MLB機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーが、現地時間6月21日から導入された投手への粘着物質検査について満足しているという旨の見解を示した。米スポーツ専門メディア『The Athletic』が伝えている。
マンフレッド氏は、新たに導入した粘着性物質使用に関する不正投球検査について『The Athletic』のインタビューに応えた。
同21日から各投手への検査が実施され、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有もロサンゼルス・ドジャーズ戦で審判から、グラブや帽子など2度検査を受けた。通常、先発投手は1試合で2回検査を受ける。
翌22日には、ワシントン・ナショナルズの先発投手マックス・シャーザーに対して、相手チームのフィラデルフィア・フィリーズ監督ジョー・ジラルディの要求により4回までに3度目の検査が行われたことで、シャーザーがグラブを投げ捨てるなど憤慨。この態度にジラルディ監督が"逆ギレ"を起こし、退場処分を受けるという悶着があった。
登板中の検査は投手のリズムを崩すことにもつながる悪例になるとして、選手やファンから大きな不評を買っているが、マンフレッド氏は、「私の見解では、最初の2日間は非常にうまくいった」と話した。
22日の試合後、シャーザーは記者団に「これはマンフレッドのルールだ。彼に何をしたいのか聞いてみようじゃないか」と語っていたが、マンフレッド氏は、「理想的とは言えなかったが、この件くらいだ。これまでの大多数のケースでは、事件なしに(検査が)継続されることを期待している」と意に返した様子もない。
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は23日の登板で検査を受けた際、紳士的に対応したが、それでもイラ立ちを見せる投手の方が目立っている状況だ。
マンフレッド氏は、ここまでの検査について「(異物の)検出はなかった。選手たちは非常に協力的で、検査は迅速にイニングの間に行われている」と満足していた。事実、新しい検査ルール導入以降、ボールの回転率はリーグ全体で低下しているという。強硬的な方法ながら、新ルールはマンフレッド氏の思惑通りの効果を生んでいるようだ。
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