荒らし対応のプロ! MLBツイッターの「中の人」ってどんな人たち? 【前編】

Jared Wyllys

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昨秋のワールドシリーズ第7戦の最後の数イニング、ダニー・ファリスはツイートをするため、ドジャースタジアムのビジター側クラブハウスの監督室に潜り込んでいた。

アストロズのツイッターの「中の人」として強い発信力を持つファリスは、満員のドジャースタジアムの予備の記者席ではWi-Fiの接続が悪いため、接続がスムーズな場所に出向いていたのだ。つまり、ファリスは狭苦しい監督室のテレビで最後の数イニングを観戦し、クラブハウスのアシスタントとハイタッチをしながら、ヒューストンの歴史的ワールドシリーズ優勝を伝えるツイートを発信していたわけだ。

「優勝を決めた瞬間、僕は暗くて薄汚れた部屋で座っていた」とファリスはスポーティングニュースに語った。「外部の音は何も聞こえなかったので、エキサイティングで華やかな雰囲気とは程遠いものでした」。

最終的にはファリスもフィールドに出て試合後の雰囲気を味わうことができた。しかし、第7戦が終わりに近づくまで彼が居合わせた場所は、メジャー30球団のソーシャルメディアアカウントを運用する者にはおなじみの場所でもあった。彼らの仕事はほとんど人目につかず、時には見栄えのしないものだ。しかし、彼らはファンにとって重要な役割を果たしている。

チームのニュースを全米や海外に広がるファンに伝える彼らは、報道のニューウェーブとも言うべきか。「時間」や「荒らし」の問題に対処できる人にとっては楽しい仕事だ。チームの声を代弁する存在であることはファンを導く案内人になるということにもつながり、彼らはそうした難題を喜んで引き受けているのだ。

「チームを取り巻く議論を、私たちが先導しているということです」とロッキーズのツイッターの「中の人」となっているジュリアン・バレンティンは言う。「議論のイニシアチブを取り、導いていくのです。もはやマスコミが絶対的なものという時代は終わりました。私たちには発信する道具があり、言いたいことを言う力を持っている。これはとてもエキサイティングなことなんです」。

この分野でのキャリアの長さゆえ、他のソーシャルメディアの管理者たちから親しみを込めて“The OG”と呼ばれているブライアン・スラビアンは、1995年からジャイアンツの組織に所属している。そして、チームアカウントのフォロワーが数千人しかいなかった2010年からツイッター管理の役割に取り組んでいる。

「私たちは、ファンの反応と直につながっています」と3回のワールドシリーズ優勝を通してサンフランシスコの「中の人」となってきたスラビアンは言う。「あらゆる瞬間を、ファンと私たちは共有しています。世界中のファンと一緒にスタジアムにいて、一緒に感動しているような感じです」。

スラビアンは、優勝の頂点と、64勝に終わった2017年のどん底の両方を経験した。だからこそ彼は、ファンと直接やり取りするということがどういうことか、理解している。

「ソーシャルメディアとは、まさしくリアルタイムで起きていることを反映したものです。特にスポーツは気持ちを動かします」とスラビアンは言う。「ファンと一緒にジェットコースターに乗っているようなものです」。

中編へ続く)

Jared Wyllys