ワクチン未接種のヤンキース選手に許されるのは70試合のみに。名門チームが直面する深刻な不利益とは

Ryan Fagan

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あくまで現時点の話ではあるが、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジは健康にまったく問題がないにもかかわらず、2022年のレギュラーシーズン全162試合のうち出場資格があるのは70試合だけでしかない。

(米国内で)ワクチン接種が義務化されている現在の状況が変わらず、そしてジャッジがワクチン未接種だとする我々の推測が本当に正確であったとしたら、それがまさに今後起きることになる。国内だけではない。カナダではワクチン未接種の外国人は入国できない。それはMLB選手にも適用される。ヤンキースはカナダに本拠地を置くトロント・ブルージェイズとの遠征試合が今年、9試合予定されている。

加えて、NBAのスター選手、ブルックリン・ネッツのカイリー・アービングがワクチン未接種を理由に本拠地での試合に出場することを禁じられているが、それと同じルールがニューヨーク市内に本拠地を置くヤンキースとニューヨーク・メッツの選手にも適用される。ある選手がワクチン未接種の場合、ヤンキー・スタジアムでもシティ・フィールドでもプレイすることはできない。ジャッジの場合は、本拠地での81試合だけではなく、メッツと敵地で対戦する2試合にも出場できないことになる。

要約するとこういうことになる。162試合のうち、ます本拠地での81試合が引かれ、ブルージェイズとの敵地での9試合が次に引かれ、そしてメッツとの敵地での2試合が引かれる。引き算の残りは70試合である。昨シーズンはアメリカン・リーグ最優秀選手賞(MVP)投票で第4位だったジャッジが、今シーズンはヤンキースが戦う162試合中70試合にしか出場する資格がないのだ。

そのことがヤンキースにとって非常に大きな不利益になることは言うまでもない。特にシーズン最後の12試合は本拠地かトロントで行われるのだ。ジャッジが本当にワクチン未接種であるかは分からないが、そう推測することは大きな飛躍ではない。

アーロン・ジャッジがワクチン接種について質問されたときの応答:
「私は今、春季キャンプで最初のオープン戦に出場するための準備に集中しています。そのうちに何らかの決断を迫られる時が来るかもしれません。しかし、現在は多くの状況が目まぐるしく変わっています。ですから、私は今のところ、そのことについてあまり心配していません」

もちろん、このことはジャッジだけの問題ではない。ワクチン接種が可能になって1年以上が過ぎたが、ヤンキースにはジャッジ以外にもワクチン未接種の選手がいると思われるからだ。そしてメッツも同様の問題を抱えている。昨シーズンのメッツは新型コロナウイルスに関する規制緩和の条件だったワクチン接種率85%に届かなかったのである。

もちろん、何らかの状況が変わることは予想できる。それでも、もっとも簡単な解決法は予防接種を受けることである。

ジャッジや他の選手たちはただワクチン接種をすればよいのだ。最新の情報では、米国内ではこれまでに5億5700回以上のワクチン接種が行われ、2億1700万人以上が複数回のワクチン接種を終えている。そして、多くの選手たちがこの件について考えを変えている。ニューヨーク・デイリー・ニュース紙は3月15日付の記事で下のように報じた。

メッツのピート・アロンゾ、フランシスコ・リンドーア、そしてマックス・シャーザーといった何人かの有力選手たちが2021年にワクチンを接種した。

ヤンキースは別の方向からこの問題に取り組んでいるようだ。

ニューヨーク市のワクチン義務化ルールに関するヤンキースの声明:
ヤンキースを代表して、ランディ・レバイン球団社長が市議会及び関係者とこの件について協議しています。これ以上のコメントはありません。

何かしらが変わることはあるだろう。新型コロナウイルスに関する規制は変わっている。そしてオミクロン株の流行が収束しつつあることを考えると、規制は緩和されるかもしれない。

しかし、もし何も変わらないとすればどうなるのか。もし、新たな感染拡大が起き、ワクチン義務化ルールがそのままになったとしたらどうなるのか。ニューヨークのエリック・アダムス市長は例外を認めないと公言している。

ニューズデイ紙記者リンジー・アドラー氏のツイート:
アダムス市長は以前、アスリートたちに例外を認めないと発言した。それが誤ったメッセージを発信することになるからという理由だ。先月には1,400人の市職員がワクチン未接種を理由に解雇されている

アービングとは違い、ジャッジは自身の状況や決断を明らかにはしていない。したがって、この両者が同じ状況になるかどうかは分からない。

もしジャッジがワクチン未接種のままで、シーズン中の92試合を欠場することになったとすれば、ヤンキースのファンたちにとって、それは受け入れがたい事態になることは想像に難くない。それでなくても、アメリカン・リーグの東地区は激戦区なのだ。そしてヤンキースのファンの多くがワクチンを進んで接種したか、仕事を守るためにやむなく接種に追い込まれたか、あるいは接種しないことを理由に解雇されたのだから。

この件からは目を離すことはできない。

(翻訳:角谷剛)

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Ryan Fagan

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Ryan Fagan, the national MLB writer for The Sporting News, has been a Baseball Hall of Fame voter since 2016. He also dabbles in college hoops and other sports. And, yeah, he has way too many junk wax baseball cards.