停滞するFA市場に現役選手も懸念 カブスのリゾは「僕の年俸使って」

Sporting News Japan Staff

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今季も停滞しているMLBのFA市場。こののっぴきならない状況を案じ、現役選手たちがそれぞれに思いを語っている。

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シカゴ・カブスのアンソニー・リゾは、今季のFA市場を揶揄し、『シカゴ・トリビューン』の記者にこんな冗談を言ったという。

リゾ「何が起きたかっていうとね。僕は自分が今年もらえる年俸1200万ドルの半分を、(カブスとサインしてもらうために)使ってほしいって提案したんだ。でも断られた」

記者「ブライス・ハーパー、マニー・マチャドのどちらに?」

リゾ「両方。300万ドルずつね。半分に分けたんだ」

当然、リゾの提示額ではマチャドやハーパーが契約に納得する額には遠く及ばない。10年3億ドル規模を望んでいるという両者は、リーグ全体がスプリングトレーニングに突入した今もまだ、どのチームとも契約できていない。

今季FA市場最大の目玉である両者のみならず、他にもボストン・レッドソックスからFAとなったクレイグ・キンブレル、ヒューストン・アストロズからFAとなったダラス・カイケルもまだ所属先が決まっていない。

ロサンゼルス・エンゼルスの外野手マイク・トラウトは18日、『USAトゥデイ』に以下のように語っている。

「間違いなく、球界にとってよくないことだよ。トッププレーヤーの2人がまだ契約していないんだから。再建したいって言うなら、なぜトップ選手をとらないんだ?……彼らが数週間のうちにサインできることを願うよ」

12日には、ロサンゼルス・ドジャースの投手、クレイトン・カーショーも不満を漏らした。『LAタイムズ』が報じている。

「リーグにとって、いいことなんて一つもないよ。26歳のスーパースターが2人いて、僕は彼らに何が起きているのか、どんなオファーを受けているのかは分からないけど」

「(停滞は)2年連続だから、選手たちはますます不安に思うだろうね。……僕たちは何が起きているのか把握して、話し合って、解決策を見つけていく必要がある」

内野手マイク・ムスタカスは、FA市場の動きの鈍さに翻弄された一人だ。

今季FAとなったムスタカスは、長期の大型契約を求めていたが所属先が決まらず、17日、昨季所属していたミルウォーキー・ブルワーズと単年の再契約に合意した。

ムスタカスは2018年のFA市場でも目玉となっていたが、同じように契約がまとまらず、3月というぎりぎりのタイミングで古巣カンザスシティ・ロイヤルズと単年契約にサインしている(その後7月にトレードでブルワーズ入り)。

節約合戦に興じるチームの間で翻弄される選手たち。選手にも球界にも少なからずダメージの残るFA市場の停滞は、今後も続くのだろうか。


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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel』提供

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。