ジャスティン・モアノーは、同じアパートに住んでいたかつてのチームメイトがアパートの廊下で、マイケル・ジャクソンの曲を流しムーンウォークをしていたことを覚えている。ジョー・マウアーのそんな一面について、ほとんどの人は知らない。彼らがこの15年間野球場で見てきたマウアーは、ケガと野球の変化に苦しみながらも、素晴らしく安定したプレーをし続けてきた姿だ。
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2004年のメジャーデビュー以降、アパートで披露していたムーンウォークとは打って変わって、マウアーははたから見ていて退屈なほど安定した活躍をしてきた。彼は現在、通算7000打席に近付いている。今年中の到達は難しいかもしれないが、もし現在の契約下でプレーし続けるなら、2019年には到達しそうだ。マウアーの通算打率は.307。通算2000本以上の安打のうち、約1500本が単打(シングルヒット)。少なくともシーズン30本塁打は打てそうな雰囲気にも関わらず、通算本塁打は139本しかない。
そういう点で、ジョー・マウアーは“変態的”な選手といえる。高校時代に確立したスタイルと、今日までそのスタイルにこだわっていることによって、彼は野球界における最近のトレンドにもあまり影響を受けていない。打球角度と速度が重視され始めたことによって、多くの打者はパワーを見せつけるため、ボールを空中に打ち上げようとしている。三振の数は増え、打線がヒットをつなげて得点するという伝統的な攻撃はあまり見られなくなった。
同時に、投手たちは1968年以降見られなかったような形で試合を支配している。打者を助けるために、マウンドが低くなったほどだ。ブルペンは充実し、多くの投手が激しく変化する時速90マイル台後半のボールを投げる。一体誰が打てるのか、と思ってしまうほどだ。
そこで、マウアーだ。
彼の周りで野球の性質が変わりゆく中、マウアーは自身のスタイルに固執している。それは高校時代、コーチと共に確立した打席でのアプローチだ。
「僕のコーチはいつも僕に言ったんだ。『ジョー、君は良いスウィングをしていて、良い打球を飛ばしている。そこで、君が最も好きなコースを見つけようじゃないか』僕らは二人きりで、彼は僕に対して異なるコースに異なるボールを投げた。そして、僕は自分が好きなコースを見つけたんだ」マウアーはスポーティングニュースに語った。
彼は既に、ウィル・クラークやジョン・オルルドを彷彿とさせる素晴らしいスウィングを持っていたが、あの日は違う何かを見つけた、とマウアーは言う。自分が最も好きなコース(過去のデータに基づくと、直近10年間で打率.401をマークしている外角低めがそれに当たる)を把握しただけでなく、自分が好まないコースを見逃すことの効用も理解した。彼はその日から、高校野球の打席でそれを実践し、すぐに結果を出した。
「ボールを見逃せば見逃すほど、僕は強くなった」マウアーは言う。「多くの選手たちは三振を恐れていると思う。僕だって三振は好きじゃないが、しかしカウントが深まれば深まるほど、ボールを見れば見るほど、僕は良い結果を得られると感じたんだ」。
たとえ2ストライクに追い込んでからでも、マウアーからアウトを奪うのは難しい。2ストライクの状況で、マウアーの通算打率は.250(リーグ平均は.180以下)。チームメイトからも注目を集めるほど、彼は打席で落ち着いている。
「彼はいつも、安定したアプローチをしているんだ。彼には心臓の鼓動があるのかと疑問に思うくらいだよ」ローガン・モリソンは言った。「彼はとても冷静で、大事な場面で2ストライクに追い込まれても準備万端なんだ」。
昨シーズン、ミネソタ・ツインズに加入したモリソンは、これまでも他球団でオールスターの常連選手たちとプレーしてきたが、マウアーの打席でのアプローチは突出していると言う。
「どうやったらあんなに冷静でいられるのか。状況に関わらず、常に場をコントロールしている」モリソンは言った。
(後編へ続く)
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