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おとぎ話は終わった。そして、あまり気持ちのよくない現実がやって来た。
17日のレッドソックス戦。エンゼルスタジアムで今季最多、1998年のリノベーション以後2番目となる4万4822人の大観衆の前で、大谷翔平は不満の残るパフォーマンスを演じてしまった。
今季3試合目の登板。8日にアスレチックスを相手に七回1死まで完全試合を演じて以来の登板で、大谷はメジャー最高勝率のレッドソックスに対して2回しか投げられなかった。試合は1—10でエンゼルスが敗れた。
初回、先頭のムーキー・ベッツにいきなり本塁打を許した。それから59球後、大谷は右手中指のマメの影響でマウンドを降り、メジャー初黒星を喫した。
「マメは前回登板が終わってから、ちょっとあった。(今回の登板は)いけるかなという感じだった。でもゲームに入ったらよくない部分があった。僕はもう少しいきたかったけれど、メディカルスタッフと相談して、今日はやめておこうということになった」と23歳の大谷は試合後、説明した。
大谷は日本ハム時代からマメを作ることがよくあった。スポーツニッポン紙の柳原直之記者によると、2016年にはマメで6週間登板できなかったことがあったという。
「ウォームアップのときにはマメが気になるとは全然言っていなかった。2回を投げたが、これ以上投げて悪化してはいけないと思った。次の登板できっちり投げて欲しい。今日はコントロール面でマメの影響があった。今週末にマメの状態を見て次回登板は決めたい」とソーシア監督は語った。
大谷はマメで次回登板の予定が変わることはないだろうと自信を見せた。「マメはだいたい中指にしかできない。日本時代と同じ。程度によるけれど、完治する前に投げたりもした。一日一日様子を見て、通常通り(先発ローテーションで)回っていく準備をしていく」(大谷)。
レッドソックス戦で、マメは大きな影響を及ぼした。投球数66のうちストライクは34。奪三振はひとつだけで4安打、2四球、3失点だった。
「フォーク(スプリット)を引っかけたし、まっすぐはかかりが悪かった。スライダーは抜ける球が多かった」と大谷は言った。
ベッツはそれを感じていた。
「スプリットでストライクが取れずにいた。だからわれわれはスプリットをよく見極めて、彼を追い詰めることができた。彼は結局、苦し紛れでストライクを投げざるをえなくなった」とベッツは話した。
レッドソックスの各打者はスプリットを捨て、速球に狙いを絞ることができた。
「そこが大事な点だった。スプリットは彼の持ち味だ。それを見極めることは、彼を攻略する第一歩だ。でも速球は100マイルも出るからね。すごい投手だよ」(ベッツ)。
ベッツは初回の先頭打者として、大谷攻略のお手本を示した。1ボール、2ストライクと追い込まれた後にスプリットを2球見逃し、96マイルの速球をファウルしてから膝の高さの97マイルを振り抜いて左中間への本塁打とした。この日3本放つうちの最初の一発だった。
この試合を迎えるまで、ベッツはア・リーグで打率と得点でいずれも2位、出塁率と長打率はともに4位と好調だった。二回には、打力の劣る下位打線が大谷に襲い掛かった。 1死後、打率.191のジャッキー・ブラントリーJr.が安打で出塁。打率.214のクリスチャン・バスケスが四球を選び、打率.167のブロック・ホルトが適時打を放った。ベッツの四球で満塁となり、アンドリュー・ベニンテンディの左犠飛でバスケスが生還して3—0となった。
試合後、大谷に制球がままならなかったときの心境についての質問が飛んだ。その答えが大谷の心構えを教えてくれた。「毎試合調子がいいということはない。(登板する試合の)半分くらいは悪い。どの投手もそうだと思う。調子が悪いときに、どう投げていくかが課題」。
原文:Shohei Ohtani says blister shouldn't be a problem, despite early exit
翻訳:Hirokazu Higuchi