鈴木誠也とは何者か、元広島のスターがカブスのメンバーとしてどうフィットするかを占う

Kevin Skiver

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現地時間3月16日(日本時間17日)、シカゴ・カブスが海外マーケットにおける最大の選手との契約を締結したと報じられた。広島カープの鈴木誠也外野手と交わしたとされる契約は5年総額8500万ドル(約101億円)である。

鈴木は現在27歳で、18歳のときから日本プロ野球でプレイしてきた。そして22歳のときから、安定した成績を残してきた。米国のファンは昨年の8月、オリンピックの金メダルがかかった試合で鈴木を見たことがあるかもしれない。ユーティリティ・プレーヤーの鈴木はその日、3回打席に立ち、2本の安打を放ち、ひとつの四球を選んだ。

鈴木はどのポジションを守るか

鈴木はユーティリティ・プレーヤーである。外野、サード、そしてショートを守ることができる。直近の2シーズンではライトでプレイしており、カブスではおそらくジェイソン・ヘイワードの代わりに、このポジションを任されることになるだろう。

しかし、鈴木の真価はむしろ打撃力にある。日本プロ野球における通算打撃成績は打率.309、出塁率.402、長打率.501である。直近の4シーズンに限れば、打率.316、出塁率.428、長打率.596だ。さらに特筆するべきは、鈴木はシーズンを重ねるごとにパワーを増していることだ。昨シーズンは自己最多となる38本の本塁打を打った。2017年以来、すべてのシーズンで本塁打25本以上を記録している。

鈴木の能力はMLBに対応できるか

それを予想することは難しい。日本プロ野球は世界で2番目の競技レベルを誇るが、MLBのそれと完全に同レベルとは言えないからだ。ここ近年に日本プロ野球から移籍した筒香嘉智と秋山翔吾は最初のシーズンで苦しんだ。しかし、鈴木にはいくつかの良い兆候もある。

先発要員として、鈴木は非常にバランスの良い打者である。強い打球を飛ばすために必要以上に力むところはあまり見せない。昨シーズンは38本もの本塁打を打ちながら、三振率はわずかに17%でしかなかった。筒香の横浜ベイスターズにおける最終シーズンの三振率は25%だった。秋山は西武ライオンズでの最終シーズンで、三振率は鈴木により近い16%だったが、その代わり本塁打数はわずか20本だった。

MLBの投手力からすると、鈴木の成績は少し落ち込むかもしれない。しかし、鈴木のストライクゾーンに対するセンスとバランスのとれた打撃からすれば、移行はスムーズに行くのではないか。

鈴木のライトでの守備能力も悪くはない。肩は強いし、打球への反応も速く、高い運動能力で守備範囲も広い。

カブスにとって何を意味するか

鈴木は昨年11月に広島からポスティング掲示された。契約が遅れたのはロックアウトが原因である。しかし、カブスのファンにとっては朗報である。かつてそう思われたほどには、このチームはまったくの再建モードではないようである。鈴木は契約前にカブスのトム・リケッツ社長ら経営陣と面談している。そこでは好ましい話を聞いたようだ。

よく知られているように、カブスはカイル・シュワーバー、クリス・ブライアント、アンソニー・リゾ、そしてハビアー・バエズ(大型トレードの一部として)ら主力選手の多くをトレード期限ぎりぎりのタイミングで放出した。

カブスの経営陣を過大評価する恐れはあるが、こうした動きとマーカス・ストローマンの獲得を合わせて考えてみると、どうやらファンが思うほどには彼らに価値を見出してはいなかったようである。こうした人気選手たちがそろって契約更新を迎えることは、チームにとっては重荷になっていたとも考えられる。

今シーズンの結果がどうなったとしても、鈴木は球団の長期的戦略に沿うかもしれない。もしカブスが今シーズンに期待以上の成績を挙げたなら、2023年のオフシーズンは非常に活発な補強が行われることも期待される。その可能性はますます大きくなっているようにも見える。鈴木は「まばたきをしていれば、手に入れることができなくなる」価値を持つ選手であり、カブスはそれを見逃さなかったのだ。

結論

鈴木はカブス打線が渇望していたパワーをすぐにもたらす。そして、ここ数年は守備力の衰えが見えているヘイワードの代わりにライトを守ることで、カブスの守備面にも貢献する。27歳の鈴木はこれから長年プレイすることができるし、もし移行がスムーズに行けば、カブスの即戦力にもなれるはずである。

(翻訳:角谷剛)

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Kevin Skiver

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Kevin Skiver has been a content producer at Sporting News since 2021. He previously worked at CBS Sports as a trending topics writer, and now writes various pieces on MLB, the NFL, the NBA, and college sports. He enjoys hiking and eating, not necessarily in that order.