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ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平の故障者リスト(DL)入りが日本時間6月9日に発表された。同7月18日のオールスター・ゲーム目前にしてのDL入りは、アメリカのエンゼルスファンだけでなく、日本で大谷の活躍を楽しみにしていたファンにとってもショッキングなニュースだったに違いない。
大谷は、6月7日(日本時間)のロイヤルズ戦に先発し、右手中指のマメのため、4回で降板。マメの処置を受けている際に右ヒジに張りを感じ、検査の結果、内側側副靱帯に損傷が見つかった。早速、その翌日にはPRP治療と幹細胞治療を受けた。
このPRP治療とは、自身から採取した血小板を注射する治療法で、血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用して、治癒力を高める。もうひとつの幹細胞治療も、自身の幹細胞を注射し、傷ついて失われた細胞を補い、組織の再生を図る治療法である。これらの治療法を経てヒジの安静を保ちつつ、3週間後の検査次第で今後の治療方針を決めるという。
大谷のようなケースの選択肢としては大きく分けて2つだ。PRP治療や幹細胞治療を続けるか、靱帯再建手術を受けるか、である。エンゼルスのビリー・エプラーGMは、6月9日に報道陣との電話会見に応じ、「手術はしない方向でいきたい。医師や医療スタッフの意見を聞きながら治療を進めていきたい」と語った。つまり、チームとしては“前者”を望んでいることが分かる。
今回の大谷のDL入りで、スプリットの投げ過ぎを故障の理由に挙げる向きがある。が、スプリットを投げなくてもヒジを痛める投手は多い。ヒジの故障は投手にとって職業病と言うべきものだ。しかし、エンゼルスはシーズン開幕前から大谷を大事に使ってきた。登板間隔は中6日以上あけ、登板前後の試合は打者としての出場はなかった。また、登板した9試合のうち、投球数が100を超えたのは2試合だけで、最多投球数は110球だった。実は、大谷は昨年10月にもPRP治療を受けており、入団当初から右ヒジに不安があった。それだけにエンゼルス首脳陣も大谷にできる限りの配慮をしてきた。それでも今回の故障を避けることはできなかったのだ。
これまで数々の投手たちがヒジの故障を乗り越えてきたが、PRP治療で思い出すのはニューヨーク・ヤンキースの田中将大である。メジャー1年目の2014年7月に右肘内側側副靱帯の損傷が見つかり、PRP治療を受けて2カ月半後に復帰した。治療後の2015年にはヒジの痛みで1カ月間戦列を離れた時期はあった。だが、毎年2桁勝利をマークし、一昨季、昨季と規定投球回数を超えて活躍している。
一方で、手術を選択したのはシカゴ・カブスのダルビッシュ有だ。レンジャーズ在籍時の2015年3月のことだった。リハビリを経て、翌2016年5月末に復帰したが、1年を費やしたのは確かだ。
PRP治療および幹細胞治療と、靱帯再建手術には一長一短がある。PRP治療と幹細胞治療は回復までの時間は短い。その代わり効果に大きな個人差があるのだ。実際、エンゼルスの先発要員であるギャレット・リチャーズとアンドリュー・ヒーニーは、2016年にヒジの靱帯を損傷した。2人とも幹細胞治療を受けたところ、リチャーズは回復。が、ヒーニーには効果がなく、結局手術を受けることになったという例がある。
もし大谷が靱帯再建手術を行うとなった場合、その難点は何といっても復帰まで1年から1年半もかかることだ。しかし、個人差が出るPRP治療や幹細胞治療よりも、復帰できる確率が高いのも確かだろう。エンゼルス先発陣のタイラー・スキャッグスは2014年に「PRP治療」と「手術」という二者択一から「手術」を選んだ。当時、彼は「まだ23歳と若かったから、時間がかかってもいいから成功率の高い方を選んだ」と話していた。
現在、大谷もちょうど23歳で、野球人としてはまだこれからの人材だ。チームの意向はさておき、最終判断は大谷次第となるだろう。それにしても、私が住む米国のスポーツニュースで毎回、大きく取り上げられる大谷だけに、3週間後の状態が良好で、最小限のブランクで力強く復帰してくれることを願うばかりである。戦線離脱から3週間後の再来週には、大谷の選択肢が徐々に明らかになってきそうだ。
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