超有望株M・コペック、落ち着いた投球の秘訣は瞑想にあり

Gary Phillips

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ニューヨーク――160キロ以下に抑えたストレートでも、マイケル・コペックは簡単に打者を圧倒する。

この22歳の剛速球投手は、大リーグでの初めての出場からわずか4試合で多くのことをやってのけた。もしかすると彼の今シーズン最後の登板となるかもしれない今月5日の試合では自責点7を許してしまったものの、それまでには11回を投げて9奪三振というMLBでのスタートを切っていた。コペックは基本的にホワイトソックスでも安心してマウンドに上がっているように見えた。その理由の一つは、彼が登板の前に毎回、瞑想を行っているからだ。

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「自分が不安を感じていないか確かめるために瞑想をよくする。もし自信を失っていたら、その途中に抵抗できない感情を感じるんだ」。コペックはスポーティングニュースにそう話した。「そうした感情は試合前に瞑想を行うことと密接な関係があるように思う。特に大リーグのレベルでは、ひとたび試合に出て照明に照らされると、多くの感情が一度に襲い掛かってくる。僕は瞑想が大好きだ。おかげで落ち着いていられるし、精神状態を一定に保つことができている」。

コペックのルーティーンにおいて瞑想は3年前から重要な要素となっている。レッドソックスのメンタル能力コーチのジャスティン・スーアは、コペックがレッドソックスの傘下に所属していた時に瞑想の練習方法を教えた。

両者が出会った当時、まだ10代だったコペックは自身のことを「どん底」にいると表現していた。2014年のドラフト1巡目で指名された彼は、チームメイトを殴ったことで手を負傷し、球界から去ることも検討していた。そんな時、スーアはこの若者が瞑想に恋するように正しい道を示したのだ。

最近でも球場でコペックが深く考え込む姿をよく目にした。登板が予定されている日は特にだ。彼は完全な静寂は求めていない。彼の瞑想は「ヘッドスぺース」と呼ばれるアプリに従ったり、明るい音楽を聴いたりしながら行うこともある。彼はヘッドホンを付けると奥の部屋に向かうか、ロッカールームのソファの上で横になる。

これはゾーンに入るためのものだ。

「これは内なる自分と交信する作業だ。自分の息や思考、外の雑音など、何でもいいから一つのことに集中するんだ」。コペックはそう説明した。「それが何であれ、100パーセントの意識を集中させている限りそれは瞑想の一種だ。ここは完全な静寂はないかもしれないけれど、それでも内なる平和を見つけることができる場所だと言えると思う」。

コペックが行っているのは更に現代的な瞑想だ。それには座禅や詠唱も必要ない。「禅」の最先端を追求するメジャーリーガーは彼だけではないが、このような活動はメジャーリーグのロッカールームで頻繁に見られるものではない。

「いろんな投手がいろんな不気味なことをしているよ」。冗談交じりにそう話したのはホワイトソックスの中堅手アダム・エンゲルだ。「ここではそんな光景が日常の一部だ。登板日は多くの投手がそれぞれいろんなことをやっているよ」。

以前は不安を抱えて苦しんでいたコペックにとって瞑想はうってつけのものだった。彼は詳細を語るのを拒否したが、「瞑想は人々が考えるほど珍しいものではない」と指摘した。それが試合前でも、イニング間のダグアウトの中でも、日々の生活の中であろうとも、瞑想はコペックを明敏に保っているのだ。

「彼を開放して、心地よい気分にしてくれものなのだと理解している」。リック・レンテリア監督はそう話した。「おそらく、それによって彼のすべきことをするための感覚が研ぎ澄まされるのだろう。それがどんな方法であれ、誰もがやっていることだ」。

「正直に言うと、私はそのことについてこれまであまり深く掘り下げたことがないんだ。私たちはメジャーリーグのレベルに達したここでやっとお互いを知り始めたところでね。彼とはいずれ話し合いをするだろうと確信している。彼が何を行っているのかについてはそこで少しばかり説明してもらうだろう。もしかしたら私も実践するかもしれないね」

思考を停止させている傍ら、前述の殴り合いや禁止薬物使用疑惑など、この将来有望な若手選手はメジャー昇格までトラブルと無縁とはいかなかった。ホワイトソックスに来てからも日は短いが、とある論争によって雲行きは怪しくなっている。最近になって、コペックがツイッター上で人種差別発言や同性愛者を嫌悪する発言をしていたことが明らかになったのだ。ツイートをした当時、彼は17歳だった。

当該のツイートが発覚したとき、コペックはそのような信念は抱いていないと主張し、ツイートをした当時とは別人になったと話した。記者たちから質問が飛ぶと、彼はこの数年間で自分がどれだけ成長したのかについて強調した。マイナーリーグを昇格していく中で間違いから学んだことや、野球とは離れた人生の教訓についてだ。

コペックはこの件と同様に投球に関しても微調節を行ってきた。プロ入り当初の彼は単なる速球投手であり、スピード測定器で測ると160キロを簡単に超えることで有名だった。しかし、今では技巧派として有名だ。彼はフィールドの内外で成長を遂げたのだ。瞑想もそれに一役買っているのは間違いない。

「未熟な競技者だった僕が、試合での精神面をコントロールして自分自身に誇りを持った男になるには、長年の経験が必要なんだ」。コペックはそう話した。「僕は自分の働き方に誇りを持ってきた。それは肉体的なことやウエイトルームの中でのこと、コンディション調整のことだけではない。それはまさに精神的なものなんだ。それは僕の成熟度と大きな関係がある」。

「もしもフィジカル面と同様にメンタル面でも他の選手と競える選手になれれば、自分の能力のピークに達することができると思うよ」

原文:White Sox's Michael Kopech found ‘inner peace’through meditation on way to majors

翻訳:日本映像翻訳アカデミー


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