2018年の顔:大谷翔平を巡る物語(1)

Muneharu Uchino

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大谷翔平の伝説と物語はここ数年間、メジャーリーグに広まっていた。

噂によると、日本が生んだ十代の怪物はベーブ・ルースのような打棒を発揮し、ノーラン・ライアンのように100マイル超えの速球を投げる、とのことだった。そして、日本での彼はただ打って投げるだけでなく、その両方でスーパースターだった。2016年、この化け物は打者として104試合で22本塁打、打率.322、OPS1.004を記録し、投手として140回を投げて防御率1.86、奪三振率11.2をマークした。

そのシーズン、彼は21歳だった。

 

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疑いの余地なく、大谷にまつわる伝説は魅力的だ。もしMLBの舞台で、世界最高の野球選手たちと戦うチャンスを与えられたら、彼は何ができるだろうか?

それは、現在23歳の大谷も知りたいことだ。そして、その燃え上がる情熱は、大谷の渡米をこの上なく面白くさせる理由の一部だ。もし完全なフリーエージェントとなるまでもう2年待てば、この日本のスーパースターは2億ドルを超える契約を手にしていた可能性があった。現在のMLBの労使協定では、米国外でプレーする25歳以下の選手は全員がアマチュア選手として扱われ、チーム毎に定められた契約金上限を超えて契約することができない。しかし、彼は今すぐ世界最高の選手たちを相手に自分の力を試したいのだ。

というわけで、2億ドルの契約が得られるまで待つ代わりに、彼は231万5000ドルの契約金を得てロサンゼルス・エンジェルスでプレーすることを選んだ。考えてみて欲しい。実に数億ドルを捨ててもハイレベルな舞台で自分の実力を試したいほど、このアスリートは勝負への情熱に溢れているのだ。

このような男を応援しないことなどできるだろうか?

「大谷ほど打球を遠くに飛ばす選手は、バリー・ボンズ以外見たことがありません」2002年、2003年にサンフランシスコ・ジャイアンツとニューヨーク・メッツで通訳兼ビデオコーチとして働いた小島克典氏は、スポーティングニュースに語った。

現在は日本でライター、解説者を務めている小島氏は、2015年に大谷へのインタビューを行い、二刀流として成功した大谷についての書籍も執筆している。それ以降、両者は良い関係を築いており、小島氏は大谷の試合にも多く足を運んでいる。

「米国と日本の両方で多くの選手の打撃練習を見ましたが、飛距離に関して言うと、ボンズと大谷は別格です」小島氏は言った。「(MLBでの大谷は)二桁勝てる先発投手にして、バリー・ボンズ級の飛距離を持つバッター、といったところでしょうか」

大谷はまだMLBでプレーした経験はなく、MLBの生活スタイルを経験したこともないが、彼には米国での経験が豊富な良き友人がいる。彼の同郷である、ダルビッシュ有だ。

(2)につづく)

原文:Shohei Ohtani should be a two-way MLB highlight reel in 2018

編集協力:Ryan Fagan

翻訳:Muneharu Uchino

Muneharu Uchino