大谷翔平がまた新たな野球の歴史を作った。7月4日(日本時間5日)、アメリカン・リーグのオールスター・チームに投手として選出されたのだ。オールスターに打者と投手として同時に選ばれた史上初の選手となった。オールスター・ゲームの歴史は1933年に始まっている。
打者としての大谷は誰の目にもオールスター選手に相応しい。ロサンゼルス・エンゼルスのレギュラー指名打者として、メジャーリーグ全体でも屈指の打撃成績を残している。投手としての選出にはやや疑問が残る。他に候補となった先発投手の層は非常に厚く、大谷の投手成績はそれほど素晴らしいわけではないからだ。
そこで、大谷がオールスターに出る資格に関する大きな疑問について答え、また7月13日(同14日)に大谷がマウンドに上がるかどうかを予想する。
大谷翔平の2021年シーズン打者及び投手成績はどのようなものか?
7月4日(同5日)の時点で、大谷は31本の本塁打(メジャーリーグ全体トップ)、67得点(MLB3位)、そしてOPSは1.070(MLB3位)の数字を挙げている。
7月4日(同5日)のボルチモア・オリオールズ戦で放った31号の本塁打は日本生まれのMLB選手としては松井秀喜氏(2004年、ニューヨーク・ヤンキース)と並ぶシーズン最多本塁打タイ記録でもある。
大谷の投手成績は良いが、素晴らしいとまではいかない。防御率は3.60(3.74 FIP)で、60回を投げて83個の三振を奪っている(9回平均で12.5奪三振)。防御率は6月30日(日本時間7月1日)のニューヨーク・ヤンキース戦において0回2/3で7失点となったことで大きく悪化した。
大谷の二刀流選手としてのユニークさがオールスター控え選手間投票を行った選手たちや各リーグの出場選手の最終決定をしたMLB機構に影響を与えたのではないかと問うことは妥当であろう。
大谷翔平はオールスター・ゲームで投げることはできるか?
少なくとも、日程的には問題はない。大谷は7月6日(同7日)のボストン・レッドソックス戦に先発登板するものと見られている。それがオールスター・ゲーム前の最後の登板になるはずだ。エンゼルスは7月8日(同9日)には試合がないので、今週は大谷の後に4人の先発投手しか必要としていない。もしオールスター・ゲームに大谷がマウンドに登るとすれば、中6日の登板になる。
エンゼルスがそれを許すかどうかとなると、ジョー・マドン監督は許容的であった。
マドンは7月2日(同3日)の段階で既に、「ショウヘイに制限付きで最大限の参加を認めることが正しいと私は思う。それ以外には何が望めるだろうか。破壊的にならない方法で行うべきだ」とAP通信に語っている。
大谷翔平がオールスター・ゲームで投げるとすれば、それはいつになるか?
多分、早いイニングになるだろう。大谷はアメリカン・リーグの先発指名打者に選ばれている。打者として1打席か2打席を終えた後、例えば3回裏か4回裏にマウンドに上がることはもっとも無理がない。
1つ問題になるとすれば、MLBのルールでは指名打者か野手がマウンドに上ると、そのチームは試合の残りで指名打者を失うということだ。言うまでもなく、オールスター・ゲームは公式戦ではない。この試合に限って、大谷が試合から離れた後にアメリカン・リーグに指名打者を返したとしても、MLBには失うものはないと思われるのだが。
「ショウヘイに投手も打者もやらせるなら、指名打者のルールは少し緩める必要がある。MLB機構はそうした準備をしていると思う」とマドンは7月2日(同3日)に言った。
アメリカン・リーグのケビン・キャッシュ監督が大谷を指名打者から外野守備に移し、試合の中盤か後半に投げさせることは考えにくい。そう、大谷は外野を守ることもできるのだ。日本ではよくやったし、今年はMLBでもそれを行った。エンゼルスで5試合、大谷は外野手としても出場している。
(翻訳:角谷剛)
▶プロ野球を観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう