ヒューストン・アストロズがホセ・アルトゥーベと再契約すると決めたとき、彼はまだ23歳で、デビューからわずか2年半しか経っていなかった。
2013年7月、アルトゥーベは打率.280、21盗塁、28打点という成績を残していた。大して目立つ数字ではなく、その年105敗するチームの2塁手という存在だった。それでもジェフ・ルーノウGMは、この168センチ、75キロの小型選手に賭ける準備ができていた。
MORE: 今なら無料視聴可。スポーツを見るならDAZN(ダ・ゾーン)に!そしてアルトゥーベは4年1250万ドルで契約の延長をした。その契約には2018年と2019年にそれぞれ600万ドルと650万ドルのクラブオプションが、2013シーズンには75万ドルのボーナスが含まれていた。
「明らかにあれは我々がホセ・アルトゥーベに賭けようとしている証しだった」とルーノウGMは10月にスポーティングニュースに語った。
「彼が稀有なシーズンを送ったこともあって、今では破格な契約だけどね。我々はホセに対して強気な姿勢をもち、これからもそうあるだろう」。
ルーノウGMが話す「稀有なシーズン」というのは、現在27歳のアルトゥーベが見せたMVPシーズンのことだ。11月16日(日本時間17日)にアルトゥーベは、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジとクリーブランド・インディアンズのホセ・ラミレスを退け、アメリカン・リーグのMVPを受賞した。
今シーズン、アルトゥーベは.346/ .410/ .547、112得点、204安打、39二塁打、24本塁打、81打点、32盗塁、160 wRC+、7.5WARを記録。年俸はわずか450万ドルだった。
ルーノウGMのギャンブルは、リーグで最もお買い得な契約に繋がったのだ。ヒューストンがオプションを持っていることもあり、アルトゥーベが2018年と2019年に市場に出ることはまずないだろう。しかしルーノウGMはアルトゥーベを高く評価してはいたものの、ここまでの選手になるとは予想もしていなかったようだ。
アルトゥーベがMVP級の選手になることを予想していたのか聞かれたルーノウGMは「ノー」と答えた。
「私が最初にアストロズにきた年、彼はオールスターだった。メジャーにきたばかりの若手で、優勝チームの一員としてやってくれそうな2塁手という目で見ていたんだ。彼のキャリアがこのような成長を見せることは誰もわかっていなかったと思う」。
もしアルトゥーベか彼の代理人が分かっていれば、もっと大型の契約を要求していただろう。結果的に、アストロズはリーグ屈指の選手をお買い得で契約することに成功したのだ。
ルーノウGMは予想することはできなかったが、学習はしたようだ。彼がアルトゥーベの可能性に蓋をすることはもうない。彼は、アルトゥーベが上達への「常軌を逸した欲望」を持っていると表現した。
アルトゥーベはメジャー入りしてから毎年成長している。これが続くのだとしたらものすごいことだ。
「我々でさえどうなるかはわからない」とルーノウGMは話した。
「誰かが彼の限界を予想するたびに、彼はそれを突き破るんだ」。
原文:Astros GM Jeff Luhnow knew Jose Altuve would be good, but never expected this
翻訳:大西玲央