ロイ・ハラデーの死に関するコラムをいかに切り出せばいいのか、私には分からない。
11月7日午後に届けられた知らせは、あ然とさせるものだった。ハラデーが操縦していた軽飛行機「Icon A5」が、メキシコ湾に墜落したのだ。享年40。まだ40歳だった。
MORE: “今なら無料視聴可能”、MLB、NFL、V-Leagueを見るなら、……LIVE ON DAZN
競技者としても人間としても、ハラデーは野球が与えてくれたベストの人物だった。トロント・ブルージェイズとフィラデルフィア・フィリーズのファンがハラデーを愛したのは、彼らの一員だったからだ。試合の日を除き、ほかのすべてのチームがハラデーを愛したのは、彼らの一員になってほしかったからだ。
ハラデーがマウンドに立つと、そのチームは無敵のように感じられた。スムーズな投球と正確なコントロールを持つ長身右腕は、大事な局面で見事にやってのける男だった。12年も待ったキャリアで初めてのプレイオフの初戦、フィリーズ時代の2010年に、彼はシンシナティ・レッズとのナショナル・リーグ地区シリーズ第1戦でノーヒットノーランを達成。野球界の誰もが、スタートから彼が見事にやってのけると分かっていたが、彼はさらにその期待をも上回ることをやってのけたのだ。
ロイ・ハラデーは、そんな男だった。野球のフィールドでも、引退後の生活でも、ここぞという局面を恐れることがない人間だった。
ツイッターのプロフィールに、ハラデーは「勇気とは恐れ知らずではなく、恐れがあっても行動することだ」と記している。
ハラデーはあの飛行機、あの「Icon A5」を愛していた。ツイッターの彼のページを少しスクロールするだけで、それはとても明らかなはずだ。彼は誇りを持っていた。空での時間の写真や動画を投稿し、彼が空に連れていった人たちのツイートをリツイートしていた。
What do clouds feel like? I didn’t know either until I got my new Icon A5! I’m getting bruises on my arms from constantly pinching myself! pic.twitter.com/BaObEUj3Xo
— Roy Halladay (@RoyHalladay) 2017年10月13日
振り返ってみると、胸が張り裂けるようだ。
7日の恐ろしいニュースを消化しようと、私はハラデーのツイッターのタイムラインをスクロールし始めた。最新のツイートは、一番下の息子の野球チームと祝っているセルフィーだった。ハラデーは大きな笑顔を見せている。私はすぐに、それらが変わらぬテーマだったと気づいた。息子たちと満面の笑みで人生を祝うということだ。
引退後の春、2014年3月にアカウントを作成してから、彼が投稿したのは450ツイートだけだった。だが、そのツイートのほぼすべてが、人生への愛と、生き生きした引退後の日々に関するものだった。慣れるのには少し時間がかかっており、初ツイートは資金集めのイベントに関するものだったが、画像が逆さまになっている。
Awesome event. Me, Chase Utley, AJ Burnett, Kyle Kendrick, Dewayne Staats & more! email factrfundraising@gmail 4 info pic.twitter.com/dy6hcFwWIR
— Roy Halladay (@RoyHalladay) 2014年3月11日
その約1時間後に、今度は正しく画像をつけて再度ツイート。さらに16分後、まったく同じツイートを投稿している。ハラデーは新たな“船”を学んでいたのだ。その夜、彼はユーモアを交えつつ、ツイッターを完璧に学んでいくつもりというツイートを投稿した。
Hey everybody. Thanks for following. I had to retire before I had time for social media! Please be patient while I figure this out!
— Roy Halladay (@RoyHalladay) 2014年3月11日
愚かかもしれないが、私はハラデーのツイッターのタイムラインをスクロールすることで、少し慰められた。フォローしていなかったが、しておけば良かったと思う。彼はツイートしたすべての日を少しでもより良い日にしていたはずだ。差し支えなければ、ここでみなさんとその一部を分かち合いたい。それらはあなたを笑顔にしてくれるかもしれない。私を笑顔にしてくれたように。
(後編につづく)
原文:Roy Halladay's joy in living allows us to smile a little amid sadness
翻訳:Hiroaki Nakamura