大谷にフィットする球団は? 最終候補7球団を検証(前編)

Ryan Fagan

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日曜日(12月3日)の夕方、ツイッターでは大量の情報が振ってきた。数々の希望と失望が、北米の野球界に降り注ぐかのように。

ニューヨーク・ヤンキースは、大谷翔平の争奪戦から脱落した。シアトル・マリナーズは最終候補に残り、サンフランシスコ・ジャイアンツも同じく残った。ボストン・レッドソックス、セントルイス・カーディナルスは脱落。サンディエゴ・パドレスは生き残り、シカゴ・カブスとテキサス・レンジャーズも生き残った。ワシントン・ナショナルズ、ミネソタ・ツインズ、ピッツバーグ・パイレーツは運がなかった。他にも様々な情報が出てきた。

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月曜日(4日)の朝までに、私たちは大谷の移籍先候補に7チームが残っていることを知った。マリナーズ、ロサンゼルス・ドジャース、カブス、パドレス、レンジャーズ、ジャイアンツ、そしてロサンゼルス・エンジェルス。7つの本拠地のファンたちは興奮した。23の本拠地は落胆した。

大谷はこの7チームと、対面でミーティングを行う。

状況を巡る真実はこうだ。大谷と彼の代理人が情報公開にとても慎重であることから、彼が何を求めているか本当に知っている者は誰もいない。ニューヨークの人々は、なぜ彼がパドレスを最終候補に残してヤンキースを残さなかったのか、不可解に感じるだろう。大谷の決断を巡るあらゆる推測は、現時点ではあやふやなものだ。

そこで私たちは、野球の観点から、最終候補の7チームがいかに大谷とフィットするかを検証することにする。彼の才能はこれらのチームにどれくらいマッチするのか、そして大谷を得たチームはその後、何をしなければならないのか?

明らかに、お金は大谷の最優先事項ではない。彼はMLB移籍をもう数年待てば、2億ドルくらいの大金を得ることができる。各チームが支払える契約金の金額は、単なる情報に過ぎない。彼の意思決定にどんな要因が左右するのかを知るヒントにはならない。

では、それぞれのチームを見てみよう。

マリナーズ
契約金上限:155万7500ドル

マリナーズの先発ローテーションは彼を活かせる。トップ投手のフェリックス・ヘルナンデス(2016年~17年に計41先発)、ジェームス・パクストン(同期間に計44先発)が健康を維持できておらず、他の投手たちは苦戦している。この事実を考えてみよう。2017年のマリナーズは、13人の投手が4試合以上に先発した。2016年最後の8試合では、8人の異なる投手が先発した。

ネルソン・クルーズが健康かつこれまで見せているような打撃を続ける限り、マリナーズは大谷に指名打者として多くの打席を与えることはないだろう。クルーズはマリナーズでの過去3年、シーズン平均で42本塁打、OPS.925、rWAR4.2を記録している。ベン・ガメルとミッチ・ハニガーは現時点で外野の両コーナー(ライトとレフト)を守る最有力候補だが、ジェリー・ディポートGMは、もし大谷を獲得した場合に外野がどんな風になるかを知っている。彼らは大谷を獲得できるかどうかに関係なく、センターの選手を積極的に探している。

もう一点、明らかに言えるのは、イチローはマリナーズのユニフォームを着てからすぐに、太平洋岸北西部で伝説的なステータスに到達したということだ。これが大谷にとってどれほど重要かはわからないが、ポジティブな要因と捉えて良いだろう。

中編につづく)

原文:Shohei Ohtani finalists: How he fits with each of the seven teams

翻訳:Muneharu Uchino

Ryan Fagan

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Ryan Fagan, the national MLB writer for The Sporting News, has been a Baseball Hall of Fame voter since 2016. He also dabbles in college hoops and other sports. And, yeah, he has way too many junk wax baseball cards.