松井の元同僚ジェイソン・ジアンビ、MLB指導者への道も視野に

Gary Phillips

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ジェイソン・ジアンビが現在コーチに就任することを望んでいるのは、息子のティーボール(小さな子供向けの野球に似た球技)のチームだけだろう。しかし、将来的にはそのレベルを上げていくことを思い描いているはずだ。

アスレチックス、ヤンキース、ロッキーズ、インディアンスに所属して20年ものキャリアを経てきた、元一塁手の彼は、2014年の現役引退後、ラスベガスで家族との生活を楽しんできた。1歳から6歳までの子供たちととも過ごしているジアンビは野球界に急いで戻るつもりはない様子だ。しかし、自分が監督という仕事に対し憧れを抱いていることを自覚しており、自信も見せている。 

「20年間野球界でプレーしてきた」ジアンビはヤンキースのオールドタイマーズ・デーの際にこう語った。「最高の監督トニー・ラルーサ、ジョー・トーリ、そしてテリー・フランコーナたちの下でプレーした。素晴らしい采配を目にしてきたんだ。試合では多くのことを学んできた。そして、それを受け継いでいかないのは、もったいないことだろう」 

2012年シーズンを終え、ロッキーズの面談を受けたジアンビが、監督に就任する可能性もあった。コロラドは最終的にウォルト・ワイスを監督に据え、代わりにジアンビには打撃コーチのポジションをオファーした。ジアンビは現役続行を選択し、キャリア最後の2年はインディアンスに所属した。 

所属球団が決まるまでの間、ジアンビはコロラドとの面談は有益なものだったと語っていた。彼は自分が求められる上司像を学ぶことができたのだ。自分はフランコーナのようなアプローチで選手から尊敬や信頼を得ている監督になると考えていたようだ。 

コロラドとクリーブランドに所属していたとき、ジアンビは現役引退を前にメンターとしての高い評価を得ることとなった。 

「彼は輝かしい野球精神を持っている。多くの人はそれを正しく評価できてはいない」ニューヨーク時代のチームメート、ジョン・フラエティはスポーティングニュースに対し、こう語った。「ジェイソンがホームランを打つスラッガーだったことは誰もが覚えている。けれど彼と野球について話をしたら、私の周りの誰よりも彼は野球を理解していると分かるはずだ。彼は選手たち、特に若手選手の気持ちを理解している。彼は監督に最適な人物だよ」 

「G(ジアンビ)は熱心な選手だった。そしていつもポジティブだ。彼は最高に素晴らしいチームメートだったよ」近年、監督の最優先事項はコミュニケーションだと強調しているアンディ・ペティットが、こう付け加えた。 

パーソナリティと野球に関する知性を兼ね備えているジアンビは、様々な人生経験を選手たちにもたらすはずだ。 

彼はキャリアを通して多くのことを経験してきた。プレーオフの試合は45戦経験しており、400本塁打も達成している。ヤンキースとの大型契約も結んだ。しかし、多くの挫折も経験しているのだ。脳腫瘍により2004年シーズンにプレーができず、そして、その後は薬物使用を公表した。バルコ・スキャンダルが明らかになり、彼は2005年シーズンが始まる前に、ステロイド使用は明言しなかったものの、謝罪会見を行った。 

ジアンビの過去の過ちにより将来監督として不適切であるといった意見がある一方で、彼がキャリアで経験した傷はプラスになると感じている人もいる。 

「人生においてGが犯してしまったこともある、けれど彼はクリーンな人間になったんだ」ジアンビとクリーブランドでともにプレーしたニック・スウィッシャーはスポーティングニュースにこう話している。「皆そのことをリスペクトしている」 

「すべての困難を乗り越えて、微笑みながら別の場所に到達する。彼はそれを成し遂げたんだ。彼には隠しごとは何もない。彼は立ち上がって、それを冷静に受け止めて、前に進んだんだ。ニューヨークのような都市、もしくはアメリカにおいては、人々は喜んでそれを許すことだろう」 

ジアンビが過去の過ちが自分のチャンスを傷つけるのか、それとも役にたつかと質問された際、彼は明言を控えている。 

けれど、彼が唯一確信しているのは、数字はその妨げとなることはないということだ。監督の日々の業務においてデータは極めて重要な役割を持つが、これについてはジアンビには心配はない。1995年から2001年に所属していたアスレチックスで、彼はオリジナルデータからのデータ分析を学んでいる。 

「ぼくはマネーボール(アスレチックス)出身だ。だから、分析に関してはすべてわかっている。僕がマネーボールのようなものだ」ジアンビは笑いながらこう述べた。「そうやって、最強の選手になったんだ。ビリー・ビーンと一緒だった。分析がすべてのGMだったんだ。だから僕は理解している。野球における大事な部分だし、それが野球のやり方でもある」 

ジアンビに残る問題は経験だ。 

彼はプロレベルの経験を持ち合わせてはいないが、近年は未経験者の起用が多いこともあり、経験のない彼が受け入れられないということはないだろう。コロラドでの経験は彼の場合不利にはならなかった。そして現在を気にしすぎるといったチームもあまりないように思える。 

「彼は野球に一生を捧げている。彼はゲームが大好きなんだ」23年間監督を務めたルー・ピネラは、正式なトレーニングを受けていないジアンビを弁護してこう述べた。「彼は実に素晴らしい監督やコーチたちのそばにずっといた。私は彼が多くのことを学んだと確信を持って言えるよ」 

「彼が本当に望むのなら、おそらく採用面接のチャンスはあると思う」ヤンキース監督のアーロン・ブーン は最近の未経験人材の登用についてこう述べた。 

ジアンビは試合に復帰することを望んでいる。しかし今すぐにではない。彼はインディアンスのスプリングトレーニングに関わっていた。そしてヤンキースがオフシーズン中の球団での仕事についての打診があったことを彼は口にしている。 

野球界への復帰スケジュールが決まってはいない。けれど、彼は子供たちがやりたいことを見つけるまでは待ちたいと望んでいる。そしていずれ、球団の一員もしくは指揮を執ることも望んでいるのだ。 

今のところ、彼は家庭で完璧に幸せな生活を送っている。その後の人生はどうだろうか?そう、また別の物語があるのだ。 

「いつか試合に戻ることになるだろう」ジアンビは語った。「確かなことだよ」 

原文:Jason Giambi knows his future is back in an MLB dugout — just not yet
翻訳:Ayako Hayashi

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