開幕の2日前、練習試合でホームにスライディングした際にヒジを痛め、その年は僅か11試合の出場に終わった。2017年は足の付け根を痛めて112試合出場に終わった。2018年は親指を痛め、113試合出場に終わった。

過去2シーズンに彼が残した成績を162試合に換算すると、彼はシーズン26本塁打、24盗塁を記録したことになる。しかし、健康の問題は無視できない。彼はメジャーで6シーズンを過ごしているが、113試合より多く出場したのは僅か2度だけだ。その一方で、彼は背中や肩の慢性的な痛みに悩まされているわけではない。彼の故障は多くが骨折によるものだ。

両選手と契約するチームは、故障のリスクを考慮する必要がある。ポロックの方が評価は高そうだが、ドラフト指名権を失いたくないチームにとっては、ブラントリーの方が良い選択肢だろう。

ジョシュ・ドナルドソンか、マイク・ムスタカスか

ドナルドソンとムスタカスは、今オフのフリーエージェント市場でトップ2の三塁手だ。ドナルドソンは12月上旬に33歳となり、ムスタカスは9月に30歳となった。両選手ともクオリファイング・オファーを受けているので、彼らと契約するチームはドラフト指名権を失う。

2013年から2016年にかけて、ドナルドソンは平均bWAR7.8を記録し、ア・リーグのMVP投票で4年連続トップ8に入った。2015年にはMVPに輝いた。オークランド・アスレチックスとトロント・ブルージェイズで年平均157試合に出場し、OPS+144を記録した。2017年はふくらはぎの故障で6週間欠場したものの、113試合の出場で33本塁打、bWAR4.8をマーク。彼は疑いの余地なく球界最高の選手のひとりであり、打撃だけでなく三塁の守備も優れている。

しかし2018年シーズンは、フラストレーションがたまるものだった。肩の故障で少し故障者リスト入りした後、今度はふくらはぎの故障で3カ月以上も故障者リスト入りし、復帰は予定から遅れた。ブルージェイズは彼をインディアンスにトレードし、9月11日に新しいユニフォームに袖を通した。僅か16試合の出場だったが、ドナルドソンは3本塁打、OPS.920を記録した。

問題は、彼がどんな契約を求めており、また球団は彼にどんな契約を提示したいか、ということだ。彼は1年契約を望み、2019年に素晴らしいシーズンを送って自身が健康であることを証明して、来年のオフに再び34歳でフリーエージェントになるだろうか? あるいは、その年齢で5年や6年の長期契約を結べる選手はいないと理解しており、今オフにできる限り良い契約を結ぼうとするだろうか? 彼とインセンティブやオプション付きの複数年契約を結びたいと思うチームは十分にあると考えられる。

一方のムスタカスは、昨冬の不思議なオフシーズンの影響を誰よりも受けた選手のひとりだった。カンザスシティ・ロイヤルズで38本塁打を放ったシーズンの後、彼は当然のごとくクオリファイング・オファーを退け、他球団から長期契約のオファーを待った。もちろん、それは実現せず、彼はスプリングトレーニング中にロイヤルズに戻った。契約が遅れた他の選手たちの一部とは違って、彼は2018年シーズンも活躍した。ロイヤルズとミルウォーキー・ブルワーズで計28本塁打、95打点、bWAR2.5を記録。ミルウォーキーでは54試合で8本塁打、33打点を記録した。

今年はクオリファイング・オファーを受けていないため、ムスタカスはより多くの選択肢を目にすることができるだろう。彼は優れた三塁手であり、長打力があり(過去2年で66本塁打)、ワールドシリーズ制覇経験があり、しかし出塁率は低い(過去2年で.315)。全てのチームにとってアップグレードとなる選手ではないが、彼に複数年契約をオファーするチームはあるだろう。

一方のドナルドソンとの契約は、ぶっとんだ金額や年数の契約でない限り、リスクを冒す価値のあるものになるはずだ。

(完)

原文:MLB free agents: Patrick Corbin or Dallas Keuchel? Michael Brantley or A.J. Pollock?

翻訳:Muneharu Uchino


【DAZN関連記事】
【必読】DAZN(ダゾーン)の"トリセツ" 最新・2018年版!
ネットでプロ野球中継を視聴する方法を紹介
DAZNでのプロ野球の放送予定や試合スケジュール
DAZNでF1放送を視聴する方法は?
【最新・2018年版】F1の放送予定・レース日程まとめ
ネットでMLB中継を視聴する方法を紹介
MLBの試合日程・放送予定|テレビでの視聴も可能?/2018シーズン

Ryan Fagan

Ryan Fagan Photo

Ryan Fagan, the national MLB writer for The Sporting News, has been a Baseball Hall of Fame voter since 2016. He also dabbles in college hoops and other sports. And, yeah, he has way too many junk wax baseball cards.