第15回【MLB: A to Z (OPS)】出塁率+長打率の指標

AKIRA FUJIWARA

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OPSはMLB.comの打者成績部門で打率、出塁率、長打率と横並びに表示されている。公式のスタッツではないにもかかわらず、それだけ特別扱いされているのは、近年、この指標が市民権を得ていることの表れだろう。

出塁率と長打率はそれぞれ打率よりも得点との結び付きが高く、その総和で簡単に求められるOPSは打者の打力を図る際に重宝される。

例えばベーブ・ルースの通算打率.342はタイ・カッブの.366に及ばないし、放った2873安打の数でもピート・ローズの4256安打に見劣りするものだ。だが、OPS1.164は歴代ベストの数値で、カッブの.945やローズの.784を大きく引き離している。つまり、ルースは「安打を高い確率で打つ」、あるいは「安打を多く量産する」点においてはナンバーワンの存在ではないが、「チーム の得点力を高める」点において最高の打者ということだ。

ちなみに、シーズン最高を数値を残したのは2004年のバリー・ボンズで、打率.362/出塁率.609/長打率.812/OPS1.422。135安打の半分以上が長打、四球は232個という驚異的な成績だった。

また、OPSの応用編としてOPS+という指標も有用だ。100を平均値とするOPS+は試験の偏差値のようなもので、こちらも通算最高はベーブ・ルースの206となっている。OPS+が優れている点は、リーグ全体の標準値や球場ごとの特性が考慮されているところ。そのため、対象の選手が「その時代でどれだけ突出した打者であるか」を測ることができるスグレモノなのだ。

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