ワールドシリーズ第7戦はダルビッシュ有の思い通りにいかなかった、と言うだけでは十分ではない。
彼にとって、この試合は名誉挽回の機会だった。ドジャースファンにとっては、リベンジを果たす試合だった。そのどちらも成し遂げられなかった。ロサンゼルス・ドジャースはヒューストン・アストロズに5-1で敗れた。
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「この痛みはしばらく自分の中に残る」ダルビッシュは試合後、通訳を介して言った。
物事は少しばかりフェアでないように思える。ドジャースはこの日のような大舞台での先発を見据えて、トレード期限にダルビッシュを獲得した。そして地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズでの彼の素晴らしいパフォーマンスは、ドジャースがここまで勝ち上がる上で重要なものだった。
「ワールドシリーズではそれができなかった」彼は言った。「チームの力になりたかった」
彼の苦戦はヒューストンでの第3戦にはじまった。ダルビッシュは1 2/3回で4点を失い降板した。しかし、他のある人物の行為によって、彼への注目度は下がった。
ユリエスキ・グリエルはその試合の2回、ダルビッシュからソロホームランを放った。その後、ダグアウトのカメラはグリエルが自分の目を引っ張り、「チニート」という言葉を発している姿を捉えた。それは明らかに、日本人とイラン人の血を引き日本で生まれたダルビッシュへ向けられた人種差別的なジェスチャーだった。
グリエルとアストロズは、彼の行為について謝罪する声明を出した。MLBは、グリエルのワールドシリーズ出場を取り消す代わりに、2018年シーズンの5試合を出場停止とする処分を下した。
ダルビッシュはグリエルの行為を「敬意に欠いたもの」と言ったが、個人的に謝罪する必要はないとグリエルに告げ、可能な限り迅速を全てを味方につけた。
第7戦の試合前、ダルビッシュは第3戦での失敗が彼を「より謙虚に」試合に臨ませると言った。そして彼は、第7戦が前回登板の埋め合わせをする機会となることを望んでいた。グリエルとアストロズが受けるべき処罰を受け、ダルビッシュが第7戦で素晴らしいピッチングをすることは、ドジャースファンにとって究極の正義であるように思われた。しかし、宇宙はそのようには回らなかった。
(後編につづく)
原文: World Series 2017: Yu Darvish couldn't find redemption as Dodgers fans hoped for revenge
翻訳者:Muneharu Uchino