春季キャンプ報告書:大谷翔平はカクタスリーグで浮き沈みあり【前編】

Frank Neville

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カクタスリーグ(アリゾナ州)で5日間過ごし、7試合観戦した。また、多くのバッティング練習やマイナーリーグのチーム練習も見た。注目するすべての若手選手を見ることはできなかったが、2018年のメジャーリーグで活躍する可能性がある若手の情報をいくつか入手できた。

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次の選手は私の一押しだ。

ニック・センゼル(遊撃手/三塁手、シンシナティ・レッズ)は遊撃手として参戦するのだろう。ドラフトで三塁手として指名されたが、スプリングトレーニングでは対応できるポジションを増やし、早くメジャーデビューさせるため、ほとんど遊撃手としてプレイしていた。試合中、彼の並外れた肩、力強い手、守備力が見られた。もちろん、ヒットも打てる。だからレッズは、ニックのためにポジションを用意しようとしている。遊撃手で打率.300、本塁打数が15-20本の選手はそういないが、ニックには可能性がある。そのため、レッズは早くメジャーデビューさせたいのだ。

フェルナンド・タティス・ジュニア(遊撃手、サンディエゴ・パドレス)はもっとも面白いマイナーリーグの選手だ。マイナーリーグの練習試合で彼を見た時、19歳だが青年というより立派な男性に見えた。スイングスピードが電気のように速く、ホームベースで自信に満ち溢れている。優秀な走者でもあるが、盗塁成功率は彼の判断にかかっている。盗塁しようと考えるより、先に動作に速く出るからだ。球場では、目立ったプレイを見せた。腕の強さと、集中力で、メジャーリーグの平均以上の能力がある遊撃手になれるだろう。成長中で体を鍛えている段階で守備力が一旦低下したかもしれないが、今は大丈夫だ。どのポジションでも、スターになれる攻撃力を持っている。

ジェシー・ウィンカー(外野手、シンシナティ・レッズ)はすごい速さのヒットを打てる。と言いたいところだが、昨年のカクタスリーグのレポートと同じ表現になってしまう。ただ、今年はよりその言葉に真実味が増している。ジェシーは私が観戦した2試合とも好調だった。引き締まって、よりアスリートらしくなっている。だから平均以下の守備力もカバーできる。もちろん平均以下の力なら一押ししない。彼には実力があるのだ。昨シーズン121打席中7回ホームランを出し、そのことを証明している。

大谷翔平(右投手/指名打者、ロサンゼルス・エンゼルス)をスター選手とするのは、もう少し待つ必要がありそうだ。大谷は大きな期待をされトレーニングに迎えられた。だが、姿をあまり見せていない。実は、私は今回大谷の試合を見られなかった。プレッシャーを軽減し、メジャーリーグのボール、マウンド、競争心ある環境に慣れさせるため、メインの試合に出ていなかったからだ。指名打者として打席に立ち続けていたが、調子は良くないようだ(20打席中2安打、7ストライク)。エンゼルスがどのくらい彼を隠しておくのか気になるが、これ以上出さないのなら、今シーズンはメジャーリーグの試合出場を見送るのだろう。

エロイ・ヒメネス(外野手、シカゴ・ホワイトソックス)はすごい。最初の2週間は、ヒザの腱炎でほとんど参加していなかった。復帰してから2回目と3回目の試合を見たが、まるでシーズン半ばのようなプレイをしていた。5打席中3回スリーベースヒット、ホームラン、2回四球で歩いた。エロイを何回も見ているが、ホームベースでの自己管理力と落ち着きぶりに感心する。とても21歳のマイナーリーグの選手には見えない。将来メジャーリーグで30回以上ホームランを打つ選手になるだろう。

ケストン・ヒウラ(二塁手、ミルウォーキー・ブリュワーズ)は、良い打者だ。彼はマイナーリーグで最も過小評価されている選手の一人である。選手のパフォーマンスに関する予想分析は、ツールと呼ばれる指標を重視し過ぎる傾向にあり、ヒウラのように地味で小柄な打者は見過ごされやすい。しかし、いずれは彼も正当に評価されるだろう。私が観戦したブリュワーズの試合で、ヒウラはセンターフィールドに大ホームランを打った。今のところ彼は、2塁手で落ち着いているが、最終的にはバッティングを武器にメジャーリーグで活躍することになるだろう。

後編へ続く)

Frank Neville