【MLB: A to Z (General Manager)】ゼネラル・マネージャー(GM)の仕事とは?

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ブラッド・ピット主演で映画化もされたベストセラー小説『マネー・ボール』で描かれのが、オークランド・アスレティックスのビリー・ビーンだった。ユニークなキャラクターとともに、スポットライトが当たったのは彼の役職だ。選手の能力を客観視するため、試合中の映像を見ないというポリシーを貫くビーンは、物事が思い通りに進まない時に当たり散らす激情家でもある。

試合中に采配を振るうのが監督の仕事なら、指針を定めて、それに沿ったチーム作りを委ねられるのがゼネラル・マネージャー(GM)という職業。

『マネー・ボール』のワンシーンにあったように、ビーンは破格の条件で名門ボストン・レッドソックスへの引き抜きを画策されたが、やりがいを優先して残留する。その空席に座ったのが、セオ・エプスタ インだった。当時、メジャー最年少の28歳でGMの座に就くと、就任2季目の2004年にワールドシリーズを制覇。“バンビーノの呪い”を解くと、11年にシカゴ・カブスに移り、16年には“ヤギの呪い”も霧散させた。

球界を見渡すと、ビーンのような元メジャーリーガーは少数派で、近年はアイビーリーグ(アメリカの東海岸私立大学8校)出身の頭脳派が注目を集め、他業界からの人材の流入も目立つ。

ちなみに、GMの役割が増えた現在、この肩書きの上に上級職を置くチームも多く、ビーンも正式な肩書は「ベースボール部門副社長」となっている。積極的にトレードを敢行する者や、有望株の放出も辞さず大物選手を次々に獲得する者など、GMそれぞれの手腕も見物だ。