春季キャンプ報告書:グレープフルーツ・リーグの若手有望株15人【前編】

Frank Neville

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フロリダ。グレープフルーツ・リーグの私のツアーは4日に及び、メジャーリーグの5試合、マイナーリーグのコンテスト4つ、そしていつものようにバッティング練習を長時間観察した。フロリダのスプリングトレーニング場所はかなり広範囲に及ぶため、私は活動をタンパ周辺に集中させた。タンパでは、最も人材豊富なファームシステムがあるチーム(フィリーズ、ブレーブス、ブルージェイズ、ヤンキース)およびトップの有力候補やファンタジーベースボールの隠れた掘り出し物(リドラフト・リーグとダイナスティ・リーグの両方で)のいるチームがいた。

私の主な収穫は下記の通り。大谷翔平に関する考察を含め、カクタスリーグの出張の詳細については、こちら

ロナルド・アクーニャJr.(外野手、アトランタ・ブレーブス)はブレーブスで厳しい時期を過ごしている。私が対タイガース戦で見た時にアクーニャが打ったホームランは、彼がこのスプリングトレーニングで放った4本のうちの1本だった。彼は平均打率でもグレープフルーツ・リーグを牽引しており、OPS(出塁率+長打率)1.255を誇り、4盗塁を決め、守備でも好プレーをしている。そう、在籍期間を考慮すると、彼はシーズン開幕に向けてトリプルAは約束されているような感じだ。きっとブレーブスは、実は彼に改善を要する点があり、彼を下げる理由があってほしいと思っているくらいだろう。チームがアクーニャをメジャー入りさせないのは、彼が明らかに準備万端で、チームが最終的にチャンスを与えるまで良いプレーを続けられるほど強烈な選手だからだ。アクーニャがメジャーに戻るのは5月下旬だと思われる。

シクスト・サンチェス(右投手、フィラデルフィア・フィリーズ)は、ストライクを投げる回数を減らすべきだ。外野のブルペンで投げるサンチェスを見たが、驚いたことに、彼がストライクゾーンの外にボールを投げたのは数回だけだった。私が「驚き」と言ったのは、サンチェスが175イニング中32人しか四球で歩かせず、基本的には90マイル中盤の超速球で打者を狙うからだ。しかし、昨年ハイAでのシーズン後半5試合の序盤で、サンチェスは、攻撃的な投球を打者に利用され、やや荒れた。私が見た時、サンチェスはスライダーとチェンジアップにも取り組んでいた。優秀な打者を引き続き速球で封じたいなら、スライダーとチェンジアップは重要な武器になるだろう。とは言え、彼は19歳にしてすでに目を見張るものを持っているので、いずれフィリーズのローテーションにトップか、あるいはそれに近いところで投げるはずだ。

ジョジョ・ロメロ(左投手、フィラデルフィア・フィリーズ)は身長180センチメートル程あるが、魅力的な投手である。今の試合では、投手陣は投球を「水平」にするため、下に投げることを求められている。180センチメートル程ある投手はスカウトのレポートでは注目されなかった。なぜかと言うと、6勝0敗でリストに載った選手たちで、それくらいの身長の選手はあまり見当たらないのだ。ブルペンで投球練習をしているロメロの隣に立ったが、彼は明らかに6勝0敗の投手たちより「下」だった。しかし、速球の動きは良く、並外れたボールを3球、ストライクゾーンの下の方に強く投げ込んだ。一皮むけて彼は安定しており、昨年のハイAでは良い働きをした。彼がフィリーズで先発を務めるのはそう先のことではないだろう。

中編へ続く)

Frank Neville