2024年はすでにロサンゼルス・ドジャースにとって歴史的なシーズンとなった。
プロスポーツ史上最高額の契約で迎え入れた大谷翔平は、MLB史上初となる50本塁打50盗塁の『50-50』という偉業を達成し、本塁打、打点の二冠王を獲得、チームに今季のMLB最多勝利数をもたらした。大谷自身にとって3度目、ナショナルリーグでは初となるMVP受賞はまず間違いないだろう。これまで打者・投手の二刀流で活躍してきた大谷にとっては、故障から復帰期間ということから投手起用がなかった間に達成した大記録となった。
1年前の2023年8月、当時ロサンゼルス・エンゼルスに在籍していた大谷は投手として132イニングに登板し、167奪三振を記録していたが、肘の靭帯を痛めてしまった。そのため、今季は右肘のリハビリしながら、指名打者として打者に専念してきた。その結果としての大活躍だったわけだが、ドジャースのプレーオフ出場が決まった今、大谷にチームにとっては難しい選択を迫られることとなった。
「ドジャースは大谷翔平、トレーニングスタッフと近々ミーティングをする予定にしている」とスポーツ専門のWEBメディア『The Athletic』のドジャース番ファビアン・アルダヤ記者は9月25日に報じた。
「デイブ・ロバーツ監督は、来季の復帰に向けて今年はこのまま(投手としては)休ませるか、リハビリを継続して打者を立たせた投球練習をするか、難しい決断を迫られていると語った」
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プレーオフを勝ち進んでいけば、どこかのタイミングで大谷がリリーフで登板できる可能性も生まれるのではというアイディアをロバーツ監督は9月半ばの時点では却下していた。
だが、5年間のキャリアで大谷は86試合に登板して防御率3.01を記録、MLBでもトップクラスの成績を残してきた投手だ。ギャビン・ストーン、タイラー・グラスノー、ダスティン・メイ、エメット・シーハンが故障で今季絶望、クレイトン・カーショウの復帰も不安視されている中、プレーオフを戦い抜くには計算できる投手が喉から手が出るほど欲しいのは間違いない。
このタイミングで打者を立たせての練習を進めれば、大谷の投手復帰のタイミングは早められる可能性はある。だが一方で、ドジャースのワールドシリーズ制覇に向けて打者・大谷が大きな役割を果たしている現状を考えれば、投手・大谷は休ませ、少しでも負担を軽くしたいと考えるのも理解できる。
大谷とドジャースがどのような決断を下すにしろ、大谷を二刀流のスーパースターとして完全復活させるための判断となることは間違いない。
「大事なのは彼がどうしたいかだ」とロバーツ監督は大谷の二刀流について米ケーブル局ESPNの取材で語っている。
「彼自身がトップクラスの活躍をできると信じていて、チームにとってプラスになるなら、(二刀流に)ネガティブな要素は何一つない」
ドジャースと大谷の歴史的なシーズンに新たな1ページが加わるのか、その決断が注目される。
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。翻訳・編集: 石山修二(スポーティングニュース日本版)
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