昨シーズンのサプライズ、ツインズ好調の秘密は守備の強化にあり【前編】

Alex Stumpf

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2017年シーズンの一番のサプライズはミネソタ・ツインズだった。2016年は103敗の地区最下位から一転し、翌年はワイルドカードでプレーオフに進出した。その主な理由は失点を101減らせたことだろう。有名なピッチャーを獲得したのではなく、ただ、守備を強化したのだ。2018年は更なる飛躍が期待できるが、その前に、どうやって好転できたかを分析しよう。

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第一歩は2016年のオフシーズン中、分析データの活用に長けているジェフ・ピックラーをメジャーリーグコーチに就任させ、捕手のジェイソン・カストロとFA契約を結んだことだ。WAR2.0を記録したシーズンが一度だけという、目立った成績を残せていないカストロにとって3年2450万ドルは高額な気はするが、彼のフレーミング技術で投手陣を強化することがチームの狙いでもある。

ベースボール・プロスペクタスによると、2016年、ツインズはフレーミングにより失った得点がア・リーグで2番目に多かった一方で、カストロは上位3位という成績を収めた。カストロの移籍先は、ツインズが最適だったのだ。

「その時点ではフレーミングについて具体的には話さなかったと思うが、お互い共通の認識を持っていた」とカストロは言う。

カストロは2017年シーズン、ストライクを盗む量は前年よりも減らしたが、控え捕手のクリス・ジメネスと併せて+8.2点で、前年から25点分改善させた。

カストロの加入によってツインズの投手陣は安定したが、更に守備陣も補強された。2016年シーズンの成績を見ると、ツインズの守備率はア・リーグで最下位(.979)、DRS(守備防御点)も下から2番目だった(-60)。ところが、2017年は守備陣を再編成したことで守備率はア・リーグで2番目(.987)にまで好転した。前年と比較すると、20点分の失点を防いだことになる。

ツインズは全体として、DRSとピッチフレーミングを104点分改善したことで失点を101点減らすことができたのだ。

最も大きな変更点は外野手陣だ。ロビー・グロスマンは守備として苦戦していたため、出番をカット。ミゲル・サノは外野手への転向を試みたが、マックス・ケプラーと交換した。センターのバイロン・バクストンは好成績を残し、スタットキャストで計測されたデータによると、平均的な選手より多くアウトを取っていた。この3つの要因は80DRS中の40DRS分を占めている。

そして、カストロのDRS+10に対して前任者のカート・スズキは-12DRSの記録を残していた。カストロは守備で追加された唯一のトップ選手で、ツインズは彼をうまく起用したのだ。

「優れた選手陣がそろっているので、特に何も対策を打たなくてもなんとかなっている」とカストロは説明している。

後編へ続く)

Alex Stumpf