MLB選手がロックアウト中に日本や韓国でプレイは可能か…海外リーグが提供できる出場機会の選択肢とは

Joe Rivera

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ブライス・ハーパーがジャイアンツ入りする?

そう、ただし日本の読売ジャイアンツの話である。

MLBのロックアウトが依然として進行中である。2021年シーズンが終わってすぐに始まったオーナーたちと選手たちの交渉は、双方が歩み寄りの姿勢すら見せていない。多くの選手とファンにとってはまさに痛恨事だ。

そんななか、昨シーズンにナショナル・リーグMVPを獲得したフィラデルフィア・フィリーズのハーパーが動きを見せた。2月28日(日本時間3月1日)に、日本プロ野球(NPB)の有名な球団である読売ジャイアンツのユニフォームを着た自身の写真をSNSに投稿したのだ。

ここで一つの疑問が浮かんでくる。MLB選手が労使協定の交渉中に海外あるいは他のリーグでプレイすることは可能なのだろうか。

答えはとてもシンプルだ。

MLB選手はロックアウト中に日本でプレイできるか

簡単に言えば、答えはイエスだ。ロックアウト中、選手は他のリーグでプレイすることができる。

ロックアウトとはリーグ機構が行っているものだ。選手たちの方からストライキをしているわけではない。従って、MLBは選手たちがどこでプレイしようと(そして収入を得ようと)、それを止めるための手段はあまり持たない。

スポーツ専門サイト『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者はロックアウト開始前に代理人たちへ配られた説明書の一部を公開した。

そこには「イエス。もしMLBがロックアウト期間中に海外のリーグでのプレイを選択する選手の邪魔をしようとするならば、PA(選手組合)は断固として対抗する。2004-05年にNHLリーグが中止されたときは、多くの選手が海外でプレイすることを選んだ」とある。

2004-05年のNHLロックアウトでは、結果としてそのシーズン全体が中止となった。そしてNHLチームでのプレイが不可能になった388人の選手が海外リーグでプレイした。

最後に、ハーパーは読売ジャイアンツに入団するためには海外への渡航もためらわないことを明らかにした(冗談めかしてではあるが)。

そこには「読売ジャイアンツの皆さん、起きていますか。私は時間を持て余しています。代理人であるボラス事務所の電話番号は持っていますよね。話し合いましょう」とある。

(※編注:これに対して読売ジャイアンツ側も公式Twitterが「ジャージのサイズはいくつですか?」と切り返している)

ハーパーを欲しがるチームはMLBが再開してハーパーがフィリーズに戻るまでの間だけの契約を結ぼうとするだろう。

しかし、いくつかのリーグやチームはベンチ入りできる海外選手の数に制限がある。

「もしこのままMLBシーズンの開催が危ぶまれるようであれば、NPBチームのドアが開かれていることを、何人かの代理人は知っているに違いない。NPBチームはリーグの規則では契約できる海外選手の数に制限はない。ただし、1軍のベンチに入れるのは4人までとなっている」

もちろん、日本に限らず、MLB以外のリーグで選手がプレイすることにはリスクが存在する。第一に挙げられるのは、故障してしまう可能性だ。

どちらにしても、オーナーたちと選手組合が歩み寄りに時間をかけている間、もし選手たちが野球をするために荷物をまとめたいと願うのであれば、彼らがするべきことは航空券を購入することだけだ。

(翻訳:角谷剛)

Joe Rivera