【後編】野球への情熱を「再発見」したダルビッシュ

Sarah Wexler

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またしても、ダルビッシュは1 2/3回しか投げられなかった。今回は、最終的にワールドシリーズMVPを獲得したジョージ・スプリンガーにホームランを許した後、ブランドン・モローに後を譲った。またしても、彼は自責点4を記録した(彼がマウンドにいる間、自責ではない5点目も失った)。

 

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結果的にこの日唯一の対戦となった打席で、グリエルは彼のヘルメットを取り、ダルビッシュへの敬意を示そうとした。グリエルは13球粘った末、最終的にフライアウトに倒れた。

ダルビッシュは試合後、グリエルとの一件は彼に全く影響を与えなかったと言った。

「ただ彼に(投球を)当てないようにしました。それだけでした」この問題を長引かせたくないであろうダルビッシュは言った。

しかし、ドジャースファンはそう簡単に片付けられなかった。彼らは試合中、グリエルが打席に入る度にブーイングし続けた。グリエルが来季まで正式に処分を受けなかったことで、彼らはせめてグリエルに自分の行為を反省するよう強いたのだろう。

問題の本質は、ドジャースファンにとって先発投手が早々にマウンドを降り、打線が沈黙したということだ。クレイトン・カーショウ、ケンリー・ジャンセン、アレックス・ウッドが計7回を無失点に抑えたものの、ドジャース打線は多くのチャンスを潰し続けた。ドジャースが出した12人の走者のうち、生還したのは僅かひとりだった。序盤の失点は痛かったとはいえ、打線の不振はダルビッシュの投球よりも重要なドジャース敗戦の理由だった。

とはいえ、もちろんダルビッシュは自身に失望している。そして甘い瞬間を期待していたドジャースファンは、またしても来年まで待つことになった。

ダルビッシュは今オフ、FAになる。彼はドジャースに戻りたい意思を示し、ドジャースは彼が「野球への情熱」を「再発見」する助けになったと言った。

このポストシーズンでの経験は、彼の将来におけるひとつの明確なゴールを残した。

「ワールドシリーズに戻ってきたい、そしてより良いピッチングをしたい」彼は言った。

きっと彼は道のどこかで、再び名誉挽回のチャンスを手にするだろう。

(完)

原文: World Series 2017: Yu Darvish couldn't find redemption as Dodgers fans hoped for revenge

翻訳者:Muneharu Uchino

Sarah Wexler