野球に全く興味がない人がメジャーリーグ観戦を楽しむコツ、2つ(前編)

Muneharu Uchino

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「野球に全く興味がない私に、メジャーリーグ観戦を楽しむコツを2つ、教えて下さる?」

約3年前、シンガポールで出会ったとある日本人女性に、こう質問された。
僕が「メジャーリーグが好きなんです」と話していたときのことだった。
彼女は翌週、出張でアメリカに行くという。

「メジャーリーグ観戦を楽しむコツを、2つ……?」

僕はやや戸惑いながらも、考えた。
そして、パッと思いついた答えを言った。

「晴れた日のデイゲームで美味しくビールを飲むこと、それから、球場の音を楽しむこと」

果たして答えになっているのか、今考えても疑わしいが、これが僕の答えだった。

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野球に全く興味がない人がメジャーリーグ観戦を楽しむコツ、その1。
晴れた日のデイゲームで美味しくビールを飲むこと。

メジャーリーグの球場は、ほとんどが屋根のない屋外のスタジアムだ。
天気が良い日は日差しが差し込み、風が強い日は風が吹く。
いくつか屋根つきのドーム球場もあるが、少数だ。

興行面や利便性のみを考えたら、日本のようにドーム球場をたくさん作った方が良いだろう。
しかし、アメリカには「野球は太陽と青空の下でやるもの」という美学がある。
それゆえアメリカには屋外球場が多く、またデイゲームが多いのだ。

美しい天然芝のグラウンドが広がる野球場で、よく晴れた日に太陽の光を浴びながら飲むビールは最高だ。

年俸何億円というメジャーリーガーたちのプレーは、もはやビールのお供に過ぎない。
主役はあくまでも、昼から飲むビール。
一流選手たちの華麗なプレーに酔い、そしてビールに酔うのである。

 

 

野球というスポーツとビールは、そもそも相性が良いのだ。

野球の試合は1試合3時間ほどかかり、控えめに言っても、長い。
たとえ熱心なファンでも、試合の途中で退屈してしまうのはよくあることだ。
だからこそ、ビール片手に仲間とお喋りでもしながらのんびりくつろぐには、最高の環境なのだ。

試合から目が離せないサッカーなどでは、なかなかのんびり観戦というわけにはいかないだろう。
試合がグダグダと進むのは、野球というスポーツの魅力でもあり、退屈さでもある。

優れた野球場は例外なく、ビアガーデンとしての機能を備えているといっても良い。
日本でも、たとえばメジャーリーグの球場を参考にして作られた広島のマツダスタジアムには、バーベキューをしながら観戦できる特別なシートなどがある。
「野球を見ながらビールを飲む」ではなく「ビールを飲みながらついでに野球を見る」くらいのノリで良いのである。

ビールやお酒が苦手な人はどうするか?心配いらない。
アメリカの球場にはコーラでも何でも、体に悪そうな炭酸飲料がたくさん売られている。
夏でも夜は冷え込むサンフランシスコの球場AT&Tパークでは、日本酒の熱燗まで売られている。
場外にサンフランシスコ湾が見渡せる球場で熱燗を片手に体を温めるのも、また乙だ。

以前、関東在住の熱狂的カープファンの女性が「神宮球場で飲むビールは世界一美味しい」と言っていた。

メジャーリーグ好きの僕に言わせれば「ドジャースタジアムの5階席で平日の昼から飲むビールは世界一美味しい」のである。
ちなみにメジャーリーグは平日でもデイゲームが行われ、なぜか多くの観客がやってくる。
これもまた、アメリカならではの光景である。

後編につづく)

Muneharu Uchino