視聴率57%増! ヤンキース戦中継に広告主殺到のワケ(後編)

Michael McCarthy

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アメリカン・リーグ優勝決定シリーズの7戦目に、結果としてワールドシリーズのチャンピオンとなったヒューストン・アストロズがヤンキースに勝利した日の翌日、YESの広告セールスチームはすぐに全力で動いたと、セールス部長のハワード・レビンソンは言う。YESには先シーズンの驚くべき成功後に語る、印象深い話がある。

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3年近く前、同じニューヨークのメッツが2015年のワールドシリーズに出場し、マット・ハービーのような若いピッチャーを使ってニューヨークを乗っ取ろうとした。一方のヤンキースはアレックス・ロドリゲス、マーク・テシェイラ、デレク・ジーターのような高年齢、高額年俸のスター選手を引退させて、チームの再編成をした。

そして2017年のシーズンが始まった。(満票でアメリカンリーグの新人王に選ばれた)ジャッジを始めとする「ベイビー・ボンバーズ」の参入が全てを変えた。突然、ヤンキースの「未来が今になった」とレビンソンは語った。テレビ視聴者や広告主がどっと戻ってきた。

ニューヨークのテレビ市場で、2017年にYESでヤンキースの試合をいくらかでも見たテレビ視聴者は500万人以上だった。ゴールデンタイムの試合は、放映されている全ての地元のニュース放送より高視聴率だった。40試合のテレビ放映の視聴率の平均は、2016年には一度も到達しなかった4.0以上だった。

ピッチャーのグレッグ・マダックスとトム・グラビンがナイキの古いCMで言ったジョーク「お嬢さんがホームランを掘り出した」。YESはこの5年間で最高の女性の視聴率を記録した。女性視聴率は特に、世帯収入が15万ドル以上の富裕層の女性で高かった。

その結果、YESネットワークとヤンキースは2018年の新シーズンを十分利益がある状態でスタートできる。

広告による収益は、昨年の同時期と比較し2桁増加した。ジャッジ、スタントン、サンチェス、バードのホームランの距離と速さに関心があるファンに向け、YESは距離と速さをテーマとしたスポンサーの広告キャンペーンを展開できないか検討している。

マディソン街に並ぶ企業は、人気のあるエンターテインメントやニュースプログラムを宣伝に利用できるのにもかかわらず、なぜスポーツを選ぶのか。

このことについて、レビンソンに聞いた。映画俳優のような若いカリスマ的スターやジョー・ジラルディの後任である新監督アーロン・ブーンが率いるヤンキースのテレビ放送は、ゴールデンタイムのテレビドラマやコメディー、刑事ドラマより面白くなるという。

「人気ドラマ『THIS IS US 36歳、これから』を話題にしても、紙ふぶきを飛ばしたくなるほどの盛り上がりはない。ヤンキースがワールドシリーズを勝ち取った時のために、紙ふぶきは取ってあるのだろう。感動、中毒性、誠実さ、ドラマの全てがあり、他の番組とは比べものにならない」と語る。

「くたばれ!ヤンキース」や「悪の帝国」と呼ばれていたヤンキース。しかし昨シーズンは、ジャッジのようなチームが育ててきた選手が好調で、愛すべきチームとなった。

アストロズを倒すまであと一歩だったことから、今シーズンの下馬評は高い。ニューヨークのスポーツファンが優勝候補を上げるとしたら、ヤンキースが唯一のチームである。

メッツ、ジャイアンツ、ジェッツ、ニックス、ネッツが立て直しを行っている中、今シーズン「ベイビー・ボンバーズ」は、ファンやメディアの注目の的である。1961年のマントルとマリスのように、ジャッジとスタントンが本塁打競争で直接対決したらなおさらだ。

ヤンキース嫌いには申し訳ない。「悪の帝国」が終わったと思ったら、ヤンキースは生き返り、ニューヨークを再び支配しようとしているようだ。

「広告主は行列を作って待っている。ヤンキースは広告に、より高い額を投資し、ビジネスとして重要視している。これを利用したい」とレビンソンは述べた。

(完)

原文:With expectations off the charts, YES Network eagerly awaits new season
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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Michael McCarthy is an award-winning journalist who covers Sports Meda, Business and Marketing for Sporting News. McCarthy’s work has appeared in The New York Times, Sports Illustrated, The Wall Street Journal, CNBC.com, Newsday, USA TODAY and Adweek.