【第7話】MLBドキュメンタリー番組『10月までの長い道のり』制作秘話

Jason Foster

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「基本的に四六時中追いかけてた」

 

4時間のテレビ番組で、野球選手の人間的な側面を捉えるということは、面白い選手を見つけたり、フィールド外のストーリーを追ったりして、様々な視点から野球シーズンを見せることであった。

遠征担当者は何をしているのか?クラブハウス係員とはどんなものか?コーチはなぜ忙しいのか?審判にとっての試合とはどんなものか?

 

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彼らは、野球のルーティーンにおいて重要な人物たちであり、彼らのストーリーはこの番組にピッタリだ。

「野球シーズンを全く異なる局面から捉えることができた。誰が担当なのか?どう対処するのか?誰が重要な人物なのか?どうかじ取りをするのか?だ」ダイヤモンドは述べた。

1982年シーズンのチームのかじ取りは、厄介で気が進まないものだった。ターナーは、全員を招集してミーティングを行い、苦境にあえぐチームの打開策について検討した。

基本的にフロントのミーティングは撮影禁止であったが、ターナーは撮影を許可した。

ダイヤモンドとクルーは、ミーティングの議論の様子を全てカメラに収めようとした。しかし、ターナー以外の参加者、トーリ、GMのギブソン、ジョン・ミューレンなどは皆、怒鳴り合う様子は、一般視聴者向きではないと感じていた。

「彼らの態度や顔つきから、不快感が伝わった。とにかく、ミーティングが好きじゃなさそうだった。部屋に入ることはつまり、テレビのスタジオに入るのと同じことだったんだ」ダイヤモンドは述べた。

 

 

そのような瞬間を捉えることは、クルーの仕事の一部であり、どこで次のドラマが巻き起こるかは予測不能だった。

「7ヵ月間、基本的に四六時中追いかけてたよ」ダイヤモンドは述べた。

8月末の遠征中に、ベテランのリリーフ投手、アル・フラボースキーの解雇が発表された。ダイヤモンドはクルーをホテルのスイートルームに急いで招集し、フラボースキーにインタビューをして、彼のキャリアやシーズンについて、また投手としてまだ価値があると信じていることを聞いた。

試合での気性の粗さから「怒れるハンガリー人」と呼ばれたフラボースキーが、若い選手にはかなわないという現実を突きつけられた、人間として真の姿を捉えた瞬間であった。

使い捨てにされる選手の視点をカメラに収められたことは、想定外の収穫であったが、番組の構成の柔軟性も証明した。

「選手が対応するのと同じだよ。ゲームの戦略は考えておくべきだけど、臨機応変に対応する。どんな瞬間も逃したくないからね」ダイヤモンドは語った。

ここでまた、人間関係の重要性も示された。

「アル(・フラボースキー)は、我々が親しくしてた選手の1人だった」ダイヤモンドは語った。「我々は、自分たちのしていることを受け入れていたが、何より、一番受け入れていたのはアルだった。」

第8話へつづく)

Jason Foster

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Jason Foster joined The Sporting News in 2015 after stops at various news outlets where he held a variety of reporting and editing roles and covered just about every topic imaginable. He is a member of the Baseball Writers’ Association of America and a 1998 graduate of Appalachian State University.