【MLB: A to Z (Flyball Revolution)】フライボール革命で本塁打量産!

AKIRA FUJIWARA

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「フライボール・レボリューション(革命)」の言葉が定着したのは2017年シーズンだが、打者が意図的にフライを増やし始めたのは、それよりも少し前の話である。

メジャー全体のフライ率は2015年から33.8%→34.6%→35.5%と上昇傾向にある。そして、その数字以上に、全フライ打球における本塁打の割合が11.4%→12.8%→13.7%と上がっている点に注目したい。結果として、昨季は史上最多6105本のホームランが乱れ飛んだ。もちろん、闇雲にフライを打ち上げるだけで成績が向上するはずはない。しかし、フライとゴロを打ったときの打率はそれぞれ.241/.251で、長打率に至っては.262/.751と大差がある。

長打が単打よりも得点との結び付きが高いのは言うまでもない。データの集積からは「バレル」と呼ばれる、26~30度の角度をつけて98マイル以上の速度で放た れた打球が、打率も長打率も極めて高くなると証明されている。

近年、スポーツ界に押し寄せるビッグデータをうまく咀嚼し、バッティングのアプローチを修正してブレイクを果たした選手も多い。例えば、ジャスティン・ターナー(ロサンゼルス・ドジャース)はメジャーデビューからの6年間、ゴロを多く打つタイプの打者で通算15本塁打の打者だった。ところが、それ以降はフライ打球を増やして、2016年からの2年間は通算48本塁打をマーク。ポストシーズンでもチームの中軸打者として大暴れした。

フライボールの活用をヒューストン・アストロズはチーム単位で徹底して、世界一まで登り詰めている。思えば、この流れが訪れる前には投手の力量が上がり、メジャーリーグは「投手優位時代」に突入しようとしていた。守備シフトの隆盛もプラ スに働いたが、その後に訪れたのが「フライボール革命」だ。対抗手段として、近年はノビのある速球を高めに投じて空振りを狙う配球がブームになっている。打者と投手の切磋琢磨があって、ベースボールは進化していく。

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