「大谷選手は本当に素晴らしい選択をした」(松井秀喜氏)【後編】

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ーー前編の続きーー

Sporting News(以下、SN) 大谷翔平選手についてお聞きしますが、彼のプレーを見たことは? 投手として、打者として、彼に期待することは?

松井秀喜(以下、松井氏) テレビで少し見ました。動画も見ましたが、あまり彼のことを知っているわけではないです。でも、日本で5年間プレーしてメジャーリーグに来ました。何ができるのか、何をするのか、ここでどんなプレーができるのか、ファンの期待が大きいことは確かです。大変期待されているようですが、ここでどんなプレーができるかは誰も分かりません。これから見ていかないと。

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SN マイク・ソーシア監督とロサンゼルス・エンゼルスのことは少しご存知ですよね。キャリアの終盤に彼らと一緒に過ごしましたが、大谷選手は新しいチームと監督に何を期待できますか。

松井氏  私の知る限り、自分がプレーしていたころのエンゼルスの人間はまだ多く残っています。だから、大谷選手は良い球団に行ったと思いますよ。素晴らしいサポートのある環境で、エンゼルスはファンも素晴らしい。自分の経験から、エンゼルスと契約したのは本当に素晴らしい選択だったと思います。

SN  MLBに来た頃を振り返って、知っておきたかったことや、メジャーに来た大谷選手やほかの日本人選手に助言できることはありますか。

松井氏  初めてメジャーに来たときの経験から、自分へのアドバイスはできると思います。でも、それが彼にも当てはまるかは分からない。彼は違うタイプの選手ですからね。彼は打者だけでなく投手でもある。振り返ってみて、知っておきたかったことや学んだことはありますが、そういうアドバイスが彼に当てはまるかは分かりません。言われても本当には理解できず、経験するまで分からないということだってありますしね。

SN では、ご自身が知っておきたかったと思ったことや、もっと準備しておきたかったことは?

松井氏 本当に野球に関することというのが助言ですね。まずはそれに専念する。そのすべてが良い結果につながるはずです。

SN メジャーに初めて来たときは新しいチームというだけでなく、新しい国、新しい街への移住でした。周りの人の言葉も違う。あなたにとって、適応するのはどれだけ難しいことでしたか? また、文化的な違いを乗り越えるのはどれほど大変でしたか?

松井氏  個人的には、適応にはそれほど苦しまなかったと思います。当時は独身でしたから、心配しなければいけないことも多くはありませんでした。せいぜい食事や睡眠といったところでしょうか。ニューヨークという街でプレーできたのは幸運だったかもしれません。

SN どうしてですか?

松井氏  日本食という点でニューヨークには選択肢がたくさんありますし、日本のコミュニティもある。日本語を話す人たちもね。だから孤立した環境じゃないんですよ。選択肢がたくさんあったから、その意味で自分を表現できた。それでかなり楽に移行できたんです。

SN 松井さんにはあなたを追いかける多くの日本の報道陣がいました。イチローやダルビッシュ有、田中将大といったほかの日本人選手たちも同じです。これから大谷もそうなるでしょう。そうやってメディアから常に注目されることにどう対処したのですか。

松井氏  自分にとっては普通のことでした。メディアの数は日本のころより多かったです。日本にいたときは、メディアが自分だけでなくチームを追っていたという点ですね。

SN ニューヨークには日本文化がたくさんあるとおっしゃいましたが、チームメイトやコーチたちとのコミュニケーションはいかがでしたか? 何かトラブルはなかったですか。

松井氏 もちろん、チームメイトと直接コミュニケーションを取ることはできませんでしたが、必ずしも必要なことではなかったですね。グラウンドに出れば野球ですから。みんなが野球をする。それが共通の言語です。ただ互いに話をすることだけが必要というわけじゃないんですよ。幸いにも自分の周りには素晴らしいチームメイトやコーチングスタッフがいました。コミュニケーションは本当に問題ではなかったです。

SN  最近はグラウンド内外を問わず野球の改善が話題でしたが、MLBが日本のプロ野球から取り入れてうまくいくと思うことはありますか。

松井氏  子供たちに野球を教えることに注力しています。日本では野球人気が落ちているからです。だからそこに専念しているんです。MLBがどうすれば改善できるかは、あまり考えてこなかったですね。

SN 日本の野球人気が落ちている理由はどうお考えですか。

松井氏 近年は日本の人口自体が減っているので、それもあると思います。それに、ほぼ全員が野球をしていた自分の小さかった頃と比べて、最近の日本ではもっといろいろなスポーツができるようになっている。その2つじゃないですかね。

SN 引退したときから球界に携わって残ることを決めていたようですが、今後も続けるつもりですか? そしてなぜそうしたいと思うのでしょう?

松井氏  今後に関する特別なビジョンやプランは本当にないんです。自分がやっていることを楽しんでいるんですよ。自分は野球や野球が与えてくれたことにとても感謝しており、何か恩返しをしたいんです。

原文:A chat with Godzilla: Hideki Matsui on Yankees job, Shohei Ohtani, and adjusting to America

翻訳:Hiroaki Nakamura

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