春季キャンプ報告書:グレープフルーツ・リーグの若手有望株15人【後編】

Frank Neville

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トロント・ブルージェイズのポジションごとの若手有望株の次の波は実に恐ろしいほどだ。ブルージェイズは小規模なチーム再編の最中だが、それに関する朗報は間もなく来そうだ。遊撃手のボー・ビシェットと一塁手のブラディミール・ゲレーロ・ジュニアが注目を独占しているが、この週末にブルージェイズの2Aと3Aのチームを見て、マイナーリーグの素晴らしい野手の層の厚さを再確認した。

ゲレーロ・ジュニアの、並外れたスウィングスピード、開いた口が塞がらないほどの実力、類いまれな自制心は、彼がまだ19歳になったばかりにもかかわらず、子供の中で1人だけ大人であるかのように目立たせている。ビシェットの熱心さと集中力がマイナーリーグの試合ではっきり分かったのは、彼の大きな一振りで、振り抜いた速球がバックスウィングの力によって反対側のバッターボックスに落ちた時だった。彼はじっと宙をにらみつけながら、ホームベースの周りをゆっくりと大股で歩き、バッターボックスに戻ると、次の投球でライト方向への二塁打となる完璧なヒットを打ったのだった。

ビシェットとゲレーロのメジャーリーグでのスターの座を阻むものは見つけがたいが、おそらく内野手のルルデス・グリエルや捕手のダニー・ジャンセンなど、今のマイナーリーグのチームメイトが加わってくるだろう。

ジャンセンは私が見た打席で、優れた反射神経や、確かな打席での自制心、並外れたスウィングスピードを見せた。彼は、プロになった初期のケガで遅れを取ったが、すでに完成されたバッターであり、彼の先進的手法によって、ルーキーにもかかわらず、平均以上の打率と適度なポップフライを見せるだろう。グリエルはいっそう積極果敢なバッターで、私が見た打席では初球をたたき切った。二塁手か三塁手を得意としているキューバの内野手は、24歳にしては少々未熟である。海外FAでブルージェイズと契約してから、マイナーリーグでわずか64試合に出場しただけだが、グリエルがメジャーリーグデビューするのは比較的遅いかもしれない。彼にはメジャーリーグの投手に対してより良い選球眼が必要だろうが、そのスウィングスピードと並外れた力で、15本以上のホームランを打ちながら、そこそこの打率を上げるだろう。

ブルージェイズのチーム再編は、多数の大物有望株を採用するというものではない。マイアミ・マーリンズは今シーズン、おそらく見るに耐えないチームになるだろうが、若いマーリンズは学習していく。マーリンズのロースター改造で、多数のルーキーの出場機会が増えるだろう。将来性のあるラインナップの大部分はニューヨーク・ヤンキースとの対戦でお披露目されたが、そしてもちろんその試合には負けたが、若い選手たちの才能を垣間見ることができた。

三塁手のブライアン・アンダーソンはルイス・セベリーノからホームランを打ち、その後に打った痛烈な二塁ライナーは、もう少しでフェンスに穴を開けるところだった。センターのルイス・ブリンソンもセベリーノに対してよい活躍をし、犠牲フライを含め2打数1安打だった。この二人は共に、開幕戦でスターティングメンバーに入れれば、何らかの成長痛はあるだろうが、実戦から学ぶ機会を得られるだろう。ブリンソンは選球眼について向上の必要があるが、彼の並外れたスウィングスピードと、練習試合での素晴らしいバッティング、スプリングトレーニングでの成功(グレープフルーツ・リーグの39打席での打率.359)は、潜在能力を垣間見せた。アンダーソンはスプリングトレーニングではそれほど活躍しなかった(打率.235、出塁率.366、長打率.500)が、セベリーノとの対戦で見せたように、彼はバランスが良く、より選球眼の良いバッターで、並外れた力と、トップクラスの球速に対応できる能力を持っている。

(完)

原文:Spring Training Update: Top prospects on display in Grapefruit League
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Frank Neville