第21回【MLB: A to Z (Utility Player)】需要増! マルチポジションをこなす選手

AKIRA FUJIWARA

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近年、ユーティリティ・プレーヤーの需要が上がっている。従来は「内外野をこなす便利屋」でしかなかった存在の価値を高めた第一人者が、ベン・ゾブリストだ。ショートとしてプロのキャリアをスタートさせたが、メジャー昇格後は外野やセカンドも守りながら出場試合数を増やし、2012年には3ポジションでいずれも47試合以上をこなした。

ゾブリストが脚光を浴びたのは、複数ポジションをこなしたからだけではなく、打線のなかでも上位や中軸に入り、その時々で任された役割を果たし続けたからだ。ゾブリストの出場機会増と歩調を合わせるかのように、所属していたタンパベイ・レイズはプレーオフの常連となり、15年にはシーズン途中に移籍したカンザスシティ・ロイヤルズでワールドチャ ンピオンに。

翌16年はレイズでゾブリストの才能を最大化させたジョー・マッドン監督に請われる形でシカゴ・カブスへ入団し、ワールドシリーズMVPとなる活躍で球団108年ぶりの世界一へ貢献した。

昨年は、アンドリュー・ロマインが投手を含む全ポジションをこなして話題になり、昨年のワールドチャンピオンチームのヒューストン・アストロズも主力級のマーウィン・ゴンザレスが6ポジションをこなしている。

こうした流れもあり、識者がポジション別に守備の優れた選手を表彰するフィールディング・バイブル賞にも、14年に「マルチポジション」部門が新規で設けられた。直近2年は、複数のラインナップを駆使して戦うマッドン監督の元でプレーするハビアー・バイエズが受賞している。

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